2022年2月24日
うつ的思考を変える心理療法は、認知療法と呼ばれています。うつ病に対する対処の基本に位置付けられている方法です。
認知療法ではうつ的思考に自分で気付き、それを論理的、客観的に分析し、より現実的な見方、考え方に修正しようとします。
ところがうつ状態の人は頭が働かず、論理的、客観的に考えることができないのです。
認知療法は熟知した医師やカウンセラーの指導のもとでやるとそれなりの効果が期待できますが、1人でやるとなかなか難しいものです。
そこで1人でも上手にうつ的思考を修正する方法を工夫してみましょう。
例えば、呼吸法などのエクササイズをするとき、「失敗してはいけない」などのうつ的思考を、「そのうちできるようになる」という柔軟な思考に変えていくことを重視して練習しましょう。
呼吸法を1人で何度も練習するうちにだんだんできるようになってきます。
その経験があってはじめて、「そのうちできるようになる」と思えるようになり、自信の芽が出るでしょう。
心を落ち着かせる呼吸法
うつ状態の時に行って欲しい呼吸法を紹介します。
やり方は単純で、自分の呼吸を100まで数えるだけです。
やめたいと思ったら、そこでやめてください。
100まで行ってまだ続けたいと思ったら、また1から始めてください。
自分の呼吸をひたすら数えていることで、心が落ち着いてくる人は多いようです。
その時注意したいことは、良い呼吸をしようと思わないことです。
どんな呼吸でも、無意識が絶妙なバランスをとった意味があるのです。
今の自分の自然な呼吸をただ数えるだけで、少し楽になれるということを自分の体に覚えてもらいましょう!
うつ的思考に支配されていると、どうしても世の中は嫌なことばかりだと言う思いになってしまいます。そこで、世の中の良いところを意識してみましょう。
何でも良いので、心地よいと感じたことを言葉にしてみてください。自分の感覚で、ちょっと良い感じやありがたいと感謝できることなどに焦点を合わせます。目標は30個!!慣れないうちは5個から始めてみてください。
朝の光が暖かいな
空気がおいしいな
このお花、素敵な香りだな
など些細なことで構いません。
世の中の良いところを見つけられると、少し安心します。
ただし、調子が悪いときはやらないでください。
良いところを見つけられないという自己嫌悪が大きくなります。
うつの波が穏やかな時に、試みてくださいね!
笑いは心の安全信号
笑うという行為は、周囲に危険がないということを示す信号です。
ひとりが笑うと他の人もつられて笑う、安全信号を広げていくのです。
この行為は警戒体制が緩み、緊張が解けていきます。
ところがうつ状態になると、楽しさを感じられないようになってしまいます。そこで意識して、笑いの視点を見出せるように、少しだけ努力してみましょう。
まずは自分自身を笑ってみることから!
今日ダメだった自分、こんなことを考えてしまった自分を軽く笑ってみましょう。
元気がある時はお笑いのライブなど、周囲の本物の笑い声に接して多くの安全信号を浴びましょう!
以前、歩くことでゆったりとしたペースを体に覚え込ませることを説明しました。
加えてゆっくり食事をすることも効果的です!
食べ物を食べる時、いつもよりワンテンポ遅れて噛んでみてください。
食べ物の味、感触を舌で感じたり、鼻の奥で風味を感じたりしているはずです。
しかもそれは時間とともに変化していきます。
ゆっくり食事をすることで、本当の感覚が戻ってきます。
自分の感覚を大切にすることは、自分を大切にするという生活態度の一歩につながります!
鍼灸治療では頭に鍼をし、通電療法を行います。
頭に鍼をすることで、脳血流量の増加、神経伝達物質のバランスが整いやすくなり、うつ症状の改善につながります。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 14:30 / 院長コラム