便秘でお悩みの方へ、ぜひ鍼灸を

2022年3月6日

便秘とは

便秘とは「3 日以上排便がない状態, または毎日排便があっても残便感がある状態」と日本内科学会が定義しています。排便が数日ない、排便時にスッキリしない、お腹の張り、コロコロした便、便が固く出づらい、食欲不振などの症状が挙げられます。血便や、発熱、激しい腹痛や嘔吐がある場合は、病院へ早めの受診をおすすめします。

 

便秘の原因

胃や小腸で消化された食べ物は、大腸に進む過程でゆっくりと水分が吸収され、固形化し、便として排出されます。便が腸に溜まると、水分が吸収され続けさらに固くなり、排便されにくくなるのです。

 

便秘の種類

便秘は主に機能性便秘、器質性便秘、薬剤性便秘薬、症候性便秘に分けられます。その中でも最も多い機能性便秘は以下のものに分類されます。

 

機能性便秘

弛緩性便秘

弛緩性便秘とは、腸の動きが悪く、便が長期間腸の中に留まることによって、過剰に水分が吸収され便が固くなり排便しにくい状態です。運動不足や、食物繊維の摂取不足が主な原因です。また、デスクワークによる長時間同じ体制が続くことが原因の一つともされています。高齢者や女性に多い便秘の種類です。

痙攣性便秘

痙攣性便秘とは、自律神経が大きく影響しており、自律神経の乱れにより、腸の一部が痙攣し、排便に障害が起こることです。ストレスにより緊張状態が続くことで引き起こされます。働き盛りの年代や、若者に多い便秘です。

直腸性便秘

直腸性便秘とは、便が直腸に到達しても便意が催されない症状です。日常生活的に排便を我慢しできる人や、高齢者や寝たきりの方に多い便秘です。

 

器質性便秘

器質性便秘とは、便が通る過程(小腸、胃、大腸、肛門付近)で、何らかの疾患がある場合、そして、大腸自体の形の変形により起こる便秘です。

薬剤性便秘

薬剤性便秘とは、薬の服用が原因で起こる便秘です。主に抗うつ薬、抗コリン薬などの服用が腸の働きに影響し、便秘に繋がります。下剤の乱用も便秘の原因となります。

症候性便秘

症候性便秘とは、内分泌疾患である糖尿病や甲状腺機能低下症や、パーキンソン病などの神経疾患により起こる便秘です。

機能性便秘は日常生活を見直すことにより、改善することが多いですが、器質性便秘、薬剤性便秘、症候性便秘は必ず病院での治療が必要です。排便時に違和感を感じたら早めの受診を心がけましょう。

 

病院での治療法

病院での治療法は主に薬物療法になり、以下の治療法があげられます。

 

下剤

下剤には非刺激性下剤と刺激性下剤に大きく分けられます。非刺激性下剤とは便を柔らかくして、排便を促す下剤です。非刺激性下剤で効果が出ない場合は、次に刺激性下剤を使い、腸の動きを活発にして排便を促す方法が用いられます。

座薬

座薬とは直接肛門から薬剤を入れる方法です。炭酸ガスを腸の中で発生させ、排便を促す方法です。即効性があります。

浣腸

浣腸とは肛門から薬液を入れる方法です。薬液は主にグリセリンや水の成分でできており、便を柔らかくするとともに、腸の中の滑りをよくして、排便しやすくします。即効性があり、排便時間をコントロールすることができます。

薬物療法は即効性がありますが、薬に慣れてしまうと、効果が薄れたり、自力での排便がさらに困難になる恐れがあります。また、下痢や腹痛が伴うことがあります。医師と相談し、自分に合った用量を服用しましょう。

 

腸と脳と自律神経の関係

腸と脳と自律神経は非常に密接した関係にあります。腸は「第二の脳」と言われるほど、脳の次に重要な神経細胞が集まっている場所です。

脳と腸はお互い情報を共有し合っており、このネットワークを「腸脳相関」と呼ばれます。また、自律神経が乱れると腸に不調が現れます。これは副交感神経が優位に立つことによって、腸内の細菌のバランスが崩れ、腸の動きが悪くなり、便秘に繋がるのです。自律神経の乱れを整えると、腸内環境が良好になり、腸内環境を整えると、自律神経のバランスがよくなるのです。

 

鍼灸での施術法

便秘に効果的なツボを鍼灸で刺激します。

合谷(ごうこく)

手の甲側の親指と人差し指の骨が交わるくぼみ。

 

 

大巨(だいこ)

へそから指3本ぶん横にいき、そこからさらに指3本分下。

中脘 (ちゅうかん)

ヘソとみぞおちの真ん中。

 

 

便秘点(べんぴてん)

背中側にあり、ろっ骨の1番下から指輪2本分下、背骨から指4本分外側。

大腸喩(だいちょうゆ)

骨盤の1番高い位置にあり、背骨から指2本分外側。

 

 

足三里(あしさんり)

膝の皿の左右のくぼみのうち、外側のくぼみから、指4本分下。

 

 

さらに自律神経を整える施術を行います。自律神経が整うことにより内臓の働きも良くなり、便秘解消に繋がります。

東洋医学の考え方では、便秘は気の流れの滞り(気滞)が原因とされています。上記のツボを刺激することにより、気の流れをスムーズにして、体質から改善をすることができます。

 

 

現在お薬を服用中の方は、鍼灸施術を並行して行うことより、薬の用量を減らすことができたり、薬の使用が無くなるケースがあります。ぜひ一度ご相談ください。


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Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:26 / 院長コラム

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