2021年10月29日
過敏性腸症候群は通称IBSといい、症状としてはお腹の痛みや調子が悪くなったりそれに関連して便秘や下痢などの症状を繰り返す状態のことで数ヶ月以上続くものを指します。
そしてこの病気は大腸に原因らしい原因がないのが特徴です。
基本的に女性の方が多く年齢とともに減少傾向にあります。
全く命に関わる病気ではないですが、高頻度で便秘や下痢などの痛みや異常によって日常生活がおびやかされることが多々あります。
IBSの診断基準として
・直近三ヶ月の間に月3回以上にわたって腹痛や不快感が繰り返し起こり
1.排便によって和らぐ
2.症状とともに排便の回数が変わる
3.症状とともに便の形状が変わる
上記2つ上が当てはまった場合を指す (※ローマⅢ基準より)
腸の働きとして食べ物の消化吸収の他に不要なものを便として排出する機能があります。
便を送ったりなど複雑な神経の働きによって腸の動きが行われるのですが、ストレスによって体が不安定な状態になると腸の働きが激しくなることで痛みを感じやすい状態になってしまいます。
健康な人の場合は腸への刺激は強くなければ腹痛の症状がでないのですが、IBSの場合弱い刺激でも腹痛が起こります。これがIBSという病気の特徴です。
本来ですと細菌やウイルスにかかることよって腸の症状というのは出てくるのですが、IBSの場合は炎症が起きているわけではなく運動と知覚の働きが大きく関わっているため脳の問題ではないかとも言われています。
IBSの治療としては薬物療法がありますが、それ以外には食事療法と運動療法があります。
炭酸や香辛料、アルコールやコーヒーといったような刺激物をとってしまうことで、腸にストレスを与えてしまい腹痛を起こしたり便通に悪い変化をもたらします。
逆にヨーグルトや納豆などの発酵食品を摂取することで腸内菌が育ちやすい状況を作ることで症状の軽減に有効と言われています。
便秘になってしまう方は食物繊維を多めに取ることや運動を行うことによって体に良い影響を与え症状の軽減が起こる事があります。
IBSの危険因子の中にはストレスやうつの傾向といったものがあります。
それらは鍼灸治療を行うことによってお体の状態のニュートラルな状態に戻していく、体が戻っていくといった状態に近づけていく事ができます。
鍼灸は神経にも作用し、筋肉の状態も整えてくれます。
一つは【合谷】というツボです。
これは手にあるツボで陽明大腸経と言われる経絡に属しています。
取穴の仕方は手の甲を上にした状態で親指と人差し指の骨が交差したところから人差し指に向かって押していき、痛みを感じるところが合谷というツボです。
また合谷はめんちょう(顔)に効くツボともいわれとても万能です
もう一つは【天枢】というツボです。
これは足の陽明胃経という経絡に属しています。
このツボの取穴はおへそから指3本分外にあります。
効果としては腸に効果がああるのはもちろんのこと、吐き気や嘔吐を伴うような胃炎の症状やゲップなどの消化器系の疾患にも使える万能のツボとなっています。
天枢は押してあげるのも良いですが、体の不調が出ている場合その部分が冷えていることも多いのでしっかり温めてあげてお体の状態を整えてあげましょう。
過敏性腸症候群は現時点では予防しかからないようにするといった手段がありません。
逆になりやすい原因のものは少しずつですがわかってきています。
そのなかで極力悪いものを減らしていけるような生活を心がけていきましょう。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 19:08 / 院長コラム