2016年5月31日
肉離れとは、筋肉の挫傷のことを言います。挫傷とはあまり聞きなれない言葉ですが、簡単に筋肉が怪我をした状態ということです。筋肉が打撃や圧迫などの外力や引き伸ばされて筋膜や筋線維が損傷することです。挫傷という言葉は他にも腱や関節、神経などにも使います。
治療院には、部活動の学生や、週末にテニスをやる方、強めのランニングをしている方などが筋肉を傷めて来院されます。肉離れは基本的に運動の最中に瞬間の外力によって起こります。
筋肉が温まっていない状態や疲労が蓄積した硬い筋肉で無理動かした、瞬間的に強い負担をかけたなど発生機序は様々です。
関節に付く筋肉には、単関節筋と多関節筋があります。これは筋肉が一つの関節を跨いでつくものと二つ以上跨いで付くものがあり、筋肉にかかる負担が変わります。一つの関節運動に関わるものより複数の関節運動に関わるものの方が負担は大きくなります。一方が固定されていないで両方向から引っ張られる多関節筋の方が互い違いの力により筋肉が損傷しやすくなるからです。
多関節筋の例で、太もも裏のハムストリングは股関節の伸展と膝関節の屈曲の両方の作用があります。走る際に、この両方の作用が働くのでハムストリングには相当な負担がかかっています。これだけ負担が掛かっているのに筋肉が温まってなく柔軟性がなかったり、筋疲労で硬くなっていると当然筋肉は怪我をしやすくなります。
そのためウォーミングアップやクールダウンなどの準備やケアが大切だと言われています。
筋挫傷には程度があり、Ⅰ度からⅢ度まであります。
Ⅰ度は、筋線維の微細な損傷です。軽い筋肉痛などはこの状態です。
Ⅱ度は、筋線維が部分断裂している状態です。肉離れとして来る方はこの状態が多いです。
Ⅲ度は、筋線維が完全に断裂している状態です。筋肉の運動を確認できない状態です。
一般的な肉離れは、一週間から一か月以内に治癒します。Ⅲ度以上の重度のものは数ヶ月かかることもあります。
筋肉は線維が治癒しても反応速度や感覚が戻ってないと、不快感や違和感を感じます。治癒過程で損傷部をかばっていると体幹の歪みや損傷部付近の筋肉が硬くなって痛みを感じることもあります。そのため挫傷を放置しておくよりも、患部の回復を上げて他の筋肉が痛まないよう調整する治療が早期回復、早期治癒に繋がります。
放置することで違和感や再発などを防ぐことができるので、肉離れの際には治療を受けていただくことをお勧めします。
まず受傷直後は、RICE療法を行います。また直ぐに治療を受けられない場所でしたら、ご自身でRICE療法を行ってください。
RICE療法とは、Rest(安静)Icing(冷却)Compression(圧迫)Elevation(挙上)になります。受傷直後は、まず氷嚢などで20分程冷やしてください。炎症や腫れは治癒することで必要な過程ですが、必要以上に大きくなると治癒が遅れます。
また感覚を空けて再度冷やすことが必要になります。炎症が大きくなるのは、1~2日ぐらいですので、この間はなるべく冷やすことと圧迫固定をしてください。
圧迫や固定には、綿包帯やテーピングなどがお勧めです。ただ巻くことに慣れていない人が包帯を巻くと必要以上の圧が、かけれないことやきつく巻き過ぎて皮膚の損傷、患部の血流障害の可能性があるので、テーピングなどがいいです。
鍼灸治療では、受傷して2~3日目から患部に刺鍼やお灸をして血流を良くしていくと回復が早くなります。鍼の効果には血流促進と鎮痛効果があります。お灸には、白血球が局所に増えますので、腫れなどの炎症が早く引きます。
肉離れは、大腿部や下腿部に多く発症します。下肢のどこかに肉離れが起きると左右のバランスがくずれやすくなります。下肢に肉離れが起きた場合は骨盤療法を行うことも大切です。骨盤は、左右同じように体重をかけることが望ましく、片足立ちのように一方の下肢だけに体重がのると仙腸関節部分が上手く機能しなくなってきます。仙腸関節部の潤滑が悪くなりやすく、治癒期間が延びる原因になります。
骨盤療法は一般的なバキバキっと力強く行うものではなく、場所と角度さえ合えばほんの少しの力で矯正できます。昔にあった治療院にいって矯正をしてもらったら逆に悪くなったという矯正法は当院ではしないので安心してください。
当院では、自律神経を測ってから治療に入ります。人の回復力は自律神経が整っている状態で最大限に発揮されるので、自律神経データを元に治療することで効果を上げていけます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療法になります。当院で治療を続けていくと乱れた自律神経を整えていけます。
自律神経が乱れる原因にお仕事、家事、人間関係などのストレスや生活習慣があります。現代社会はストレス社会と言われるように、外面の外傷より内面の病気が多くなってきています。鍼灸治療でストレス回避と将来の健康を作っていくこともお勧めします。
肉離れでお困りの方は、渋谷α鍼灸院へお越しください。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 12:20 / 院長コラム