腰痛

2017年1月30日

腰痛と筋力低下、味覚障害

 

今回は、数回の転倒により腰痛と下肢の筋力低下が見られた方の改善症例をご報告します。

 

症例

60 男性

 

2ヶ月前にご自宅で数回転倒され、以来腰の辺りが痛むとの事でした。

転倒は前のめりに転ぶ事もあったけれど、尻もちをついてから痛みが出てきたそうです。

 

整形外科を受診しましたが、骨には異常無し。

特にリハビリなどのオーダーもなく、痛み止めの内服と湿布で経過観察との事でした。

 

しかし悪化はしないものの、痛みが全く良くならないため、治療の依頼がありました。

 

腰の痛み

最初に訴えていた痛みの部位は、仙骨という骨盤の後面にある骨の真ん中辺りから腰の下部にかけてでした。

特に起き上がりの時や立ち上がりの時に痛むそうです。

仰向けで寝る時も、最初は痛みを感じるとの事です。

 

脚の筋力低下

また安静にしていたら脚の力が無くなって歩くことが出来なくなってしまったとおっしゃっていました。

 

そのため最初に訪問した際には、車椅子での移動で、立ち上がりやベッドとの乗り移りは可能でしたが、歩行は立ってから脚が出ない状態でした。

 

転倒前は一人で歩けていたために、

「今は車椅子でかなり不便だ」

「このままだと歩けなくなってしまうのではないか…」

という不満や不安を抱えていました。

 

味覚の変化

そして更にお話を聞いてみると、実は転倒してから味覚が変化し食事が美味しくなくなってしまったので、食事量が減り体重も落ちて来てしまったとの事。

 

「ますます筋肉が落ちて歩けなくなるのでは…」

と不安な様子でした。

 

評価と治療(初回)

初回はまず痛みの原因となっている部分を見つけるために、これまでのお話や痛みの状況を参考に、反応の出ているツボを探りました。

 

特に反応が出ていたツボは、

体の前面には、顎にある承漿(しょうしょう)、胸にある彧中(いくちゅう)に出てました。

 

体の後面には、背中にある膈兪(かくゆ)胆兪(たんゆ)、腰にある腎兪(じんゆ)に出てました。

 

これらのツボを丁寧に緩めていったところ、訴えていた腰の痛みは無くなりました。

 

やはり痛む部位には原因はなく、違う部位に原因がありましたね。

今回のように、ほとんどのケースで痛みが離れた所にあります。

 

今回の治療はここまでで、次回は1週間後です。

 

評価と治療(2回目)

1週間後に再度訪問し、経過を聞きました。

すると、最初にあった部分の痛みは全く出ていないとの事。

 

そしてなんと味覚障害が改善して、食事が美味しくなり、食欲が戻ってきたそうです!

今回の転倒をきっかけに、前後の経絡のバランスが崩れ、舌の方へまで影響が出ていたようです。

 

食欲が戻ってきて、一安心しました。

 

しかし最初と同じ姿勢や動きで、今度は殿部の内側が痛むそうです。

まだ脚の筋力低下も見られます。

 

加えて、立った時に少し不安定でふらつくようになったそうです。これは前回の治療後に出てきたとの事です。

 

これらの事から、前回治療を行った経絡とはまた違う経絡のアンバランスが表面化してきたために現れたと仮説を立てました。

 

ですので、別の経絡で反応の出ているツボを再び探します。

 

今回反応の出ていたツボは

体の前面には、股関節にある衝門(しょうもん)に出ていました。

体の後面には、腰にある関元兪(かんげんゆ)、お尻にある白環兪(はっかんゆ)に出ていました。

 

まずは前にある衝門をしっかり緩めました。

すると、殿部の痛みがなんと3割くらいまで減りました。いい反応です!

 

そして残りのツボを緩めたところ…

殿部の痛みがほぼ無くなりました!

さらには、すっと脚が持ち上がるようになり、立った時の不安定さも無くなったとの事‼︎

 

ここで治療を終了し、1週間経過を見てもらいました。

 

評価と治療(3回目)

前回からの1週間の経過を聞いたところ、殿部の痛みはほぼ無い状態との事。

そして立った時の不安定さや脚が上がらなかった状態も無いまま持続しているとの事でした。

 

そして何より驚いたのは、

なんと手すりにつかまりながら歩いていたんです‼︎

ずっと車椅子で移動していたので、びっくりしてしまいました!

 

痛みや不安定さも無くなり脚も上がるようになったので、歩くことが出来るようになったとの事。

ご本人も大変喜ばれていました!

 

 

まだ立ち上がりの時に殿部の内側が少し痛むとの事だったので、前回と同様の治療を行うと、殿部痛は消失しました。

 

現在はメンテナンスを兼ねて継続治療中ですが、最初にあった症状は全く現れていません。

 

 

まとめ

今回は転倒をきっかけに腰痛、筋力低下、味覚障害が現れたケースでした。

 

腰痛と味覚障害は一見関係ない、あるいは精神的なものだと考えられがちですが、経絡のバランスという視点で見てみると、この2つの症状は実は関連があるんです。

今回は前後の経絡のアンバランスのために症状が出ていました。

 

そして1回目の治療後に、今度は別の部位に症状が出て、更には新しい症状も出てきました。

こういった事はよく見られる事で、1対のアンバランスが改善されたために、隠れていた真のアンバランスが表面化してくる事があります。

 

こうした場合は以前のツボは使わずに、また別の経絡のアンバランスを仮定してツボを探っていく必要があります。

 

筋力低下と思われていた症状も、実は筋力自体が落ちていたのではなく、バランスが崩れていたために、うまく筋力を発揮出来なかった事が原因であったと考えられます。

このような状態の時にいくら筋力トレーニングや体操を行なってもなかなか改善しません。

まずはアンバランスな経絡を調整する必要があり、そしてそれだけで筋力を発揮出来るようになる事もよく見られます。

 

なかなか改善して来ない症状の原因の多くは、症状が出ている部分とは離れた所にあります。

その部分をしっかりと探っていく事が大切です。

 

 

もしなかなか改善しない痛みがありましたら、是非一度渋谷α鍼灸整骨院へお越し下さい。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 14:21 / 院長コラム

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