2016年6月7日
アトピー性皮膚炎とは、全身に痒みのある湿疹ができるもので、小児期に多く診られる症状で成人になっていくと自然に寛解していくものです。ですが、最近では、生活習慣や食生活が西欧化してきたことが関係するのか、大人になっても治らないことや大人になって再発することも多くなってきました。
アトピー性皮膚炎の発症率は、乳幼児期で全体の13%前後がかかっており、大学生になると8%以下まで下がります。子供の時は、消化器機能が未熟なため、食べ物などアレルゲンとなる物質が多いです。三歳以降になると消化器機能が高まってくるためアレルギー反応が少なくなってきます。食べ物もありますが、実際に多いのは、ダニやカビといったハウスダストによるアレルギー反応が多いです。
アトピー性皮膚炎の方は、皮膚の保湿成分やセラミドが少ないために乾燥肌になっています。この状態は、皮膚のバリア機能が弱くなっているので少しの刺激物で痒みが引き起こされて発症に繋がります。
最近では、生活習慣の悪さや 皮膚のバリア機能が下がり皮膚に刺激物があたるとアトピー性皮膚炎になる大人が増えてきています。ストレスも大きな原因になり、原因がなくなると同時に症状がでなくなることが多いです。職場関係、仕事、対人関係など現代社会では、ストレスをどこからでも受けてしまう環境があります。
アトピー性皮膚炎を抑えることや予防には、皮膚の清潔と皮膚の湿潤が大切になります。皮膚の水分保持能の低下や痒みやすいこと、感染しやすいのは皮膚機能が異常なために発症します。スキンケアをして意識して予防することが大切です。
・毎日の入浴やシャワーで汚れを落とす
・洗浄力の強い石鹸や洗剤は使わない
・常に保湿剤などを使い水分の保持
・室内を清潔にして皮膚への刺激物を避けるようにする
日本皮膚科学会が定めるアトピー性皮膚炎の定義は、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す。瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり。患者の多くはアトピー素因を持つとされています。アトピー素因とは、家族歴、既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)があること。また➁Ige抗体を産生しやすい素因を指す」としています。
アトピー性皮膚炎は診断できる検査法がないため臨床症状による診断がなされます。
アトピー性皮膚炎の診断基準
1瘙痒
2特徴的皮疹と分布
急性病変:紅斑、湿潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮
慢性病変:浸潤性紅斑、苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮
分布
左右対側性
好発部位 前額、眼囲、口囲、口唇、耳介周囲、頚部、四肢関節部、体幹
年齢の特徴
乳児期 頭、顔に始まりしばしば体幹、四肢に下降
思春期・成人期 上半身に皮疹が強い傾向
3慢性・反復性経過
乳児では2カ月以上。その他では、6カ月以上を慢性とする。
治療法
現段階では、これといって根本から治せる治療法はみつかっていないため、症状を緩和させる薬物療法が行なわれています。
ステロイド外用薬が原則的に使われます。以外には、軟膏や抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などがあります。
再発を防止するためにスキンケアの指導も行われます。
薬物療法で症状を抑えるのとスキンケアによる予防法でコントロールすることを目的とします。
東洋医学では、乾燥や熱に関わるのは風と熱で、これらの外因が入ってきて体内を乱すと考えます。内因では、肌肉に関係する「脾」と津液を全身に送る「肺」の機能を重点的に診ます。治療には、この脾と肺に関わる経絡経穴を選択します。
鍼灸治療は、免疫機能を高めることができるのでアトピー性皮膚炎に効果的です。
交感神経と副交感神経のバランスが整うと自然治癒力が最大限に発揮されます。この自然治癒力には当然免疫機能も含まれますので、身体の免疫が上がり症状を緩和させることができるわけです。
当院には、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを測る事ができます。自律神経以外にもアトピー性皮膚炎の原因であるストレスも測る事ができます。測定後のデータを元に、その方その方に合わせたオーダーメイドの治療を行います。体質が変わってしまいアトピー性皮膚炎にかかりやすくなってしまった場合でも、鍼灸治療を受け続けると体質改善に繋がり免疫機能を高い状態にできます。
当院独自の自律神経療法と東洋医学の観点から行う治療で多角的にアトピー性皮膚炎にアプローチできます。
治療間隔は、初めのうちは詰めて来て頂くことをお勧めします。症状緩和とともに間隔をあけていきます。症状の重度にもよりますが、初めは一週間に一度ぐらいを目安にされるといいです。
人の持っている自然治癒力を高めることに鍼灸治療は優れていますので、副作用の心配もなく続けられます。薬の作用は、困っている人にとって良い治療法なのですが、副作用に悩まれる方も多いです。病院との治療も並行して行えますので、悩まれている方は、渋谷α鍼灸院へお越しください。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 18:32 / 院長コラム