鍼灸の効果

2017年3月12日

鍼灸の効果

 

 

東洋医学の治療は自律神経を整える事にも優れています。考え方はバランスを整えるように身体の循環を治していくというものです。

東洋医学の病気や症状に対する捉え方は大きく分けて4つあります。

 

それは「実」「虚」「熱」「寒」です。

実際には「実と虚」が入り混じった「虚実挟雑」という状態や、「熱と寒」のどちらでもない「平」という状態もあります。

 

実と虚

①実とは

「実」とは体の中に余分な物が存在していたり、それが経絡などの通り道に詰まってしまっていたり、臓器の機能が異常亢進している状態です。

 

②虚とは

「虚」とは体に必要なものが足りていなかったり、経絡などの必要な部分に届いてなかったり、臓器の機能が低下している状態です。

 

このように内臓や経絡が実や虚といった状態にあると、その部分によって様々な病気や症状が現れます。

 

 

熱と寒

①熱とは

「熱」とは体内に熱がこもっている状態です。このような場合、多汗、のぼせ、火照り、口や喉の渇き、冷やすと楽になると言った症状が現れます。

そして同じ熱にも「実」と「虚」の区別があります。

実の熱(実熱)は、様々な原因(多くの場合、経絡や胃腸に詰まった物が長く滞っていると熱化してしまうケース)により体内に余分な熱が生じてしまっている状態です。

虚の熱(虚熱)は、熱を冷ます力が不足する事で、相対的に熱の力が強くなり過ぎてしまっている状態です。

 

②寒とは

「寒」とは体内に冷えがこもっている状態で、手足やお腹の冷え、頻尿や下痢、寒さで関節が痛む、温めると楽になるなどの症状が現れます。

寒にも「実」と「虚」があります。

実の寒(実寒)は、冷たい飲食物の過剰摂取や体を冷やす事など外部からの影響により体内に冷えがこもっている状態です。

虚の寒(虚寒)は、体を温める力が不足する事で、相対的に寒(冷え)の力が強くなり過ぎてしまっている状態です。

 

 

鍼灸治療の効果

「実と虚」「熱と寒」の状態に対して、それぞれ鍼灸治療による作用・効果は以下の通りになります。

 

 

①「実と虚」に対する治療

実に対する治療効果で最も分かりやすいのが、詰まっているものを通す作用です。

特に東洋医学では「不通即痛」と言って、経絡という通り道に詰まり(不通)があると痛みが起こる(即痛)とされています。

ですので、その場合その詰まりを取り除く事で痛みが治ります。

鍼には気血などの詰まり・滞りを流す作用があります。

 

②臓器の機能亢進(実)や機能低下(虚)に対する治療効果

経絡というエネルギーの通り道は臓器につながっています。

ですので、この経絡(正確には経絡の上に点在するツボ)を鍼で刺激する事で、経絡を通じて臓器を刺激し、機能を活性化したり抑制したりと調整する事が出来ます。

このように鍼で臓器を調整する事で、臓器の異常な機能亢進や機能低下を改善していきます。

 

そして臓器の機能異常によって起こる様々な不調を改善する事で、溜まってしまっている余分なものを排出したり(実の改善)、

飲食物や空気から気血(エネルギーや栄養)を作り出して全身に送り届ける機能を回復する事で、体に足りないものを補う事ができます(虚の改善)。

 

これらのメカニズムによって、鍼治療を行い実や虚の状態を改善していく事が出来るのです。

 

 

③熱に対する治療効果

熱には大きく「実熱」と「虚熱」がある事はお話しました。

 

「実熱」の場合、余分な物が長く滞っている事が大きな原因になるため、その滞りを鍼によって流していく事が重要になります。

①にある通り、鍼は詰まりを改善する作用があります。ですので経絡の詰まりを取り除いて流れを良くする事で、熱を取り去っていきます。

経絡の他にも特に胃腸にも熱がこもりやすいため、お腹や胃腸に関する経絡の詰まりを鍼を用いて解消していきます。

 

「虚熱」の場合、熱を冷ます力が不足している事が原因で起こります。

そして熱を冷ます力は、主に血液と水分量(2つ合わせて陰分と言います)に比例します。

この陰分の生成不足や過剰消費があるとその量が低下し、熱を冷ます力が弱まります。

 

生成不足は主に消化器系(脾や胃)の機能低下が原因である事が多いので、②にある通り、鍼を用いて消化器系の機能低下を改善していきます。

 

過剰消費は主に肝や腎といった自律神経系、内分泌系(ホルモン)の異常により起こりやすくなります。

この場合も②にある通り、肝や腎の機能低下を改善していく事が虚熱の改善に効果的です。

 

虚熱の場合は少し複雑ですが、熱を冷ます陰分の低下を引き起こしている原因に対して対処していきます。

 

 

④寒(冷え)に対する治療

寒にも「実寒」と「虚寒」があります。

 

「実寒」の場合、冷たい飲食物の過剰摂取や体を冷やす事など外部からの影響により臓器や経絡に冷えがこもってしまっています。

ですので冷えている臓器に関連する経絡上のツボや、冷えが停滞している経絡自体を温める事でこの冷えを取り除きます。

 

冷えを取り除くのに最適な治療法がお灸になります。

お灸はもぐさを燃やす事で熱を生じて冷えを取り除く作用があるため、とても効果的な治療になります。

 

「虚寒」の場合、体を温める力が不足している状態です。

体を温める力は「陽気」の量に比例します。この陽気が少なくなると体を温められずに体内に冷えが生じます。

この場合は、陽気の生成不足や過剰消費が原因となります。

 

生成不足は主に消化器系(脾や胃)の機能低下が原因である事が多く見られます。

ですので②にある通り、鍼を用いて消化器系の機能低下を改善していきます。

また虚寒のケースでは、消化器系自体にも冷えがある事が多いため、その時にはお灸を用いて消化器系の経絡やお腹を温める治療が効果的です。

 

陽気の過剰消費は主に腎の機能低下が原因となります。特に加齢や長期臥床、大病や服薬により、腎の陽気を消耗してしまい、冷えが生じます。

この場合、腎の経絡や腎と関係の深い下腹部や腰にお灸をし、熱によって陽気を補う事が虚寒の改善に効果があります。

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 10:21 / 院長コラム

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