自律神経

2016年6月30日

自律神経とは

 

自律神経とは、末梢神経で内臓や各器官を調節する役割を持っています。自分の意思とは関係なく働くため不随神経植物神経と呼ばれます。

自律神経の支配は心臓の働きから末梢の血管まで幅広くあります。体内の「恒常性維持」を目的としますので絶え間なく働きます。熱ければ汗をかく、寒ければ鳥肌が立つ、運動すると呼吸が早くなるなど人体のバランスを常に保とうと頑張ってくれる神経です。

生活のリズムの中で自律神経がコントロールしているのは、睡眠や摂食、情動、体温調節、性行動

渇き、体液、ストレス反応があります。これらは視床下部に中枢があります。この生活のリズムの自律神経が乱れると自律神経失調症になります。

 

自律神経失調症の症状

全身症状  微熱、倦怠感、不眠、かゆみ、多汗

運動器症状  筋肉痛、肩凝り、腰痛

生殖器症状  更年期障害、月経不順、性機能不全

循環器症状  高血圧、低血圧、手足の冷感、蒼白

消化器症状  食欲不振、膨満感、胸焼け

精神症状  動悸、不安、イライラ

 

自律神経失調症とは、「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と定義されています。発症の一番の原因はストレスになります。内因(人間関係、仕事のプレッシャー、過労)や外因(寒さ、暑さ、湿気、環境)のストレスを受け続けることで発症します。

 

ストレスとは

カナダの生理学者「ハンスセリエ」が提唱したストレス学説が有名です。「外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応」とストレスを説明し「ストレスを引き起こす外部環境からの刺激」をストレッサーと定義しました。

人の身体はストレスを受けると三段階の順序をたどります。

Ⅰ期警告反応期・・・ストレッサーに反応して防御準備をする段階です。

Ⅱ期抵抗期・・・ストレッサーとストレス耐性がかろうじてバランスを保っている状態です。

Ⅲ期疲憊期・・・ストレッサーに対してストレス耐性が衰えていき、生体の恒常性を保てなくなる段階です。

 

ストレスにはいくつかの種類があります。肉体的ストレス、精神的ストレス、物理的ストレス、環境的ストレス、社会的ストレスです。

人間関係からくるものや仕事、環境などあらゆる場面で人はストレスにさらされています。

ストレス耐性をあげることやストレス回避することがストレスとの上手な付き合い方だと思います。ストレスは必ずしも悪いものではなく、行動力や意欲をかき立てるのにも必要になります。ハンスセリエの有名な言葉で「ストレスというものが存在しなければ、人間は滅んでいただろう」とまでも言われています。ストレスは身体を強くする事や免疫をつけてくれる作用もあります。

 

 

自律神経を整える習慣

朝日を浴びる

太陽の光を目で見て浴びると体内時計がリセットされて夜に眠気が来るようになります。

これは自律神経のサーカディアンリズムというもので、ヒトの身体は外部環境とは別に体内リズムがあります。サーカディアンリズムは一日24~25時間と一日24時間と少し差がでますので、朝日を浴びることは体内リズムを整えるために必要な事です。

規則正しい生活

朝日を浴びると体内時計がリセットされて14~16時間後に眠くなります。体内のリズムに合わせた行動をとれると身体の循環も良くなるため規則正しい生活習慣が大切だと言えます。

睡眠は身体の修復時間になります。質の良い睡眠ほど身体は回復します。そのために睡眠3時間前までに晩ご飯を済ませておく事が大切です。睡眠中に内臓が働きすぎないようにすることが良質な睡眠に繋がります。

寝る前に、目に刺激を入れないようにする事も良質な睡眠に関係します。なるべく就寝前はPCやスマホのように目に刺激があるものは控えたほうがいいです。

適度な運動習慣

体内の循環を良くするためにも運動習慣が大切です。一週間に3回ほど40分の有酸素運動がお勧めです。特に朝日を浴びながらの汗をかく歩行が自律神経を整えるのに良いです。

腕を良く振り大股で歩くことで泌尿器や呼吸器、循環器が刺激され40分ほど続けると脳が活性化してきます。

雨の日などはストレッチやヨガのように身体のリラックス出来る習慣を続けると身体も心も緩みます。

 

自律神経と免疫系

自律神経は免疫に関係するリンパ器官(胸腺、脾臓、骨髄、リンパ節)を支配します。交感神経によるコントロールでリンパ器官の血流を変化させていることから自律神経は関節的に免疫系を支配している関係になります。

病気から身を防衛してくれる免疫系は主に白血球のリンパ球と顆粒球が中心的な役割をしてくれます。白血球の数は自律神経の影響を受けるので、自律神経の乱れは免疫力の低下に繋がります。

病気にかかりにくくする事や治りを早くするにも自律神経の調和が必要になります。

 

鍼灸治療

鍼灸治療は白血球を増加させることができます。研究結果では各種の白血球が2~3倍に増加したという報告があります

鍼灸には未病治という言葉があります。「未だ病まざるを治す」と言って、病気になる前に治すという意味です。白血球やリンパ球を増加させて免疫力を上げることで病気になりにくい体質を作ります。

これからはかからないようにする予防医学が注目を浴びてきます。鍼灸治療を定期的に受けることでかからない体質作りが日々の生活を向上させてくれると思います。

 

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 14:07 / 院長コラム

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