睡眠障害でお悩みの方へ

2024年11月29日

睡眠障害とは

睡眠に関連する様々な病気をまとめて睡眠障害といいます。睡眠障害には以下の病気が挙げられます。

不眠症

不眠症とは寝付きが悪い、途中で起きてしまう、睡眠の質が悪いなどと言った症状が3ヶ月以上続く障害です。

過眠症

過眠症とは十分な睡眠をとっているのにも関わらずに、日中に強い眠気が襲ってくる症状が3ヶ月以上続く障害です。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは過眠症と似た症状です。過眠症は一度に長く寝てしまうことに対し、ナルコレプシーは短い睡眠で一度は目が覚めますが、時間が経つとまた強い眠気が襲ってくる症状です。

睡眠時呼吸障害

睡眠時呼吸障害とは異常な呼吸が睡眠時に起こる症状です。睡眠時無呼吸症候群とも呼ばれます。一定時間呼吸が止まったり、大きないびきが伴う障害です。

概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害とは体内時計の周期が崩れ、日常生活や、社会とのリズムがズレてしまう障害。

睡眠関連運動障害

睡眠関連運動障害の主な疾患として、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害が挙げられます。むずむず脚症候群とは睡眠時に四肢が「むずむず」「かゆい」「痛い」と言った症状が現れ、四肢を動かしたくなり、入眠が妨害される障害。周期性四肢運動障害とは、睡眠中に四肢がピクピクと動き、途中で起きてしまったり、眠りが浅くなる障害。

睡眠時随伴障症

睡眠時随伴症とは「ねぼけ」と呼ばれる行動の総称です。悪夢を見たり、歯切り、トイレが近いなどと言った症状です。

 

睡眠障害の診断方法

睡眠障害の診断には主に以下の種類の検査があります。

血液検査 

睡眠障害による合併症の有無。

反復睡眠潜時検査(MSLT)

眠気の程度の検査。

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

睡眠の質、眠りの深さ、睡眠時の酸素の程度、体の動きを確認する検査。

覚醒維持検査

主に睡眠障害治療後に行い、どのくらい覚醒を維持できるかを確認する検査。

鼻腔通気度検査

鼻の通りを確認する検査。

アクチグラフ検査

睡眠時と覚醒時の分布を確認する検査。

睡眠時に異常を感じたら、内科、心療内科、精神科への相談をしましょう。

睡眠障害の治療法

睡眠障害には薬物治療が用いられます。睡眠障害の種類や症状の進行具合により異なりますが、様々な「睡眠薬」を使い分けることで症状を抑えます。

睡眠障害に用いる睡眠薬は大きく「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」 と「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」に分けられます。比較的依存性が低い非ベンゾジアゼピン系睡眠薬から治療を開始することが多いです。また、睡眠薬には作用時間ごとに分けられ、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型とそれぞれに睡眠薬があります。自分に合った治療薬を見つけることが早期改善の鍵となります。

 

睡眠障害と東洋医学

東洋医学的観点では睡眠障害と五臓六腑は深く関係しており、特に「心」「肝」「脾」の働きやバランスを整えることによって、睡眠障害を改善していきます。

「心」とは主に心臓の働きや、精神を安定させる働きをしているところです。また、全身に血をめぐらせ、大切な栄養分を循環させる重要な役割も担っています。「心」の働きが弱まると、精神が不安定になり、寝付きが悪い、途中で起きてしまうなど、睡眠の質の低下が現れてきます。

「肝」は血を蓄えている貯蔵庫のような働きをする場所です。また、そこで綺麗な血に浄化する役割も担っており、「肝」の働きが低下すると、血が浄化されず、身体に様々な不調をきたします。それにより、睡眠にも影響してきます。

「脾」とは血を生成し、消化吸収をしているところです。「脾」の働きが弱まると、「心」や「肝」が血不足となります。そして、食べ物の消化がうまくいかないとお腹の不調が現れます。これが長引くと不眠に繋がるのです。

鍼灸では、これら「心」「肝」「脾」の働きを正常化させるための施術を行います。

 

睡眠障害は、環境的要因、身体的要因、精神的要因など様々な要因で引き起こされます。特に近年では、ストレスや緊張、悩み、生活リズムの崩れなど現代社会の問題とされることが原因で睡眠障害を患う方が増加しています。睡眠に異変を感じたり、身体や心の疲労が溜まっている方はぜひ鍼灸で身体を整えることをおすすめします。

 

【症例】

20代 男性

2年前から入眠困難になり、現在は一日3時間程度のみ寝ている。

きっかけは仕事の忙しさから日々の眠りが浅くなり、夜に2~3回起きるようになった。

次第に眠気も感じづらくなり、1時間、2時間と眠れない日が続く。

途中から睡眠導入剤を服用するが症状にあまり変化はない。手足には冷えを感じる。

日中は体のだるさや頭にもやがかかった感じが常にあり、起きていることも辛く、どうにか改善できないかと来院された。

 

【当院の施術】

始めに自律神経測定器を使い自律神経のバランスや活動量を計測すると、交感神経の活動が優位になっており、副交感神経の活動量が著しく低下していました。

施術は仰向けから行い、手足、体幹のツボを使って自律神経を整え副交感神経が活動しやすい状態にしていきました。加えて頭へ鍼を行うことで脳の血行を良くして頭のもやがかかる症状の改善を図りました。

次にうつ伏せの施術で首肩、背中の緊張をとり、失眠穴や勇泉穴といった不眠症に合うツボにお灸をしました。

1回目

お灸は温かさを感じなかったが、鍼は痛みなく心地よかった。

3回目

睡眠の変化はまだない。お灸の温かさを感じるようになり、手足の冷えが緩和されてきた。

5回目

施術中に眠気を感じた。背中の緊張が減り、お灸の温かさもしっかり感じるようになった。

8回目

施術した日は6時間まとめて眠ることが出来た。2日、3日と経つと症状が戻ってくる。

15回目

1週間のうち3〜4日程度は眠れるようになり、平均睡眠時間が3時間から5時間に増えた。日中のだるさは半分ほどになり仕事に集中できる時間が増えた。


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Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 16:00 / 院長コラム

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