帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の治療

2022年5月22日

帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の鍼灸治療

 

帯状疱疹とは、刺すようなチクチクとした痛みや痒みなどが初期症状として現れて、次第に赤い点々とした発疹になります。初期には、なんか皮膚に異常があるなと思う程度ですが、徐々に症状が強くなると激痛や帯状に湿疹が広がっていきます。発症して数日経ってから受診されるケースが多いです。

特徴として身体の片側に起こり、帯状のような湿疹となって激痛がします。痛みには、ヒリヒリやズキズキする痛み、針で刺されたような痛み、触れると痛い、知覚や感覚の低下や麻痺があります。

早期治療が、最も効果的ですが、初期症状の段階では医師でさえ判断が難しいです。症状が進んで帯状になれば診断は容易です

帯状疱疹で鍼灸院に掛かられる最も多い症状は、帯状疱疹後の神経痛です。帯状疱疹後神経痛と呼びます。湿疹や水疱がなくなっても帯状疱疹があった場所にピリピリ、ずきずき、ひりひり、針で刺されるような痛みが続く症状です。

全身のどこにでも起こりますが、胸や背中が大半で、次いで腹部になります。顔や下半身に出来ることもありますが、顔に出来た場合にはラムゼイハント症候群になる可能性もあります。

※ラムゼイハント症候群

顔面に生じる顔面神経麻痺です。水痘・帯状疱疹ウイルスによって罹患します。一般的に予後不良なことが多く顔に麻痺が残ることがあります。

 

帯状疱疹の原因

原因は水ぼうそうを起こすウイルスの水痘・帯状疱疹ウイルスです。子供の頃にかかった水疱瘡の原因ウイルスが再び活性化する事で発症します。

元々持っているウイルスが原因のため体力の低下や免疫力が下がると発症しやすくなります。

原因となる要因

・過度のストレス

・多忙による疲れ

・加齢

・他の病気や治療で免疫力が下がっている

 

 

帯状疱疹後神経痛の原因

帯状疱疹中にウイルスによって神経が攻撃されて跡が神経痛として残ると考えられています。

高齢者になるほど帯状疱疹後神経痛になりやすいです。この痛みは、数ヶ月から数年出続ける事もあります。

 

病院での帯状疱疹治療

主な治療法は薬物療法になります。ウイルスが増えないようにする抗ウイルス薬や痛みを抑える鎮痛薬などを処方されます。

痛みが強い場合には始めから麻酔薬のブロック治療も行われます。

症状が重い場合には点滴治療も行われます。

水泡がつぶれて細菌感染した場合には抗菌薬が使われます。

 

帯状疱疹の東洋医学の考え方

東洋医学には、養生法といって生活習慣や食生活などを規則正しくして、病気にかからないようにする事やかかっても早く治るように心がけることが大切になります。

帯状疱疹は、気候や環境による外因生活習慣や精神状態による内因によって引き起こされます。

この内因と外因の除去も帯状疱疹治療には重要になりますので、始めにしっかりと問診によって見極めていきます。

東洋医学の五臓六腑では、が外因によって侵されやすいです。

帯状疱疹では、肝火上炎肝胆湿熱湿熱阻帯脾などが考えられます。

肝火上炎

湿邪や熱邪が肝胆にとどまり発症します。肝の陽気が強くなりすぎることで発症します。

症状は発赤、頭痛、胸脇部の痛み、目の症状などになります。

 

肝胆湿熱

湿邪と熱邪によって肝胆の機能が弱まって発症します。消化器や自律神経、水分代謝の異常を引き起こします。

症状はピリピリとした痛み、胸脇部の痛み、便秘、軟便、手足の重だるさになります。

 

湿熱阻帯脾

湿邪と熱邪が脾にとどまり胃腸や水分代謝の異常を引き起こします。

症状は皮膚の掻痒や発熱になります。

 

東洋医学では上記の考え方になりますので、湿邪の除去と熱を下げる目的で鍼灸治療を行うと効果がでやすいです。

帯状疱疹の鍼灸治療

鍼灸の効果として鎮痛効果があります。鍼刺激により脳内モルヒネを生み出すことがありますので、全身の痛みを和らげてくれます。

患部に鍼通電を行い鎮痛目的で施術を行います。鍼から電気を流すことで効果を上げられます。

お灸には、白血球を増やし免疫力を上げられます。浮腫紅斑や発疹などに行い皮膚の症状改善をしていきます。

 

自律神経療法

免疫力の低下や過労が引き金になりますので、免疫力疲労の両方を治療していかなければなりません。

帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の治療には自律神経の調整が必須になります。

自律神経を整えると身体の自然治癒力が最大限に発揮出来ます。自律神経が乱れたままだと痛みも消えにくく、治りが遅くなります。

鍼灸治療は、自律神経を整えるのに優れた治療法です。一時間程の治療を受けると身体もリラックスできて全身の血行循環が良くなります。

当院では自律神経測定器によって得たデータを元に治療方法を立てますので、1人1人の身体に合った治療を行います。

限りなく痛みが少なくなるように治療を行っていますので、痛みに不安だった方でも当院で治療を続けられる方が多いです。

帯状疱疹治療には、生活習慣も大きく影響しますので、東洋医学と自律神経から見て体質改善のアドバイスも行います。

帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛に悩まれている方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。

当院では自律神経測定器を行い、その結果を踏まえ施術方針を立てております

 

症例① 40代 男性

2週間前より肋間神経に帯状疱疹を発症し、病院での治療を受けた。

水泡は消えたものの、神経痛が残ってしまっている状態。

皮膚が触れても痛みがあり、咳やくしゃみでも響いて痛む。

もともと仕事が忙しく、深夜まで仕事をしていることもありストレスもかなり溜まっていた。

現在は仕事のペースを落としているが、少しでも早く治して仕事のペースを戻したいということで来院された。

◇1回目◇

測定器の結果、精神的ストレスが非常に高い状態だった。

そのため全身の緊張も強く出ており、まずは鍼とお灸を使って自律神経を整える治療から行った。

次に肋間神経へのアプローチのためにうつ伏せになってもらい、背中の緊張部位へ鍼とお灸を行った。

施術後は全身がリラックスした状態になり、帯状疱疹後神経痛の症状も軽減していた。

少しでも早く治したいという希望と回復力が高まった状態を維持するために3日後の予約を取り初回の治療を終えた。

◇2回目◇
翌日は痛みが半分くらいまで軽減していたが、昨日から痛みがぶり返してきた。今は初回時とくらべ8割位の痛みが残っている状態。
身体も前回よりは緊張が抜けているが、まだまだ奥の緊張が抜けきれていない状態。
前回よりも少しだけ刺激量を増やして施術を行った。
再度3日後に予約を取り施術を終えた。

◇3回目◇
痛みが半分のまま3日間過ごすことができた。
身体も軽い感じが続いている。
前回と同じように施術を行った。
5日後に予約を取って帰られた。

◇4回目◇
痛みは3割位まで減っている。
治る兆しが見えてきたとおっしゃっていただいた。

◇5回目◇
7日後に来院。
1〜2割位の痛みを行き来しているが生活が随分と楽になった。

◇6回目◇
2週間後に来院。
ほぼ痛みが無いが、疲労やストレスがかかると若干痛みを感じる。
仕事のペースも徐々に以前の状態に戻している。

◇7回目◇
2週間後に来院。
痛みは感じなくなったが、疲労感が強く出ているのでそちらをやりたい。
今後は月に1〜2回施術を受けて体調管理をしていく。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 13:04 / 院長コラム

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