2016年6月2日
突発性難聴とは、突然耳が聞こえなくなる症状で、日本で年間3万人から4万人が罹っていると厚生労働省が発表しています。認知度が上がってきたためか最近では、増加していることが厚生労働省のデータでわかっています。
突発性難聴は、耳の中にある有毛細胞が障害されるために起こると考えられています。厚生労働省が定める特定疾患の一つでもある難病です。
大体が片耳のみの発症ですが、稀に両耳に起こる可能性があります。原因はいまだわかっておらず、ウイルス性や血流の悪さ、ストレスなどが主に上げられています。そのため今のところこの病気は、誰にでも罹る可能性がある病気といえます。
症状が特徴的なため発症した瞬間がわかる病気で、いつどこでどのようなタイミングで聞こえなくなったと本人が説明出来るほどです。
この病気は、直ぐに治療を受けることが治癒率に関係するため、発症したらすぐに専門医にかかりましょう。二週間以内に治療を受けると治癒率が高くなります。できれば発症して数日以内が好ましいといえます。お仕事で対話や対人関係などに支障があるため、病院に入院して集中治療をする方もいます。
突発性難聴の治癒率は全体の約30%が完全治癒で約50%が改善したものの完全ではない状態で残りの約20%がどのような治療法をしても改善しないです。
好発年齢は、前までは、更年期の女性に多いとされていましたが、近年若い方や男性も増加傾向のため、特にこの年代とは言えなくなってきています。
誰にでもなる可能性があり、早期受診が治癒に大きく関係しますので、充分な知識を持っておくといいです。
問診により、ある日突然聞こえなくなったというのが特徴的でわかりやすい症状です。
厚生労働省の突発性難聴診断の手引きでは、
1主症状
突然の難聴
・即自的な難聴で、自分がその時何をしていたかが明言できるもの
・高度な感音難聴
・高度である必要はないが、突然なったかが高度でないと判断できないことが多い
・原因が不明、または不確実
・原因が明白でないこと
2副症状
耳鳴り
・発症と前後して耳鳴りを生ずることがある
・めまい、及び吐き気、嘔吐
・難聴の発生と前後して上記症状が見られ、めまい発作を繰り返さない
・第Ⅷ脳神経以外に顕著な神経症状を伴うことはない
診断の基準は
確実例:1と2の全事項をみたすもの
疑い例:1主症状の上の2つをみたすもの
とされています。
重症度基準では、
Grade1 初診時純音聴力が40dB未満
Grade2 40dB以上60dB未満
Grade3 60dB以上90dB未満
Grade4 90dB以上
と決められています。
薬物療法が原則です。内耳の循環を良くする血管拡張薬や副腎皮質ステロイドの点滴や内服治療、ビタミン剤、抗ウイルス薬などを処方されます。メニエール病で使われるリンパ水腫を軽減させる利尿剤イソバイドを処方されることもあります。
早期治療が治癒に関係するため入院して集中治療される方もいます。
東洋医学では、「腎」が耳と関係が深いと考えられています。腎の精気が耳と関係し、聴力や機能は、腎精を上げることで正常に戻せます。
腎の精気は、加齢により減少する傾向にあります。高齢者の聴力が下がるのは腎の機能が弱まったと考えるからです。
腎は肝と関係が深く肝腎同源と言われる程です。
突発性難聴の治療には、この腎と肝の機能を高める経絡経穴を使います。
突発性難聴の治療は、耳の下にある翳風と耳の横ある聴宮という経穴に電気通電療法を行います。
耳周りの経穴も使い内耳の循環を良くさせていきます。
筋肉でも胸鎖乳突筋など耳が入る側頭骨に付く大きな筋肉を緩めることでも治ることがあります。突発性難聴の方の大半はこの筋肉が硬くなっています。
当院では、自律神経測定器で自律神経のバランスを測ることができます。ストレスの影響やストレスの免疫も自律神経のバランスが大切です。身体の自然治癒力は自律神経が鍵を握っています。病気などは身体のバランスが崩れて発症しますので、自律神経状態を整えなければ本当の治癒力は得られません。
この自律神経を測定器で測り、データを元にその方その方に合わせたオーダーメイドの治療法を行います。自律神経バランス以外にも肉体的ストレスや精神的ストレスなどもデータで見ることができるのでより多角的にアプローチすることができます。
鍼灸治療は、自律神経を整えるのに優れた治療法です。一時間程の心地よいお灸と痛くない鍼を使って施術することで終わるころには効果を実感していただけると思います。
自律神経を整えるのに全身の経穴を使います。患部だけを治療するより全身の状態を良くした後で患部を集中して治療することでより身体が治ろうとします。
この治療をはじめの方は詰めて来て頂き、数日に一度と発症から二週間以内は治療を集中して行います。症状の改善と共に感覚を空けて治癒を目指していきます。
突発性難聴でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越しください。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 12:55 / 院長コラム