2017年2月27日
手の痺れが特徴です。ヒリヒリ、ビリビリといった痺れや痛みが現れます。
手根管症候群は腕や手を酷使する方や、妊娠、更年期と言ったホルモンバランスが崩れる方に多くみられます。
手首にある手根管というトンネルの中を神経が通っています。この神経が圧迫や何らかの刺激を受けると上記のような症状が現れます。
トンネルを通っているのは正中神経という神経で親指から薬指までの感覚を支配していますが、小指には通っていないため手根管症候群では小指に症状はみられません。
手根管症候群は中指や人差し指などを中心に痛みや痺れ、運動障害が現れる事が特徴です。
直接的な原因としては使い過ぎなどが挙げられますが、使い過ぎていても症状が出る人と出ない人がいます。
その違いは以下のように東洋医学的に観るとはっきりと分かります。
東洋医学で診ていく場合、指や手のひらを巡る経絡に滞りが起こる事で、症状が現れてくると考えます。
そして滞りが起こる原因は大きく分けて4つあります。
胃腸の機能が落ちていると水分の代謝がうまく行われず、「痰湿」と呼ばれる病理物質(余分な水分が体内に長期間溜まっている状態)が蓄積してしまいます。
この状態の時に、自然界の異常気象によって生じた風邪と寒邪(風寒の邪)が体に入り込み、痰湿とくっついてしまう事で経絡を詰まらせてしまいます(風寒痰)。
発作性の引きつるような激しい痛み、顔面蒼白、冷やすと痛みが増し温めると軽減する、発熱や寒気を伴う事がある、と言った症状が特徴です。
体内には陽気という、主に臓器や筋肉など体を温め機能を活性化させるためのエネルギーが巡っています。
栄養不足や少食、消化器系の不調、長期の臥床、加齢などにより、気血が不足する事があります。
気が減ると陽気も不足するため、体を温めるエネルギーが不足し、冷えが生まれます。
このように現れる冷えを虚寒といいます。
冷えは経絡の流れを妨げ、気血を滞らせる特徴があります。
持続的な不快な痛み、手足や腹部などの冷え、温めると症状が軽減すると言った症状が特徴です。
長期間ストレスを受けていると肝の機能障害が起こります。そうすると気血をスムーズに巡らせるという肝の機能が失調し、気血の滞りが起こります。
突っ張るような痛み、ストレスや情緒の変動で痛みが出現する、イライラしやすい、胸やお腹の張りなどの症状が特徴です。
肝気鬱結が慢性化すると気だけではなく血も滞り、血瘀(けつお)という状態になります。
この場合、刺すような鋭い痛み、ジンジンとした強い痺れ、夜間痛などが特徴的です。
症状が慢性化したり、栄養不足や睡眠不足が重なると、気血を消耗し、血を巡らせるエネルギーが不足してしまいます。そして血が滞ること(血瘀)で経絡が詰まってしまいます。
慢性的な刺すような鋭い痛み、ジンジンとした痺れ、痛みが治まるまで時間がかかる、筋肉の痙攣、息切れ、顔色が黒っぽい、夜間の痛みなどの症状が特徴です。
以上のような体質がもともとある状態で、手や指を使い過ぎたりすると手根管症候群の症状が現れてきます。
これらの原因がいくつか重なっている事でもよく見られます。
また経絡に沿ったその他の部分(首肩や肘、背中など)に痛みや硬さなどの異常がある(あるいは過去にあった)と、手首や指に痛み・痺れとして影響を与える事もあります。
ですので局所だけでなく、全体の状態をしっかり把握する事が、治療には重要になります。
原因が明らかになっていないものは自律神経が関係していることが多いです。
交感神経優位になると痛みを強く感じる事や軟部組織が硬くなってしまう場合があります。
ストレスや生活習慣などが大きく関係します。
中年以降の女性に手根管症候群は多くみられます。中年以降は様々なストレスを受けます。家庭や社会など色々な責任がのしかかるためです。
自律神経を整えると痛みが痛みを呼ぶ負の連鎖も解消できます。まず乱れた自律神経を整える事が重要です。
鍼灸治療は自律神経を整えるのに優れた治療法です。心地良い刺激と小一時間の施術で終わる頃にはリラックスでき効果を実感して頂けると思います。
当院では自律神経測定器によって交感神経と副交感神経のバランスを調べられます。このデータを元に治療を行なうので効果的に自律神経を整える事ができます。
日々の生活習慣やストレスが原因となるので一回の治療で全てが治ることはありません。
積み重ねて出来た症状のため治療にも時間がかかります。
初めは一週間に一度の来院ペースをお勧めします。
定期的に計測する事で客観的に自分自身の身体の変化が分かります。整ってきたら徐々に感覚を開けて治療を終えます。
手根管症候群でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越し下さい。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 18:36 / 院長コラム