2022年5月24日
そもそも不妊とは妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
しかし、女性に排卵がなかったり、子宮内膜症を合併していたり、過去に骨盤腹膜炎などにかかったことがあったりすると妊娠しにくいことが分かっています。
このような場合は、上記の定義を満たさなくても「不妊かもしれない」と考えて検査や治療に踏み切った方が良いこともあります。
また、男女とも加齢により妊娠が起こりにくくなることが知られており、治療を先送りすることで成果が下がるリスクを考慮すると、一定期間を待たないですぐに治療したほうが効果的である場合もあります。
不妊のカップルは約10組に1組と言われていますが、近年、妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。
全く病気とは無縁で病院を訪れることのなかったカップルにとっては、不妊ではないかと考えただけで大きな不安をお持ちになることと思います
女性に問題がある場合、男性に問題がある場合、または両方に問題がない場合があります。
女性には生理がありますがその周期が乱れている人ほど妊娠しにくい体になっています。
これらは体重の増減など体に大きな負担をかけることで女性ホルモンを正常に出す身体の働きを邪魔してしまうことで起こります。
また子宮や卵子の病気が原因で起こりうることもあります。
男性に問題がある場合は基本的には精子の働きがどうかによって決まります。
精子が卵子に向かう力が弱いことや、数が少ないまたは無いといったことも原因の一つと考えられています。
不妊について鍼灸ができることには限りがあります。
それはなぜかというと、そもそも卵管が閉鎖しているなど物理的に問題が生じている場合、いくら鍼灸治療を行ったとしてもほとんどの確率で妊娠することはありません。
この場合は西洋医学によってきちんとした治療を行った方が妊娠しやすくなります。
そういった場合以外では鍼灸は患者様の力になることができます。
女性への治療の場合、卵巣は2つの動脈から栄養を受けており、この動脈には交感神経という神経が絡みついています。
交感神経というのはストレスや緊張などによって高まってしまい、血管を縮めてしまうため卵巣へ送る栄養を減らしてしまいます。
ですのでまずは自律神経を整える治療を行うことで、リラックスする状態を作ります。
そしてその方にあったアプローチを行います。
また骨盤内へのアプローチとして行うのが、中髎(ちゅうりょう)次髎(じりょう)穴への鍼と院部神経への鍼通電を行います。
これは泌尿器への疾患へ行う治療になりますが、同じ骨盤の中にあり場所もとても近いため効果が期待できる治療になります。
鍼灸治療で自律神経を整え骨盤内の血液循環量を増やすことで体がリラックスしやすく体内も良い環境に近づけることができます。
色々なストレスや不安を抱えながら不妊治療を行う患者様にとって手助けになる手段の一つとして鍼灸は力になれやすいものと思いますので治療を受けてみてはいかがでしょうか
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:05 / 院長コラム