2016年8月17日
目の前に浮遊物のようにチラチラとゴミのような黒い物や白い糸のようなものが見える症状です。
目を洗ってもこすっても無くならないもので、目を動かした方向と一緒に移動してきます。
白い壁などを見るときに一番感じやすいと言われています。
加齢で発症しやすくなりますので、40歳以上から増えてきます。加齢によるものは生理的飛蚊症の可能性が高いのですが、中には病的飛蚊症が隠れていることがありますので、専門医での診察が重要になります。眼科などでしっかりと検査してもらうのがいいです。
飛蚊症には、生理的から病的まで様々な原因がありますが、病的な場合には網膜剥離に発展して視力低下や視野欠損など回復しない状態になる可能性もあります。
鍼灸治療は、目の周りの血流を良くすることと自律神経を整えるのに優れた治療法です。目に関係する経穴を刺激する事で良い反応が起きる研究結果があります。
通院されている方でも東洋医学治療は補完する役割にもなりますので、併用されるのも効果的です。ただ担当医から控えてくれと言われるようでしたら、担当医の指示通りにしてください。
生理的飛蚊症
生理的飛蚊症は、健康な人でも発症する可能性があります。胎児の頃に眼球が作られて硝子体の血管は完成してくるとなくなるものなのですが、生後になっても残っていると飛蚊症と感じる事があります。
大人になって感じるものは硝子体の物質変化により線維化した物がゴミや白い糸のように感じる場合があります。これは原因不明なことが多いです。
硝子体剥離による飛蚊症
飛蚊症の原因で最も多いと考えられています。加齢により硝子体はゼリー状から液状に変化して、網膜から剥がれやすくなります。これにより水が溜まりだして網膜との接触部分を剥がしていきます。
若い人でも強度の近視の場合は硝子体剥離が起こる場合があります。
硝子体出血による飛蚊症
病気にかかって網膜の血管が弱くなると出血しやすくなります。網膜の血液循環が悪いと新生血管という破れやすい血管ができやすいです。病気には糖尿病性のものや網膜中心静脈閉塞症などがあります。
この病気は出血により突然生じることと視力の低下や進行によっては失明になる可能性があります。
硝子体には血管がないので出血するとなかなか吸収されず症状が改善するのに時間がかかります。
炎症による飛蚊症
ぶどう膜炎などの眼球に炎症性の病気が起こると硝子体が混濁して飛蚊症になることがあります。炎症が起こると白血球や滲出液が硝子体に入り込んで混濁します。
炎症によるものも進行する事があるので物を見るのに支障をきたす場合には注意が必要です。
眼底検査により生理的か病的かを見分けます。
病的で失明の可能性によって治療方法を選択します。
硝子体の出血は手術が行われる事がありますが、手術によっても網膜剥離になる可能性があるのでよく話し合われると思います。
網膜裂孔にはレーザー治療が行われます。
東洋医学では、五臓六腑の肝が深く関係すると考えます。肝は目に開竅すると考えられているので、目の症状には肝の機能を良くする事が大切です。
肝血が不足すると視界の異常や肌肉に関係することから運動系の異常が見られます。
肝の陰液が不足すると肝陽を抑える事ができないので肝陽が上ってしまい、目の炎症や充血を起こすと考えられています。
肝陰虚、肝陽上亢
肝陽が上ると熱証がみられます。顔面部や頭部に症状が現れやすく目の充血、炎症、顔面紅潮、火照り、めまい、ふらつきなどがあります。
東洋医学では肝と腎は深い関係があると考えています。「肝腎同源」とも言うほど相互の関係が深いです。
腎陰も不足すると様々な症状が現れます。西洋医学でいうと自律神経の乱れ、更年期障害、不眠症、高血圧などがあります。
目の周りにはたくさんの経穴があります。その中から目に良く効く経穴を選択して治療します。目の周りの血行循環を良くすることで目の中の循環も良くなると考えます。
線維化した硝子体内の物質を排出しやすくします。
東洋医学の考え方では、目だけの周りが悪くなって起こるというよりも全体のバランスが崩れるために起こると考えますので、全身を治療していきます。
自律神経を整えると全身の血行循環が良くなります。目の循環も良くなると考えますので、自律神経を整えることが重要です。
当院には自律神経を測れる器械があります。これにより自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを調べる事ができます。
ストレスを受けると自律神経中枢が影響を受けて乱れます。現代のストレス社会では何らかのストレスを受けて乱れていると考えられますので、鍼灸治療により自律神経を整える事とストレス解消治療を行う事は大切です。
飛蚊症で悩まれている方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 20:38 / 院長コラム