ぎっくり腰の治療

2017年2月4日

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰は、突然襲われることから海外では、魔女の一撃と呼ばれるほど恐ろしいものです。

発症すると起き上がれなくなった、歩けない、咳をすると激痛などと様々な痛み方があります。痛みが酷くて会社を欠勤せざるをえない状況になる方もいます。

腰という漢字はが入るように人体のロコモーションにとって重要な場所になります。歩行、立ち上がりと動作時と体重が常にかかる場所なので、腰を痛めると生活の質がガクッと低下します。

腰は長時間の座位や体重の増加によって負担が大きくかかります。負傷されている方の腰は、筋肉が硬くなって関節の動きが悪くなっている状態です。炎症が引いてきても痛みが引きにくいのは負傷するような状態が改善されていないためです。腰が負傷してしまうような状態であれば、いくら炎症が引いても疼痛、違和感、不安感は消えません。

ヘルニアのように神経が圧迫を受けてしまっているものは改善度合いが低いですが、筋肉や関節由来のぎっくり腰は治療を受けて頂いた方が早く治ります。

腰の疾患

・腰椎ヘルニア

・分離すべり症

・脊柱管狭窄症

・椎間関節捻挫

 

鍼灸治療

患部の炎症と痛みを抑える治療になります。鍼は血流増加と鎮痛作用があります。この作用で患部の回復を助けて、周りの組織の柔軟性を出していきます。

お灸には血流増加と炎症を抑える作用があります。患部や周囲に行なう事で白血球を増やして炎症を早く引かせます。

周囲の筋肉の緊張によって腰の可動域が下がっている場合には、骨盤周囲の筋肉も治療対象です。臀部の筋肉や大腿部、下腿部といった場所も腰の痛みに関係します。

筋肉を緩めるだけでも腰の痛みが楽になります。

鍼の鎮痛効果をだすために場合によって、鍼から電気を流して患部を治療します。

東洋医学から診たぎっくり腰

ギックリ腰

 

体の中には「」や「」といったエネルギーが流れています。

これらのエネルギーは内臓から作られ、経絡を通って全身に運ばれて、栄養されます。

気血が適量で全身をスムーズに流れていれば、健康な状態でいられます。

 

しかし何らかの原因でこの経絡が詰まると、ギックリ腰を初め様々な部位に痛みを引き起こします。

 

経絡が詰まる原因として、冷え、湿、気滞血オなどが考えられます。

 

詰まりの原因は冷え

冷えには大きく2つに分けられます。

 

1つは外からの冷えです。

特に冬は体が冷えやすいですし、夏でもクーラーなどで体を冷やす事で経絡の流れは悪くなります。

2つ目は中(内臓)からの冷えです。

特に「」は冷たい物や生ものの過食により冷えやすいです。

また「」も加齢や長期服薬、手術などにより弱り、陽気という体を温めるエネルギーが減っていくために冷えを生じます。

中に冷えがある状態で、外から冷やしてしまう事で初めて発症する事もあります。

 

湿

湿とは余分な水分の事や、水分が滞った状態を表します。

特に先ほど出て来た「」が弱ると湿が生じます。水分代謝が悪くなり、所々で水分の滞りが起き、経絡の詰まりが表れます。

その他に例えば梅雨の時期などは外気の湿気が高い状態なので、体に湿が溜まりやすくなります。

 

気滞血オ

気滞とは字の如く「」が滞った状態です。

また「」という臓器は気を全身にスムーズに巡らせる作用があります。

肝はストレスの影響を最も受けるため、強力で持続的なストレスがかかると、肝の機能障害が起こります。

すると気を巡らせる事が出来ず、気の滞りが起こります。

 

その他にある部分を過度に使ったり、逆に使わずにいる(同じ姿勢など)と気が滞ります。

 

血オは「」が滞った状態です。打撲や捻挫などでも血オは起こりますが、あの鋭い痛みが特徴です。

最もよく起こるのが、気滞が長く続く事で血も一緒に滞る状態です。

(血の流れは気が調整しているため、気が滞ると血も滞ってしまいます)

 

このように中から、そして外からの原因により経絡が詰まる事で、痛みが起こります。

 

 

詰まりの部位

上記の原因があり、急激に腰の経絡が詰まるとギックリ腰が起こります。

 

腰に関連する経絡はいくつかあります。

主に膀胱経、腎経、胆経、胃経などが挙げられます。

 

まずはこれらのうち、どこに原因があるのかをチェックして、滞りを取っていく治療をしていきます。

 

しかし局所の経絡を整えるだけでは痛みが全快しない事もあります。

そのような場合は、原因となる経絡の中で別の部分にも滞りがあるケースが多く見られます。

そうしたツボの詰まりが腰の詰まりを引き起こしているんです。

 

ですので腰だけでなく、脚や背中、お腹や胸肩周りなどもしっかりチェックしていく必要があります。

 

原因へのアプローチ

ギックリ腰の治療において、腰に関連した経絡の治療のお話は上記の通りです。

 

しかしこれだけではまたいつギックリ腰になるか分かりません。

経絡が詰まる原因を治療していかないと、また何かのきっかけで容易にギックリ腰が起こってしまいます。

 

そのため治療では痛みを取るだけでなく、経絡を詰まらせる原因である冷えや湿、気滞血オ、そしてそれを引き起こす内臓の治療も合わせて行う事が重要です。

 

そうする事で痛みを取り、そして痛みが起こりづらい体質作りをしていきます。

 

 

矯正

関節の可動域や機能を触診して矯正治療を行ないます。腰は、よく「ズレています!」と治療院で言われたりする方が多いのですが、本来の腰の形を知っていなければ分かるはずがありません。

腰だけでなく、人体は完全な左右対称ではありません。肝臓や右にしかないように左右はある程度バランスが取れた状態であって多少のズレは正常内になります。

そのズレが正常外にあった場合に矯正します。むやみにボキボキせず正常内に戻すことを目的とした矯正を当院では行なっています。

仙腸関節や腰椎椎間関節、股関節といった場所を触診のもと正常内に戻していきます。

筋肉をいくら緩めても変わらなかった痛みでも関節が原因の場合は矯正後に痛みがかなり無くなります。

過去にボキボキやられて恐い想いをした方でも当院の正常内に戻すだけの矯正治療は安心して受けて頂けると思います。

 

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 17:00 / 院長コラム

お問い合わせ

▲ページTOPへ