2017年2月27日
・子供が朝起き上がれない
・学校を休みたがる
・原因が分からないから仮病を疑う
・午後になると調子が良い
・ずっと不調を訴えられる
起立性調節障害は上記のような症状がみられます。原因がわかりにくいことと、まだ認知が広がっていないためあまり周囲でもいない疾患だと思います。
子供の成長過程において自律神経がアンバランスになって発症するものだと考えられています。周囲の認知がなければ本人も保護者も辛い疾患です。
いじめや団体行動が苦手ではと保護者が心配してしまい原因とは別の打開策で子供の将来を変えてしまうことも恐いものです。
子供では病院での薬物治療も、不安なため鍼灸院には、どうにかして自然療法で治したいと来院されます。
鍼灸治療の効果は個人差が大きくでますが、早い子では数回の治療で症状がなくなります。
長いと数ヶ月かかります。
病院で診断を受けていても補完医療としても鍼灸はお手伝いできます。病院を第一に体調を整えるのに鍼灸を選ばれる方も多いです。
鍼灸治療は薬物と違って身体のバランスを整える事を治療目的にするので副作用はありません。
自律神経失調が原因によるもので、朝起きられない・全身の倦怠感・お腹の痛み・息切れ・動悸・立ちくらみなどの症状がみられます。
高頻度にみられる疾患で小学生の20人に1人、中学生の10人に1人が起立性調節に悩まされていると言われています。
思春期頃の小学校高学年~高校生に多く発症し、男女比は1:2で女子に多いです。
起立性調節にかかっている方の70%が心身症や神経症などの疾患がみられるというデータもあります。また冬に軽減して春ごろから悪化してしまう患者が多いようです。
起立性調節は午前中に体調不良を訴え午後になると回復してしまうような状態が多く、学校に行きたくないと言うこともあります。起立性調節が原因で登校拒否になってしまう場合も少なくありません。
子供に多く発症することから仮病と勘違いされてしまい、本人も気づきにくい上に認知度も低いので周囲から誤解を受けやすく苦しんでいる子供も多いと言います。
両親や学校の先生など周囲の大人が専門医と協力し起立性調節障害に対する正しい知識を身につけサポートしていくことが必要です。
人の身体は立ち上がる時に重力によって血液が下半身に集中し血圧が一時的に下がります。この時身体が正常に反応すれば血液が下半身に集中しすぎないように血管を収縮させて血圧の低下を防ぎます。
この血管を収縮が上手く出来ないため立ちくらみや失神などの症状が起きます。
また性格も起立性調節障害に関係すると考えられており、対人でのストレスをためやすい子に多いと言われています。
大症状と小症状の項目から判断します。
大症状
① 立ちくらみやめまい
② 起立時に気分が悪くなる
③ 入浴時に気分が悪くなる
④ 少しの動作で息切れや動悸がする
⑤ 朝に不調で朝起きづらい
小症状
① 食欲不振
② 顔面蒼白
③ 倦怠感や怠さ
④ 頭痛の訴え
⑤ 疝痛をたまに訴える
⑥ 乗り物酔い
⑦ 起立試験で脈圧狭小16mmHg以上
⑧ 起立試験で脈拍数増加1分間に21回以上
⑨ 起立試験で立位心電図TⅡの0.2mV以上の減高。
器質性疾患を除いて、以上の項目のうち
・大症状1と小症状3以上
・大症状2と小症状1以上
・大症状3以上
を起立性調節障害と判断します。
鍼灸治療は自律神経を整えるに優れた治療法です。手足やお腹にある交感神経と副交感神経のスイッチ点を使いバランスを整えていきます。
痛みが限りなくでないよう小さな鍼と心地良い刺激のお灸を使って治療します。小さいお子さんに多い鍼がどうしても恐い!という場合には刺さない鍼でチクッとした痛みがでない道具で治療します。
ある程度の子であれば1人でも大丈夫ですが、安心して治療を受けて頂くために保護者も治療室に付き添って頂くこともあります。
不安しないよう安心して治療を受けて頂くための努力行ないます。
当院では自律神経を測定する機械があります。交感神経と副交感神経のバランスを計測できます。午前と午後とバランスが変わるため一度の検査で全ては把握出来ませんが、ある程度の偏りは分かります。
このデータは定期的に測る事で体質改善のチェックもできます。客観的なデータによって治療効果を確認して頂くことができます。
治療効果は個人差がでますので、一回のみでは完治する事はありません。最低でも数回の治療は受けて頂かないと効果が出てこない事が多いです。
なるべく治療機会が多いのが望ましいので、治療始めは詰めてきて頂くことをお勧めします。
計測データの変化とともに徐々に間隔を開けて症状改善を目指します。
鍼は完全使い捨てのため衛生面も安心して下さい。
お灸は温かい程度のものを使用しますので、火傷の心配はありません。
鍼が怖いという方の為に刺さない鍼も用意しています。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 19:13 / 院長コラム