多嚢胞性卵巣症候群の鍼灸治療

2016年8月30日

多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の表面が肥厚して排卵が上手く出来なくなり卵巣に未熟な卵胞が溜まってしまう病態です。

一月に一度来る排卵は卵巣内のたくさんの卵細胞の一つが成熟して卵胞から破れて卵子が排出されます。多嚢胞性卵巣症候群は、この卵胞が破れずに卵巣内に未熟な卵が溜まっていってしまう状態です。

不妊の原因にもなり不妊症の約20%が多嚢胞性卵巣症候群だと言われています。全体では若い女性に多く、生殖年齢である女性の約5%に見られます。

PCOS(polycystic ovarian syndrome)と記述されることもあります。

自然治癒することもありますが、妊娠を望む場合には専門的に治療をされた方がいいです

メニエール病

多嚢胞性卵巣症候群の症状

生理不順・・・月経周期が長くなる、短くなる、無月経

男性化症状・・・ニキビ、低い声、多毛、抜け毛

肥満・・・肥満による悪化

不妊・・・不妊症の20%が多嚢胞性卵巣症候群と言われています

卵巣の腫大

 

多嚢胞性卵巣症候群の原因

原因は様々な説がありますが、解明はされていません。排卵がしにくい病態のため、排卵に関係するホルモンバランスの乱れが考えられます。黄体ホルモンの分泌が増えて、卵胞刺激ホルモンの働きが弱まるためだと言われています。

卵巣内の男性ホルモンが高くなることで起こると考えられるので、インスリンも関係していると言われています。

 

多嚢胞性卵巣症候群の病院での治療法

診断基準として

1、 月経異常

2、 LH値の異常高値とFSH値正常値

3、 卵巣の多嚢胞性変化

 

検査法

卵巣超音波検査・・・卵巣内の状況を見ます。多数の嚢胞があるとネックレスサインが見られます。

 

治療法

排卵誘発剤・・・根本的な治療法がないため排卵を誘発させるホルモン療法が主な治療法となります。

 

多嚢胞性卵巣症候群の東洋医学の考え方

東洋医学では、子宮を胞宮女子胞といいます。この胞宮や女子胞は腎や肝、脾胃に深く関係します。特に生殖器は腎と関係するため腎の機能を重点的に見る必要があります。腎は晴天の本であると同時に元気の根であり、性を蔵し、靱帯の成長、発育、生殖を司ります。

腎気の不足・・・精神疲労、腰や下半身の力がでない、顔が青白い、四肢の冷え、腰や背中がだるくて痛む、頭のふらつき

 

多嚢胞性卵巣症候群ではが弱くなっていると考えられており、第一に腎の機能回復を目的に施術していきます。また、血とも関係が深く、血虚やオ血などの症状がみられることが多いです。

 

月経周期の異常として東洋医学では、腎気虚、気血両虚、気滞血オ、痰湿などがあります。

腎気虚・・・先天の腎気が不足しているためだと考えます。または出血などによる精血が消耗するためです。

気血両虚・・・脾虚や出血による栄養不足と考えます。

気滞血オ・・・精神的ストレスにより気や血が上手く回らなくなったためと考えます。

痰湿・・・腎や脾が弱まる事で、血の巡りを悪くしていると考えます。

 

鍼灸治療

骨盤内血流量を上げる事も必要です。骨盤上や周辺の経穴を刺激する事で骨盤内血流量を上げられたという研究があります。

下肢の状態も大きく関係します。下肢のむくみや冷え、筋緊張なども骨盤内に悪影響です。特に女性に良く効く経穴も下肢に多いです。下肢の症状も一緒に治療していきます。

心地良い刺激で施術を行いたいためお灸を多用します。当院では様々なお灸を用意してありますので、患部や症状に合ったお灸で治療していきます。

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自律神経療法

全身の血管を自律神経がコントロールしています。自律神経中枢はストレスによって乱されて全身症状を引き起こします。日々の生活習慣や人間関係によりストレスを受けて全身の血流の悪さを引き起こします。

鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療法です。一時間程心地良い施術を受けることで身体がリラックスして全身の血流を良くします。

鍼灸の効果として血流増加や鎮痛作用、消炎作用があります。しっかりと問診と触診をした後に適切な経穴を刺激する事で症状を改善させていきます。

当院では使い捨ての鍼を使用していますので、衛生面も安全です。初めての方や鍼が恐い方には限りなく細い鍼で痛みを減らして治療できますので安心して下さい。

 

自律神経測定器

当院では、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを調べる器械があります。この測定器は自律神経バランス以外にも身体的ストレスや精神的ストレスも調べられるので、より多角的に症状を捉えられます。

測定器のデータを元に施術に入ることで適切な治療を行えて効果が上がりやすくなります。

自律神経は体質になりますので、一度の施術で全てが変えられることは少なく、定期的に治療を行う事で体質改善に繋がります。

治療頻度は初めのうちは詰めてきて頂くと効果を出しやすいので、一週間に一度をお勧めします。次第に良い癖が付いてきましたら二週間や一ヶ月に一度と間隔を空けていきます。

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多嚢胞性卵巣症候群でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:04 / 院長コラム

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