多汗症の自律神経治療

2017年2月14日

多汗症

 

多汗症は交感神経が過敏になって発症すると考えられています。

汗をかく一番の役割は体温の調節です。体内の温度を調整するために汗によってコントロールされています。

多汗症は通常より多くの汗が出ることと精神状態が強く関わります。

汗には二つの汗腺があり、一つがエクリン線。これが多汗症に関わる汗腺です。もう一つがアポクリン汗腺。これは臭いがでるため、わきがの元になる汗腺です。

エクリン汗腺は交感神経によってコントロールされているため交感神経の異常が多汗にさせていると考えます。

エクリン汗腺はほとんど水分のため臭いなどはしないのですが、多量に出ると日常で書類がふやけてしまう、人と握手するのが怖い、触った物に水滴がつくなどと不安になります。

精神状態が強く関係するため恐怖感などを覚えると汗の量も多くなります。

エクリン線は交感神経支配で感情から緊張や恐怖などを感じると汗が出るようになっています。

鍼灸治療ではこの精神面が落ち着くようにすることと自律神経のバランスを整えるようにします。

 

種類

続発性のものと原発性のものがあります。続発性は他の疾患によって起こるもので、中枢神経や循環器、内分泌組織などに疾患があると汗を多くかいてしまいます。

疾患・・・甲状腺機能亢進症(バセドー病)、悪性リンパ腫、糖尿病、結核

原発性は疾患がない状態で起こるもの、生まれつき持っていると考えれば分かりやすいと思います。原発性は自律神経の乱れが原因になっているとも考えられています。

 

場所

全身性多汗症

全身から大量の汗がでます。

局所性多汗症

手や足、脇など部分的に大量の汗がでます。場所によって名前がつきます。

・手掌多汗症

手のひらに大量の汗をかきます。

・足蹠多汗症

足に大量の汗をかきます。

・腋窩多汗症

脇から大量の汗をかきます。

・頭部多汗症

頭から大量の汗をかきます。

・顔面多汗症

顔面から大量の汗をかきます。

 

 

 

 

多汗症の東洋医学の考え方

 

東洋医学で考える多汗症には、汗の出る時間帯や部位により大きく3つに分類出来ます。

 

気虚(陽虚)タイプ

 

気虚とは、体のエネルギーであり臓器や全身を正常に動かす物質である「」が不足している状態です。

消化器系の異常や偏食により栄養が不足していたり、睡眠不足が続いたり、長期間病気を患っていたり薬を飲んだりしているとどんどん消耗し不足していきます。

気の中でも体の表面を巡る「衛気」が不足すると、汗腺が開きっぱなしになります(衛気が汗腺の開閉を調整しているため)。すると暑くもないのに汗がジワーッと勝手に出てきてしまいます。この時の汗は全身から出てくるのが特徴です。

 

衛気は肺によって作られ全身に送られるため、肺が弱ると衛気の量と分散が低下します。

 

また気虚が進行すると、気の中でも体を温める陽気も不足してくるため、体が冷えてきます。すると体は冷えているのに汗をかいてしまうという状態になります。

 

 

陰虚タイプ

 

陰虚とは陰分(血や水分)が不足した状態です。陰分が正常量であれば体内の熱と冷のバランスが取れます。

しかし例えば大病や麻酔の使用、加齢、過剰なストレスが続くと腎が弱っていきます。腎が弱ると陰分が不足していく傾向にあります(状態によっては陽気が不足する事もありますが…)。

また睡眠不足や偏食によって血が作られずに不足するケースもあります(特に毎月月経のある女性は出血によりよく見られるケースです)。

 

このように血を含めた陰分が不足すると、体内の熱を冷ます事が出来なくなり、熱がこもったような状態になります。

 

この時に出る汗の特徴は「寝汗」です。

普段はそんなに汗をかかないのに寝汗はよくかく方はこのケースの可能性があります。

また陰虚で特徴的なのが手足や胸の火照りです。場合によっては夢を良く見たり不眠症のような症状を伴う事もあります。

 

 

肝気うっ結タイプ

 

先ほど出てきた「」ですが、気を体内にくまなく巡らせるのが肝の作用です。

肝は精神的なストレスに弱く、過剰なストレスがかかると機能障害を引き起こします。

そして肝の機能障害が起こると、気が巡らずに滞ってしまいます。

特に手足などの末端部分やもともと巡りが悪い脇などに気が巡らなくなってきます。

そしてそのような部分で気が足りなくなり、汗が出て来てしまいます。

この時の汗の特徴は、手足や脇にかく汗で、精神的なストレスによる発汗が特徴です。気が巡っていないので局所の手足などは冷えている事も多いです(冷や汗)。

 

自律神経

自律神経は持続的なストレスを受け続けるとバランスを乱します。現代社会のようにストレスを受けやすいと交感神経優位や自律神経の異常が現れやすくなります。

整えるには身体にあまり負荷をかけず規則正しい生活習慣を身につけることが大切です。

お仕事や家事、育児が忙しいと自分の身体は二の次になってしまい、症状で気づいたときにはすでに治りにくい状態という事が多いです。

当院には自律神経を測定する器械があります。体内バランスをデータとして見れるので体質変化が客観的に分かります。

 

自律神経療法

上記の自律神経測定器のデータを元に治療を行なうため効果を高くだせます。

お腹や手足の自律神経反応点を刺激する事で交感神経と副交感神経のバランスを整えていきます。

一時間ほど心地良い刺激で治療をすると終わる頃には身体がリラックスした状態になります。反応が良い方では初日から変化を実感して頂けると思います。

多汗症でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 19:27 / 院長コラム

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