慢性疲労症候群の東洋医学の考え方

2017年2月18日

慢性疲労症候群

 頚肩腕症候群

我が国では10万人に38人の割合で慢性疲労症候群にかかっていると言われています。

この病気はまだ認知度が低いため罹患率もこれから増えていくと思われます。男女差では女性の方が多くみられると分かっています。

名前をみるとただの疲労感と思われがちですが、症状によっては深刻な状況にもなります。

症状が重いと社会的支援がなければ生産的生活ができないほどです。家族、社会からの支援がなければ最低限の生活を営むことも難しいという状況です。

一般臨床検査では異常値がみられないため専門病院以外では十分な対応が受けられません。実際には中脳や視床などに異常がみられる事が分かっていますが、特殊な検査装置でなければ見つけられないようです。

アメリカで注目されているのでこれからさらに研究が進めば慢性疲労症候群の十分な対応が受けられる様になっていくと思います。

 

症状

症状の出始めは風のような微熱、頭痛、のどの痛みリンパ節の腫れです。長期間にわたって疲弊した状態が続きます。次第に易疲労、運動をしていなくても筋肉痛、気分の落ち込み、集中や記憶力の低下などがみられます。

 

 

慢性疲労症候群の東洋医学の考え方

 

 

慢性疲労症候群は、慢性で全身的な疲労感を主症状とし、精神的な症状を含め様々な症状を伴うのが特徴です。

しかし症状1つ1つにアプローチしていても、西洋医学では原因がはっきりしていないため回復は難しいのが現状です。

 

しかし視点を変え、東洋医学でこの疾患を診ていくと原因がはっきりしているため、根本的な治療が行う事ができます。

 

慢性疲労症候群の原因は大きく分けて2つあります。

 

 

エネルギー不足型

気や血といったエネルギーや栄養が充足している事で初めて心身が正常でいられます。

しかし様々な要因によりこの気血が不足すると、臓器や筋肉などのエネルギーが足りず、慢性的な疲労感を引き起こします。

栄養素が不足しているため、脳内の神経伝達物質も不足し、様々な精神症状も引き起こします。

 

気血が不足する要因は様々あります。

例えば、胃腸が弱く消化吸収が不十分である、偏食・少食である、大病を患ったり長期臥床している、薬剤を長期服用したり全身麻酔を受ける、充分な睡眠が取れていないなどが挙げられます。

特に多く見られるのは胃腸の不調と偏食です。

必要な栄養素がほぼ含まれていない食べ物を、ただお腹を満たすために食べている方が本当に多くいらっしゃいます。

そしてそれが積もり積もってエネルギー栄養不足を引き起こしています。

 

まずは食生活を見直す事が重要です。しかし現代で売られている食物はもともと栄養素がかなり少ないです。ですのでバランスよく食べていても栄養不足になりがちです。

また炭水化物の過食、糖類や嗜好品(タバコ、お酒、スナック菓子など)は、貴重な栄養素を消耗してしまいます。

 

治療としては、まずは胃腸(脾や胃)の機能を高め、気血を補うツボを使って行きます。また長期に患っている方は腎の弱りも合併しているため、腎を強くするツボも用います。

またエネルギーが不足すると陽気も減少し体内で冷えが発生するため、臓器や筋肉の機能がますます低下していきます。

ですのでそういった場合はお灸も併用していきます。

ただしこのタイプの場合、体が弱っているため、1度に多くのツボを使うと返って疲労してしまいます。

ですので、ツボを絞って少しずつエネルギーを補っていく方法で行って行きます。

 

 

エネルギー滞り型

エネルギーが充足していても、全身に滞りなく届かなければ臓器や筋肉は正常に機能しません。

気血の巡りを調節しているのが「肝」です。肝の機能障害が起こると気血があちこちで滞り、エネルギーが末端まで運ばれなくなってしまい、所々で気血不足が起こります。

 

そして肝の機能障害を引き起こす最大の原因がストレスです。

 

最初は気血の滞りも局所的なので、首肩こりや腰の張りといった症状が現れます。

しかしこれらの症状や肝の機能障害を放って置く(あるいは適切な治療を行わない)と、次第に全身に滞りが広がり、全身的な疲労感を感じるようになります。

脳への経絡も詰まるため、脳に栄養が充分に巡らず、精神症状も現れてきます。

 

その他に気血が滞る原因として、継続的に冷やしてしまう、運動不足、肥満や浮腫体質(湿という水分の滞りが経絡を詰まらせる)などが挙げられます。

 

そしてこれまであまり重要視されてこなかったのが、過去の怪我(骨折や捻挫など)やギプスなどの固定経験、オペの術痕です。

これらは局所的に経絡の詰まりを引き起こし痛みを引き起こしますが、それを解消しようと体が反応します。

経絡に沿った別の部分で代償する事で、この痛みを解消します。

しかしこれを繰り返していくと、ついに代償が出来なくなってきて、痛みや疲労感が出てきます。

過去の痛みや痺れなども同様に、その症状を解消しようと別の部分で代償し、一見治ったかのような状態になります。

 

代償によって特に経絡の詰まりが好発するのは、首の前後、背中、肩甲骨や骨盤周りです。

しかし「今出ている」これらの詰まりを治療するだけでは全身的な疲労感は解消していきません。

過去の詰まりのポイントまで遡って治療しいく事が、根本的な治療につながります。

 

そして同時に肝の治療や、冷えの解消も合わせて行っていきます。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 16:57 / 院長コラム

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