2022年10月29日
過活動膀胱とは、膀胱が過敏になって、尿が十分にたまっていなくても、ご本人の意思とは関係なく膀胱が収縮する状態です。その結果、急に尿意をもよおしたり、何度もトイレに行きたくなったりということが起きやすくなります。
・尿意切迫感
急に起こる我慢のできない尿意
・昼間頻尿
起きてる時間に頻繁にトイレに行きそれが辛い状況(8回以上が目安)
・切迫性尿失禁
急に尿意が起こりトイレに間に合わず尿が漏れてしまう症状
・夜間頻尿
眠っている間に尿意で目が覚めトイレに行き、それが辛い状態(2回以上が目安)
以上の4つの症状が出ている場合過活動膀胱の疑いがあります。
過活動膀胱の病因は様々です。
脳血管障害、パーキンソン病、多系統萎縮症、認知症などの脳や、脊髄損傷、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、脊髄腫瘍、頸椎症、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症などの脊髄の神経疾患が過活動膀胱の原因となります。
ただ上記とは関係なく加齢による膀胱の機能低下など特別大きな原因がなくても起こりえます。
過活動膀胱の症状を自覚していても、「年のせいだから」とあきらめてしまう人も少なくないです。
過活動膀胱を放置すると膀胱の筋肉の力が低下して、うまく縮まらなくなりたまった尿をスッキリ出せなくなる状態すなわち【低活動膀胱】となってしまいます。
低活動膀胱になってしまうとトイレに行きたい感覚がなくなってくるため尿が溜まり病気になりやすくなってしまいます。
この状態がもっとひどくなってくると腎臓に負担がかかり腎臓の病気にもなってしまうため注意が必要です。
東洋医学では過活動膀胱の原因には大きく分けて3つあると考えています。
まずはその前に排尿までのメカニズムを説明したいと思います。
尿は全身を巡って来た水分が腎に集まる事から始まります。
その水分のうち、再利用するものと不要とするものに分けるのが腎の作用の1つになります。
このうち不要となった水分は膀胱に送られます。
膀胱にて、余分な水分は腎のエネルギー(陽気)によって尿に変換されます。
変換された尿は膀胱の作用によって一定量貯蓄されます。そして一定量溜まったら、膀胱の作用によって排尿されます。
この蓄尿と排尿は膀胱の作用によって行われますが、それをコントロールしているのは、これまた腎になります。
少し分かりづらいですが、水分の分別、尿への変換、蓄尿と排尿には、腎と膀胱が深く関わっています。これらの機能と連携がうまく行く事で正常な排尿が行われます。
ですので、過活動膀胱では腎と膀胱の機能不全によって起こる事がほとんどです。
しかし実は原因はこれだけではありません。
というのも、水分が腎に集まるには三焦という通路を通るのですが、その流れをコントロールしているのが実は「肝」なんです。
ですので、腎、膀胱、肝の機能障害によって過活動膀胱が起こると考えられます。
・薬による治療
・行動療法
膀胱体操や骨盤底筋体操などで骨盤底筋等を鍛え尿トラブルを減少させていきます
・電気刺激療法
電気や磁気で刺激を与えて、骨盤底筋の収縮力を強化したり、膀胱や尿道の神経のはたらきを調整したりする治療です。
鍼灸による過活動膀胱の治療
骨盤の中の膀胱に関係する神経や筋肉に対するアプローチを行います。
仙骨上にある中りょうというツボがあり、その部分を刺激することで骨盤内の神経に刺激が入り変化を促します。
このツボは西洋医学で電気治療を行う部分とも合致しており骨盤底筋などにも刺激が入ります。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 10:24 / 院長コラム