2016年6月15日
子宮内膜症とは、本来ある場所以外に子宮内膜が増殖した状態をいいます。日本産婦人科学会で「子宮内膜および類似組織が子宮内膜層以外の骨盤内臓器で増殖する疾患」と定義されました。
子宮内膜は子供を産むために肥厚しますが、妊娠しなかった場合は剥離して体外に排出されます。正常な場所以外で出来てしまうとこの排出がうまくいかないため中で血の塊となり周囲に悪影響を起こすようになるのが子宮内膜症の怖さです。
子宮内膜症は年齢を重ねるごとに発症率が上がりますが、閉経後は減少していきます。これは子宮内膜のサイクルが女性ホルモンのエストロゲンによってコントロールされているためだと考えられています。エストロゲンの作用によって子宮内膜の発育と排出がされるのですが閉経後はこのエストロゲンの分泌がほとんどなくなるので子宮内膜症の可能性が減るわけです。
発生場所によって子宮線筋症、卵巣子宮内膜症、骨盤子宮内膜症と分類されます。内膜症はいろいろな場所にできる可能性があります。
好発年齢は、20代から30代に多く、生殖年齢層の5~10%の方が罹患しているといわれています。
子宮内膜症の症状は月経痛や不妊になります。月経時に痛みを強く感じることや下腹部痛、性交時痛、排便痛、排尿痛などがあります。月経の出血量も多くなることがあります。
いつもより症状を強く感じることや月経時以外でも痛みを感じ始めた場合は一度専門医に診てもらうのがいいです。
子宮内膜症の症状は必ずしもあるわけではありません。定期的に検査する事が早期発見に繋がります。
子宮内膜症の3割から4割は不妊症を合併しているといわれています。不妊治療の検査で見つかることも多いそうです。
原因未だ解明されていませんが考えられる説として子宮内膜移植説と体腔上皮化生説があります。
子宮内膜移植説は、月経によって剥離した内膜が卵管を逆流して骨盤内に入り腹膜に付着するという考え方です。
体腔上皮化生説は、腹膜や卵巣表層細胞などが何らかの要因で子宮内膜類似組織に化生変化して発症するという考え方です。
構造
月経時に剥離して排出される層と剥離しない層に分かれます。
緻密層は、子宮内膜にでている表面部分で月経時に剥離して排出される層です。
海綿層は、真ん中の基底層寄りの部分で、血管が豊富でふかふかのスポンジ状に暑くなります。
基底層は、子宮本体に付く部分で月経時に剥離しない固有層です。
周期
卵胞期に子宮内膜は女性ホルモンのエストロゲンの作用によって増殖して厚くなります。
黄体期にエストロゲンとプロゲステロンの作用でさらに厚みをだします。
月経期は、妊娠しない場合はホルモンが減少して内膜が剥離して体外に排出されます。
検査では問診や直腸検査、超音波検査、血液検査、MRIで調べられます。
治療法
薬物療法・・・症状や進行を緩和させるために使われます。ホルモン療法も含まれます。
手術療法・・前まではどうしようもない場合に選択されましたが、今では最終手段としてではなくケースによって決められます。妊娠の希望でも変わるため専門医との相談になると思います。
東洋医学では、子宮を胞宮や女子胞といいます。この胞宮や女子胞は腎や肝、脾胃に深く関係します。特に生殖器は腎と関係するため腎の機能を重点的に見る必要があります。腎は晴天の本であると同時に元気の根であり、性を蔵し、靱帯の成長、発育、生殖を司ります。
また子宮内膜症の血が溜まるということから血との関係も深いと考え血虚や瘀血も診ていきます。
他には気滞や痰湿も関係しやすいため同時に診ていきます。
人の意思とは関係なく働く神経が自律神経です。この自律神経は内臓や全身の血管コントロールの役割を担っていて、常に体を管理している神経になります。
自律神経は脳に中枢があります。この中枢はストレスに弱く、一定のストレスを受けると自律神経が乱れて不定愁訴を引き起こすことや自然治癒力を下げてしまします。
自律神経の乱れがあると身体の回復力が遅いため治るものも治らない状況になります。
そのためまず自律神経を整えることが治癒に向けての第一歩です。
当院では、自律神経測定器により交感神経と副交感神経のバランスを調べることができます。そのデータを元にオーダーメイドの治療を行うことでより効果を引き出せます。
測定器のデータは身体的ストレスや精神的ストレスも同時に調べられますので、より多角的アプローチできるので体調管理にもお勧めです。
来院頻度はできる限りの治療機会を得られるのが望ましいです。鍼刺激は人により反応が分かれますが、3~4日以内には反応が分かるので、初めのほうは、4日~7日以内と詰めてきて頂くのが理想になります。症状緩和や効果が出始めましたら間隔を開けていきます。
子宮内膜症でお悩みの方は、渋谷α鍼灸院へお越し下さい。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 12:14 / 院長コラム