2016年5月28日
偏平足とは、足底部の状態で足踏まずが無い状態のことを言います。子供のころは誰でも偏平足ですが、成長期によって足踏まずが形成されていきます。8~12歳ごろまでに足踏まずが形成されないと偏平足だといいます。後足部の外反変形を伴うものを外反偏平足、横アーチが減少して、足の真ん中ぐらいの中足骨が広がったものを開張足と言います。
偏平足だから痛みが必ずあるというわけではなく、偏平足の状態だから脛や足に症状が出やすくなるというものです。
偏平足は、足にあるアーチが消失していることで、足のクッション性が下がっている状態になります。足には、縦アーチと横アーチがあり、これが下からの衝撃のクッションになっているわけです。足には、26個の骨で成り立っているのでこの並びが上手くできていないと偏平足になります。このアーチは靭帯や筋肉の引っ張りからも影響されるので、偏平足による痛みや症状は、下腿下部からみていくことが重要です。重心のかかりかたで、腰や膝を含めた下肢のアライメントによることもあるので、偏平足治療でも腰や膝の治療も必要になる場合があります。
縦アーチ
内側縦アーチ・・踵骨、距骨、舟状骨、楔状骨、中足骨
外側縦アーチ・・踵骨、立方骨、中足骨
横アーチ
前足部・・第1~5中足骨
中足部・・楔状骨、立方骨(リスフラン関節部)
偏平足には、先天的な偏平足と後天的な偏平足があります。先天的なものは、元からそのような状態になりやすい骨格が原因です。後天的なものは、外で駆け回るような遊びをしない子供は足の筋力が弱いために起こることや、骨折などを原因としておこることもあります。
偏平足は、基本的に無症状であることが多く、問題がなければ特に治す必要が無いものです。
偏平足によりでる症状は、足裏の痛みや歩行障害などがあります。偏平足だとクッション性がないためか歩くとすぐ疲れてしまうことや、何かしら足に痛みを起こしやすくなります。
偏平足によってできやすいものは、足裏のタコや外脛骨、外反母趾、足底筋膜炎があります。
足のクッション性がないため上記のような症状を引き起こしやすいと考えられています。
偏平足は発症時期によって小児期偏平足、思春期偏平足、成人期偏平足と分類されます。小児期はあまり走り回ったりしていなかったことが多く成人期では、後脛骨筋腱の機能が低下していることが多いです。
症状が無ければ対応しないもので、偏平足による痛みがあれば基本的に足底板(インソール療法)を入れることになると思います。
先天性で骨格に異常があるものや外脛骨が有痛性になり保存療法で改善されない場合は手術を行うこともあります。
・足底板治療
・運動療法
・装具の着用
足の筋力不足などは基本的に運動療法の指導や自宅できる足の体操を伝えます。
すぐに疲れてしまうことや痛みがでやすい場合には、下肢の疲労回復をメインに考えて、アライメントを整えつつ下肢の硬結部位に刺鍼します。大腿四頭筋やヒラメ筋など硬くなっていることが多く、比較的大きい筋肉の循環を良くしていきます。灸頭鍼などを使い心地よい刺激法で改善させていきます。
後脛骨筋の硬さや機能不全では後脛骨筋を狙い刺鍼し、効果を上げていくには、電気通電療法を行います。足底部のアーチは筋肉の硬さと痛みがでるまで硬くなってしまった関節間の関節運動を正常に戻すよう治療します。関節を一つずつ動かしていくことで硬くなってしまった、関節包や靭帯の柔軟性を取り戻していきます。
関節の柔軟性を保つためにテーピング療法も合わせて行っていきます。
自律神経は、人の自然治癒力に大きく関係します。自律神経は自分の意思では動かせないもので内臓器や全身の血管状態をコントロールしています。この自律神経が内や外からのストレスに反応してバランスを崩すと自然治癒力を発揮できない状態になります。この乱れた自律神経を整えるのに優れているのが鍼灸治療です。
当院では、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを調べることができます。人によってどのように崩れているかは違いますので、測定することによってより症状を細かく捉えていくことができます。
自律神経状態以外にも身体的ストレスや精神的ストレスも測れることができますので多角的に症状を捉えオーダーメイドの治療でアプローチしていけます。治療時間は小一時間程で限りなく痛くない鍼とお灸を使って治療していきます。
患部だけの治療でも効果はでますが、身体全体が治ろうという状態の方が回復も早いです。
患部の症状改善と全体の体質改善も同時に治療していきます。
治療期間は、症状改善に合わせて感覚を開けていきます。初めの方は詰めて来て頂いた方が効果を出やすいので、一週間以内に一度の間隔をお勧めします。状態を判断して自宅指導や運動療法などを伝えます。
偏平足による症状でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越しください。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:44 / 院長コラム