過活動膀胱の鍼灸治療

2017年2月14日

過活動膀胱

 過敏性腸症候群

・突然トイレに行きたくなり我慢できない

・頻繁にトイレに行きたくなる

・我慢が出来ず尿が漏れる

など上記の症状が長期にみられる場合は過活動膀胱の可能性があります。

過活動膀胱は尿意切迫感を主症状とし、急な尿意で頻繁にトイレに行くことや尿が漏れる事が特徴です。

日本では約800万人が過活動膀胱にかかっていると調査でわかりましたが、実際に治療を受けているのは一割くらいです。これは恥ずかしいことや頻尿を疾患だと自覚しないためではと考えられます。

年齢と共に増加傾向にあり、高齢者では三人に一人の割合になります。

過活動膀胱は原因不明ですが、膀胱の蓄尿機能の低下や膀胱が過敏、他の疾患などいくつかの説があります。

 

原因

神経因性のものと非神経因に分かれます。

神経因性

脳と膀胱の間にある神経が原因で起こります。脳血管障害や脊髄の損傷、パーキンソン病などがあります。

非神経因性

前立腺肥大症、骨盤底筋障害、下部尿路通過障害、加齢などがあります。

 

治療法

病院での治療は薬物療法行動療法が主体になります。

薬物療法では排尿筋の不随収縮を抑える薬や膀胱の蓄尿機能を高める薬がだされます。

行動療法は、水分摂取についての生活指導や排尿間隔を開けていくのと骨盤底筋を鍛える訓練になります。

 

 

 

 

 

過活動膀胱の東洋医学の考え方

 

東洋医学では過活動膀胱の原因には大きく分けて3つあると考えています。

 

まずはその前に排尿までのメカニズムを説明したいと思います。

 

尿は全身を巡って来た水分がに集まる事から始まります。

その水分のうち、再利用するものと不要とするものに分けるのが腎の作用の1つになります。

このうち不要となった水分は膀胱に送られます。

膀胱にて、余分な水分は腎のエネルギー(陽気)によって尿に変換されます。

変換された尿は膀胱の作用によって一定量貯蓄されます。そして一定量溜まったら、膀胱の作用によって排尿されます。

 

この蓄尿と排尿は膀胱の作用によって行われますが、それをコントロールしているのは、これまた腎になります。

 

少し分かりづらいですが、水分の分別、尿への変換、蓄尿と排尿には、腎と膀胱が深く関わっています。これらの機能と連携がうまく行く事で正常な排尿が行われます。

 

ですので、過活動膀胱では腎と膀胱の機能不全によって起こる事がほとんどです。

しかし実は原因はこれだけではありません。

というのも、水分が腎に集まるには三焦という通路を通るのですが、その流れをコントロールしているのが実は「」なんです。

ですので、腎、膀胱、肝の機能障害によって過活動膀胱が起こると考えられます。

 

 

腎の弱り

腎は水分を分別し尿を生成し、膀胱の活動(蓄尿と排尿)をコントロールします。

加齢や大病、麻酔や長期の服薬(特に抗がん剤やステロイド剤)により、腎は弱っていきます。

すると膀胱をコントロール出来ずに頻尿や尿もれと言った症状が出て来ます。

特に冷えも重なると夜間や朝方の頻尿が起こりやすくなります。

 

 

膀胱の過敏性

脂っこいものや辛いもの、甘い物を過剰に摂取すると体内に熱がこもります。

これが膀胱にこもることで、膀胱が過敏になり、少しの刺激で尿意を感じたり、尿もれと言った症状が起こります。

 

 

肝の機能障害

これまでも肝については何度も説明してきましたが、それだけ体に取って肝の影響は様々な所に現れてきます。

先ほど水分の通路である三焦の流れをコントロールするのが肝の作用であるとお伝えしました。

ですので肝の機能障害が起こると、三焦の流れ、つまりは水分の流れが悪くなり、腎や膀胱への水分の供給が不安定になります。

すると特に膀胱の機能が低下するため、頻尿や尿もれと言った症状が起こります。

 

また肝は筋肉の作用をコントロールしています。そのため肝の機能障害が起こると筋肉の機能障害を起こします。

特に肝の経絡は股関節や骨盤底を通るので、股関節や骨盤底周りの筋肉に影響を及ぼしやすく、筋肉の作用が落ちます。

すると特に括約筋の力がうまく発揮出来ず、頻尿や尿もれが起こりやすくなります。

緊張した時に尿意を催すのもこのためです。

 

以上のように過活動膀胱の原因は主に腎や膀胱にある事が多いですが、実はその陰に肝の機能障害がある事も良く見られます。

そのため、過活動膀胱でも全身の状態をしっかり見て行く事が重要になります。

 

自律神経療法

原因不明のためストレスや自律神経が原因ではと考えられています。

当院では自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを調べる器械があります。このデータを元に乱れた自律神経を効率良く整えていきます。

手足やお腹には自律神経を刺激する反応点があります。自律神経測定器のデータを元に行なうので2回目から客観的に体質変化や自律神経状態を確認できます。

自律神経は日々の生活や長い間ストレスにさらされて乱れるので、一回の治療で体質が改善することはあまりありません。

初めのうちは1週間に一度のペースで通院して頂くと効果がでやすいです。治療効果が出始めると良い癖がついてきた証拠ですので、ここから徐々に間隔を開けていきます。

効果が出始めるまでは1週間に一度のペースをお勧めします。

 

当院で使用する鍼やお灸

完全使い捨ての鍼を使用します。

 

心地良いお灸です。

 

お灸と同じ効果を出す治療器です。

 

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 20:39 / 院長コラム

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