気管支炎の鍼灸治療

2016年5月25日

鍼灸と気管支炎

気管支炎は、WHO(世界保健機関)で鍼灸適応疾患と認められています。鍼灸療法が気管支炎に有効であるということになります。

気管支炎とは、咳や痰などの呼吸器症状みられます。激しい咳や風のように発熱、全身倦怠感、食欲不振、前胸部の不快感などもみられることがあります。

同じ咳が出る風邪などは、気管支より上の部分にある上気道が感染した場合になります。気管支より下の肺にある肺胞が炎症を起こした状態を肺炎といいます。

気管支は、空気の通り道になるので、外からのウイルスや微生物、チリやゴミといったものがよく通過します。この異物に対して粘液で絡めとり痰となって外に排出します。このように気管支の防御機構が備わっているのですが、免疫が低下している状態や強いウイルスに侵入されると発症します。一次感染後に気道上皮の壊死や脱落などで気道が障害されるため発症し、さらに二次的に細菌感染も引き起こされる可能性があります。

気管支炎に似た病気には、肺炎、肺結核、喘息、百日咳、慢性閉塞性肺疾患、肺ガンなどがあります。

鍼

 

気管支炎の原因

感染の原因はウイルスによるものがほとんどです。細菌感染などは稀にしか起こりません。

原因となるウイルスは、アデノウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルスなどがあります。ウイルス以外でもマイコプラズマ、百日咳菌、クラミジアなどでも発症します。

 

病院での検査と治療

急性気管支炎では、身体所見が乏しく軽症である場合が多いです。気管支炎で鑑別しなければいけないのが肺炎になります。そのため胸部エックス線画像や胸部のCTなどの検査を行われます。

細菌感染の疑いがある場合は

気管支炎は他の病気と鑑別して症状を問診して診断されます。

 

薬物療法では、主症状の咳と痰を抑える薬が処方されます。

鎮咳薬

去痰薬

消炎薬

二次感染が起きている場合には、感染に合った抗生物質が処方されます。

 

 

気管支炎の東洋医学の考え方

東洋医学では、外からの「風」の邪気が原因で起こります。その他にも湿や寒の邪気でも症状を引き起こします。

身体の内からは、肺の機能と脾の機能が弱まることが原因とします。

外からの邪気を受けると体内のバランスが崩れて臓腑の機能が弱まることで症状を引き起こします。治療法は、体内のバランスを整えるように臓腑の機能を高めることが重要になります。

肺の主な機能は、宣散と粛降になります。これは、体内の津液を全身に行き届かせる役目です。この機能が弱まると呼吸器症状がでて、さらに進むと体内に水がたまり湿が発生します。

 

 

気管支炎の鍼灸治療

鍼灸の治療効果には、免疫力を上げられることができます。白血球増加、血流増進により気管支炎の回復を早めることができます。

前傾部の経穴を選択して、免疫を上げながら治癒促進を図ります。

前傾部では、水突、気舎、天突

肺経では、中府、尺沢、孔最、列欠

 

筋肉では、胸鎖乳突筋の緊張が気管を細めることや、リンパの流れを悪くする要因になりますので、この筋肉の緊張緩和は効果的です。

前傾部は内出血が起きやすいので、基本は置鍼になりますが、症状の重さや筋肉の緊張によっては、鍼から電気通電療法を行います。

その他にも、咳などで呼吸筋の疲労や肩が内側に入ってることが多いので、胸郭が広がるように背中、前胸部の硬結を取っていくことも治癒促進に繋がります。関節部が硬くなっている場合は、矯正法で鎖骨や上位肋骨、肩甲骨などを動かして正しい姿勢がとれるようにしていきます。関節が正しい位置にくると血行が良くなることや全身の緊張緩和に繋がります。

 

鍼灸治療では、東洋医学の理論に基づいた治療と筋肉や姿勢改善を治して気管支炎の治癒促進を目指します。鍼やお灸などが不安の方は、限りなく細い鍼と心地よいお灸を使用しますのでご安心ください。一時間ほどの治療を受け終わった頃には、効果を実感していただけると思います。

腰痛鍼灸治療

 

自律神経療法

免疫力は、自律神経を整えることで高まっていきます。交感神経と副交感神経のバランスにより免疫力や自然治癒力を最大限に高めることができますので、自律神経を整えることは優先治療になります。

自律神経は、人の意識と無関係に臓器の働きや全身の血管をコントロールしています。そのため外見や主訴を聞いても自律神経の関連がわかりづらいです。当院では、この自律神経のバランスを測る測定器があります。この測定器では、交感神経と副交感神経のバランス以外にも肉体的ストレスや精神的ストレスなども調べられます。このデータを元に治療を組み立てますので、より多角的に症状を捉えてその方その方に合わせたオーダーメイドの治療を行えます。

自律神経測定器で定期に測り体質を常に回復しやすい状態にもっていきます。そのため治療間隔も初めは、一週間に一度と詰めて来て頂いた方が体質を改善しやすいです。

 

気管支炎でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。

個室型鍼灸治療スペース


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 13:17 / 院長コラム

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