2017年2月26日
腰椎ヘルニアと腰の方が良く知られていますが、首の頚椎ヘルニアもあります。
基本的には神経症状がみられます。首の痛みが無いのに頚椎部のヘルニアによって肩や腕の方に症状が出る場合もあります。症状は軽度から重度まであって、筋力低下、感覚障害、排尿障害と頚椎損傷部以下まで幅広くあります。
腰椎ヘルニアと同じで椎間関節にある椎間板の髄核がヘルニア(脱出)して後方の神経を刺激してしまいます。頸椎も腰椎と同じように前湾していて、カーブが強い場所が好発部位になってきます。首は7個の骨で作られており、好発部位は下の5番と6番で次が6番と7番の椎間板で、腰椎では5個の骨の中で4番と5番の椎間板で起こります。
上から順に数えるので頚椎と腰椎共に下位にある椎間で起こりやすいです。
柔らかいゲル状の組織です。背骨(脊椎)は首、背中、腰で24個あります。この背骨の間に椎間板があります。
椎間板の主な役割は非常に水分が多いので衝撃からのクッションと動きに合わせた可動があります。
外は線維輪で覆われて中心部には髄核というもので椎間板は構成されています。
椎間板の後方には大きな脊髄神経があって、脇から末梢に出る神経があります。椎間板の髄核が後方にヘルニア(脱出)することで中枢の脊椎神経か末梢の神経根を圧迫します。
頸椎ヘルニアの症状は主に頸椎周囲の痛みと神経症状になります。痛みやだるさ、感覚などが障害されます。
神経根ではなく中枢心系の脊髄が圧迫を受けると重度の症状が現れます。
片側のみの症状であれば神経根の障害だと考えられます。
神経症状(軽度~重度)
・肩や腕の痛み
・上肢の重だるさ
・上肢の鈍痛
・手のむくみ
・上肢の筋力低下
などがみられやすいです。
全身症状(重度)
・膀胱直腸障害
・歩行障害
椎間板に負担がかかると発症しやすいので、不良姿勢や職業柄、外傷などが原因となります。
加齢による生理的現象で、水分が減って椎間板が硬くなってきても起こりやすいです。
痛みがある場合は装具やカラーなどで処置されます。消炎剤や鎮痛剤などが処方されます。
症状が強い場合には星状神経ブロックなど神経ブロックが行なわれます。
重度の場合には手術によってヘルニア部分の減圧や摘出術が行なわれます。
鎮痛、消炎、血流増加を目的に行ないます。
患部に行なう事で上記の作用が得られます。頚椎ヘルニアは患部の筋肉が硬くなりすぎていることが多く、柔軟性が低下したため椎間板に負担がかかって発症すると考えています。
頚椎周りの経穴と硬くなってしまった筋肉を狙って治療します。筋肉を柔らかくする事で柔軟性を戻していきます。
患部の痛みが強い場合は鍼から電気通電療法を行ない鎮痛作用をだしていきます。
頚椎と胸椎は可動域が違います。可動域が広い頚椎と可動域が狭い胸椎の繋ぎ目は負担が大きくなります。さらに胸椎の後湾に合わせるため下位頚椎はカーブが大きくなるため頚椎ヘルニアになりやすいと言えます。
姿勢が猫背になると頚椎が前湾を強くして下位頚椎の角度が苦しくなります。脊髄神経は頚椎の後方にあるため神経根が障害されやすいです。
頚椎ヘルニアの神経根障害で頚椎を後方に倒すと症状が悪化するのはこのためです。
この考えから治療方針として、姿勢改善と悪い癖で硬くなってしまった筋肉の柔軟性をだしていきます。
首、背中、腰と背面の脊椎の湾曲をだして、胸を張るように胸郭の位置を整えるとヘルニア部分の負担が減らせます。症状が軽度の場合は姿勢改善だけで症状が緩和する事があります。
頚椎ヘルニア部分に負担がかからないようにしても自然治癒力が下がったままでは痛みや筋緊張の治りが悪いです。
患部だけではなく全体の流れも良くしなければ栄養ある血液が上手く行き届きにくいです。
全体の血行循環を良くするためにも身体全身を治療する必要があります。
足先から首の患部までをしっかりと治療していくことで緊張が緩和されてリラックスできます。
血行循環は身体がリラックスしている状態で上手く流れるため、ストレスや患部以外の不調も整えます。
リラックスには自律神経の副交感神経が関係します。ストレスや疲労などで自律神経が乱れると副交感神経が下がって興奮作用の交感神経優位の状態が続いてしまいます。
交感神経優位では全身の血管が収縮して血流が悪くなって患部の血流も当然悪いままです。
当院では自律神経測定器によって交感神経と副交感神経のバランスを調べられます。
このデータを元にバランスを整える治療方針を立てて効果を出していきます。
データとして客観的に自分の身体変化をみていけるので、日々の体調管理に役立ちます。
手足やお腹にある副交感神経を整えるポイントと心地良い刺激の治療で身体をリラックスさせていきます。
小一時間の治療が終わる頃には効果を実感して頂けると思います。
頚椎ヘルニアでお困りの方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 10:58 / 院長コラム