2016年6月6日
アレルギー性鼻炎は「花粉症」というと誰でも聴いたことがある名前だと思います。
花粉症は日本人の約4人に1人が発症していると言われています。 俗に「花粉症」と言われていますが、アレルギー性鼻炎の1つです。
ひとえにアレルギー性鼻炎といっても様々なアレルゲン(人体が害だと判断する物資)があります。
アレルギー性鼻炎の原因はアレルギー性結膜炎でも述べた様に、ほこりやダニ、花粉です。
特に花粉は飛散する季節が樹木によって異なり、反応するアレルゲンが多い方には1年中花粉症の方もいます。
症状の時期や程度を日記につけて経過を観察すると、どの花粉が自分のアレルゲンかをある程度予測することができるかも知れません。
花粉に反応してアレルギー反応が起こる方を季節性アレルギー性鼻炎
ハウスダストに反応してアレルギー反応が起こる方を通年性アレルギー性鼻炎と分けたりします。
連続で起こるくしゃみ(特に朝)、水っぽい鼻水、鼻詰まり、目の異物感、まぶたの腫れ等です。
身体がアレルゲンを洗い流そうと鼻水を出したり、
これ以上アレルゲンが身体に入って来ない様に鼻を詰まらせ、目を腫れせて外気との接触を減らそうとする反応です。
他にもアレルギー反応は免疫反応なので発熱など風邪と似たような症状を起こす場合もあります。
特異性IgE抗体検査、パッチテスト、好酸球検査を行いアレルギー反応の有無、どのアレルゲンに抗体が反応するかを調べる方法があります。
アレルゲンがわかれば物理的に回避することができて対策もしやすくなります。
アレルギー性結膜炎と同じ様に抗アレルギー治療薬による薬物療法になります。主に内服薬、点鼻薬、点眼薬です。
あまりにも症状がひどい場合にはレーザー治療などの手術を行うことも可能なようです。
東洋医学では鼻詰まり、鼻水、嗅覚減退を主症とする病状を鼻淵といいます。
①肝胆の鬱熱による鼻淵
これは普段から辛いものを食べ過ぎたり、飲酒が多い人は湿熱が体内にこもりやすく
また情志失調により肝胆の疏泄作用が失われると気が鬱し化熱すして
これらの肝胆の鬱熱が脳を犯し、脳汁が漏れて鼻淵が起こるされています。
②脾経の湿熱による鼻淵
普段から甘いものや油っこいものを食べ過ぎると体内に湿熱がこもりやすくなります。
この湿熱は脾胃に影響しやすいという特徴があります。このために脾の運動機能が弱まり、清気が昇らず濁陰が降りなくなり、湿熱が陽明経脈にそって鼻に影響すると鼻淵が起こります。
③肺気による鼻淵
何かの原因により肺気虚となり、そのために衛外機能が低下して外邪を受けやすくなって感冒にかかりすくなります。
また肺気が不足しているとその治節機能も悪くなり、邪毒が停滞しやすくなりそれが鼻に影響すると鼻淵が起こります。
④脾気虚による鼻淵
飲食不節や過労、思慮過度によって脾胃を傷付け、そのために気血の生成が不足し、清陽が顔面部まで昇らくなり、鼻が気血の栄養を充分に受けられなくなると邪毒が停滞してしまって鼻淵が起こります。
呼吸器に関する症状は全体的に肺の経絡と深く関係していると言われています。
そして肺の経絡と大腸の経絡は表裏関係と言ってとても密接な関係にあります。
鍼灸治療では肺の経絡に補法を行い肺の気を補います。
そして大腸の経絡に瀉法といって少し強めの刺激を加えてバランスを整えます。
そして鼻の周囲や目の周りなど症状が強く出ている部分に直接刺激を加えて症状の緩和をはかります。
東洋医学では標本同治という言葉があります。
標本というのは表にあらわれて見られる症状を指します。
本というのは根本にある病気の元を指します。
標本同治というのは文字通りそれらを一緒に治療する事を言います。
アレルギー反応は免疫反応の過剰反応にあります。
当院のアレルギー性鼻炎の治療では経絡や鼻の周囲に対する施術を行い、さらに免疫反応に関係のある自律神経に対する全身的な治療も行います。
自律神経のバランスを整え、免疫反応を正常にすることがアレルギー性鼻炎を抑える近道にもなります。
また腸の働きは自律神経に支配されているので、そういう点からも自律神経の治療は重要と言えます。
花粉症の方は花粉が飛散する6ヵ月~3ヵ月ほど前から治療を開始しておくとより効果があります。
アレルギー性鼻炎を防ぐ為には何よりもアレルゲンとの接触を避ける事が大切です。
ハウスダストに原因がある方は換気や掃除をこまめにするようにしましょう。
花粉に原因がある方は飛散し始める前から予防を行いましょう。
そして肺の機能の働きを助けるために腸内環境を整えてあげるような生活習慣を身に付けましょう。
当たり前ですが、早寝早起きバランスの取れた食事が基本になります。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 18:15 / 院長コラム