耳鳴りがストレスに感じるなら鍼灸治療がおすすめです

2021年1月18日

耳鳴りの鍼灸治療

耳鳴り症状の原因

様々なものが考えられますが、耳鳴りでお悩みの方には病院で検査してもわからなく治療を受けたくても適切な治療法がないという方が多いです。

今の日本では4人に1人の割合で耳鳴りに悩んでいる方がいると言われており、決して珍しい症状とは言えません。

 

耳鳴りの種類

耳鳴りとは、実際に体の外の音がないのに耳の中あるいは頭の中で音が聞こえるような症状です。

実際に病気により体内に音源がある場合と検査をしても音源が見つからず原因不明とされる耳鳴りがあります。 耳鳴りは誰もが経験するものです。日常的には気圧の変化で起こる飛行機の中やエレベーターの中で高いところに昇った時などです。耳がふさがったようになりキーンと耳の中で音が鳴っているような感覚があるあの感覚です。

耳鳴り症状で悩んでいる方は、その耳鳴りが一日で多くの時間感じているものですからかなりのストレスとなるのです。そのストレスは自律神経を乱して不眠となったり、うつ病不安症など様々な精神疾患につながりかねません。

 

 

耳鳴りには自覚的耳鳴り他覚的耳鳴りとがあります。

自覚的耳鳴りは、体の内外に音源がなく、他人にはその音が検査をしても確認できません。その場合、検査をしても特に原因がわからないため、適切な治療がされず、「もう治らないため、一生耳鳴りと付き合っていくしかない」とまで言われることもあるようです。

他覚的耳鳴りに関しましては、音源が特定されて他人にもその音が確認できることが多いです。腫瘍や耳垢、耳に入り込んだ異物などが原因で耳鳴りとなってしまうのがそれに当たります。

 

上述のように耳鳴りの原因は多岐にわたります。怖いものでは脳腫瘍聴神経腫瘍脳動脈瘤外リンパ腫などが原因で発症してしまうものもあるので、自分で原因を判断せずに耳鳴りが起きたら必ず一度耳鼻科で検査を受ける必要があります。

またその他にも、糖尿病高血圧などの生活習慣病で耳鳴りが起こったり、突発性難聴メニエール病のような耳鳴り以外にも様々な体の不調を訴える疾患が原因の場合もあります。 一般的には突然発症する耳鳴りは腫瘍ができていたり突発性難聴のような早く治療を受ける必要のある病気が隠れています。また徐々に耳鳴りが強くなってきたという症状では、加齢性の耳鳴り自律神経症状が隠れており、耳鳴りが弱くなったり強くなったりする場合は、メニエール病の可能性があり、めまいや難聴も伴います。

耳鳴り はり

東洋医学からみた耳鳴り

耳鳴り症状は東洋医学では五臓六腑の『腎』と深いかかわりがあるといわれています。

 

それは、「腎は耳に開竅する」と言われているからです。腎の病変は、耳にあらわれやすいということです。

東洋医学の『腎』は、西洋医学でいう腎臓とは少し違った役割を持っています。 東洋医学の『腎』の役割は、主に生長・発育・生殖・水液代謝を主ることです。その中でも腎の精気は、聴覚と関係が深く、多ければ聴覚機能は正常に働き、逆に少なければ聴覚機能は減退してしまいます。
東洋医学で『腎』を見たときに特に重要なのが『腎の精気』です。『腎の精気』は、人の生長や発育に必要なもので年を重ねるごとに減少していく傾向にあります。ですから東洋医学的に見ると高齢となるにしたがって聴覚は衰えはある程度仕方のないものなのです。

また『腎の水を主る』という役割も耳鳴りと密接な関係にあります。この「水」というのは西洋医学ではリンパ液に当てはまります。耳鳴りは耳の中のリンパ液が関係していることが多いことから、腎が機能低下することで『腎の水を主る』という機能が減退していると考えられます。

 

耳鳴りの鍼灸治療

耳鳴り 灸

耳鳴りの治療は、自覚的耳鳴りか他覚的耳鳴りかで多く変わってきます。他覚的耳鳴りで腫瘍などが確認できる場合は手術などでそれを除去します。 しかし耳鳴りの原因が特定されない場合は厄介です。その場合、いまだ有効な治療法は確立されておらず、血流促進剤や末梢神経改善薬などで耳鳴り症状を抑える・気にならない状態にするといった治療が中心となります。 また、耳鳴りに伴う不眠症やうつ症状などを抑える抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などを処方されることがよくあるようです。
・耳鳴りに対する当院の治療 当院の耳鳴りに対する治療は、三段階にわかれます。

まず第一段階は自律神経の調整治療です。治療前に自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえで自律神経を整えていきます。耳鳴り症状でお悩みの方の多くは交感神経活動の過亢進状態です。鍼灸治療は、交感神経を抑制して副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています。

