橈骨神経障害(回外筋症候群、後骨間筋麻痺)

2016年5月28日

橈骨神経障害

橈骨神経障害とは、睡眠時の圧迫によるものや骨折由来で起きる神経障害のことです。

この神経が障害を受けると痺れや手首があがらなくなる、感覚がしないなどの症状がでます。

橈骨神経障害は、非開放性損傷によって起きるので、特に外見に変化なく症状がでます。睡眠時に腕を圧迫して起こるものでは、朝起きたら突然腕の感覚や力が入らなく動かせない状態になるので本人はかなり焦ります。治癒は一日から数か月で治ることが多いです。

橈骨神経障害は肘の高さにより区別し、肘より高い上腕側だと高位麻痺といい、肘より下の前腕側を低位麻痺といいます。高位では、上腕骨の骨折に由来することが多く、上腕骨骨折や上腕骨顆上骨折などで起きやすいです。

ガングリオンや腫瘍、過度な運動、モンテギア骨折の合併症(尺骨の骨幹部骨折で、橈骨頭の前方脱臼を合併し後骨間神経が損傷する。)などの絞扼神経障害は、後骨間神経麻痺の原因となります。

圧迫によって起こるので本人には記憶がない原因不明によってなることもあります。

上記以外にも鋭い刃物などで切ったり刺されたりして神経が切断されて障害になることがあります。神経が完全に切断されたものは自然回復ができないため、鍼灸の適応外となります。

 

神経障害のため手首が上がらない下垂手や、指が上がらない下垂指になります。

しかし、手の背屈を支配する長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋はフローゼのアーケードを通るよりも上腕に高い位置で分枝する筋枝のため低位麻痺では、手の背屈が可能になります。低位麻痺では手関節の背屈と前腕の回外が正常に動かせます。

このフローゼのアーケードでの神経絞扼は回外筋症候群や後骨間筋麻痺とも言われます。

橈骨神経は正中神経と尺骨神経と並び、腕を支配する大きな神経の一つです。

腕神経叢の後神経束(上、中、下神経幹の後部からできる。)から鎖骨下で腋窩神経とともに起始し、腋窩神経と別れた後に上腕骨の内側から外後方に周りながら螺旋状に加工していき、上腕骨外側上顆の周りを通ります。

支配筋肉

支配筋肉は上腕筋、上腕三頭筋、肘筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋、腕橈骨筋、総指伸筋、小指伸筋、回外筋、示指伸筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋です。

橈骨神経は上肢の伸筋系に多く支配している神経です。

固有感覚領域は、手の甲側の親指と人差し指の間にできる三角部分です。感覚が損傷するとこの三角部分が麻痺します。

 

 

 

橈骨神経障害の病院での診断

1チネルサインが陽性になります。これは神経の絞扼部分を叩くことによって神経障害がある場合は放散痛がでます。

2外傷性の骨折や脱臼などの場合はMRIや超音波検査などにより損傷部位の確認

3筋電図検査を用いることにより神経障害のレベルを確認する。

 

病院での治療

基本は保存療法で行います。橈骨神経障害の大半が、自然治癒を見込めるためです。関節可動域訓練や物理療法などが行われます。手首の状態によって、装具が用いられることもあります。

経過観察で改善がみられない場合は手術の可能性もあります。

 

 

橈骨神経障害鍼灸治療

 

高位麻痺では、橈骨神経経路上に刺鍼し、電気通電療法を行い神経に刺激を送ります。上腕から前腕にかけての硬結部位や圧痛部位にも置鍼をして血流の流れを良くすることを目的とします。

低位麻痺では、フローゼのアーケード部分や、それよりも上腕側にかけて刺鍼を行います。フローゼのアーケードは回外筋が関係するので、回外筋の柔軟性を目的とした治療を行います。上記で効果がなければ電気通電療法により神経に刺激を送ります。

神経の再生を促す治療法で、皮膚や筋肉と違って神経の再生スピードは遅いものです。個人差がありますが一回で完治することは少ないので数回の治療が必要になると思います。

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当院の自律神経療法

 

自然治癒力には自律神経のバランスが重要になります。全身の血管をコントロールしているのが自律神経になりますので自律神経状態を良くすることは、自然治癒力を高めるということになります。

当院では、自律神経測定器により自律神経のバランスを測る事ができます。交感神経と副交感神経のバランスを診ることや身体的ストレス、精神的ストレスなども計測してその方その方に合った治療を行います。

鍼灸治療は自律神経バランスを整えるのに優れた治療法です。使い捨ての鍼とお灸を使って小一時間程しっかり身体を治療させていただきますので、治療後には効果を実感していただけると思います。

治療頻度は、症状の重さによって違いますが、目安では、初めのうちは1週間以内に一度と詰めて来て頂き、症状改善が出始めたら2週間以内に一度と間隔を空けて治癒を目指します。

自律神経バランスは体質になりますので、徐々に変化していきます。数回治療を行った後に自律神経測定器で計測して、その都度その都度状態を確認して最適な治療を行います。

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橈骨神経障害でお悩みの方は、一度渋谷α鍼灸院へお越しください。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:37 / 院長コラム

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