第二段階としてうつ伏せ治療にて背部兪穴を用いて『腎気』を補い、なおかつ頸肩部の筋緊張を緩めます。耳鳴り症状の方は、耳裏から胸骨・鎖骨に伸びる胸鎖乳突筋の緊張が強い場合があります。それらをしっかりほぐしていきます。

第三段階として耳周りの治療です。自律神経が整い、腎気を補い、頸肩部の筋緊張がほぐれた段階で耳周りを施術することでより高い治療効果が見込めるのです。耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」というツボを用いることが有効です。

この三段階の治療を一回の施術で行います。耳鳴り症状の治療に関して基本的に全身をリラックス状態へと導き、交感神経活動を抑えて副交感神経活動を活発にする施術を心がけています。鍼の治療がどうしても苦手という方に関しては、お灸療法や手技療法(整体やマッサージ)などの治療も可能ですので、ご遠慮なくご相談ください。

 

症例

30代女性

 

出産をして育児と仕事の両立で毎日忙しく過ごしていた。朝起きると高い音が常になっていることに気づいて耳鼻科を受診。いろいろ検査をしたが特に異常は見られなかった。耳がふさがっていて多少音が聞き取りづらい時もあるとのこと。耳鼻科では血流促進剤が ご本に曰く、育児で睡眠もままならず、仕事もそれなりのポストにいるため休むこともできなかったため疲れが溜まっていたとのこと。それがストレスとなり耳鳴りを発症してしまったのではないかと推察していた。

当院の治療 耳鳴りも自律神経の状態が深く関係しているため治療前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療していきました。 夜はお子さんの夜泣きで起きたり、耳鳴り症状で深い睡眠が取れていないということで自律神経は乱れていることを自覚しており、測定の結果も交感神経が過亢進している状態でした。

治療経過 1回目の治療後、身体の気怠さ・疲れがどっと出た感じがして家に着くなり少し横になり、仮眠をとったとのこと。次の日までは何となく気怠さが残った。耳鳴り症状は少し軽減し多かなという程度でまだ日常生活で気になる。 治療を重ねていくごとに耳鳴りが気にならなくなってきた。
しかし、育児や仕事で忙しくストレスが溜まっているなと感じたときは、耳鳴りが強く出たが、10回ほどの治療でそれもだいぶ少なくなり、治療を終了した。

 

30代女性

学生時代から勉強が忙しくなることやストレスを抱えると耳鳴りがするそうで、仕事が始まってからは耳鳴りのせいで集中力が下がることやモチベーションが下がるため来院されました。

職場環境は楽しく充実しているそうですが、それが自分のブレーキタイミングを鈍らせてしまい身体を酷使している状況でした。深夜まで仕事をする翌日は必ずといっていいほど耳鳴りの症状で悩まされるそうです。

職場や上司からの期待にこたえたいため今の生活環境で体質を改善させていきたいというのが希望です。

交感神経が凄く高く自律神経が乱れていて、頚部や肩も筋緊張が強い状態でした。

まずは自律神経を整える事を第一で耳周りの血流状況を良くさせていく方針で治療を始めました。

鍼の反応がいい方で前半が終わる頃には身体も緩んできて本人からも温まってきたと言われるほど変化する体質野方でした。

耳周りに電気通電療法を行って終わりました。

状態を早く改善させたいとの要望で三日後に来てもらうように次回の予約を取りました。

 

二回目~五回目

治療を重ねていくにつれ症状が軽快していき本人が喜んでくれました。

こんなに反応が早く治療効果がでたのに驚きましたが、五回目には忙しくなっても出ないとのことで一旦治療を終えて、悪くなる前兆があったときに来てもらうように伝えました。

 

今では悪くなった時に治療するだけで体調管理がうまくできているようです。

 

40代女性

デザインのお仕事で毎日長時間のデスクワークで首や肩に強い凝りを感じて、頭痛や吐き気とともに耳鳴りが出始めたそうです。

繁忙期は、仕事を休めないため症状が出ても無理に働き続けた結果症状が固定し始めて、休養しても耳鳴りが出ている状態になりました。

交感神経優位の測定結果と腎が弱っていること、首の強い緊張が耳鳴りを起こしていると判断して治療しました。

数回の治療を行なったところ徐々に耳鳴りが感じなくなってきたと言われましたが、中々完全には消えませんでした。

治療を継続している間に忙しくなって終電の毎日になると症状が強くなったこともありました。

繰り返し症状が出続けるため患者さんも半分諦めているような感じが伝わってきたので、治療方針を少し変えて骨格矯正と治療時間を増やして効果を出そうとしました。

症状の緩和と増悪を繰り返しますが、あきらかに当初より減ってきました。初めが10の悪さだと、今は1~2ぐらいで出ない時は全くでないと言われています。

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 18:57 / 院長コラム

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