小児鍼の効果

2017年3月21日

小児治療の需要

待機児童の問題や子供の教育などテレビなどでよく耳に入ってきます。

あきらかな発熱や感染の疑いは病院に行きますが、泣きすぎる、騒ぎ過ぎる、奇声をあげるなど周りの子と比べて少し違うのではと思う疑問は抱えたまま親の負担になります。

保育所や両親に預けると子供の状態が完全には掴めないことも行動に移せない理由かもしれません。

原因や状態が理解できると親の不安感はかなり減少します。ストレスを抱えないためにも治療可能な症状であれば直ぐ専門院に連れて行くことが良いと思います。

癇癪や夜泣きなどの症状は小児神経症の場合があります。昔から子供の癇癪や夜泣きなど疳の虫と呼ばれて治療されてきました。

子供にも鍼灸で治療法があって小児針という道具があります。

 

小児針の効果

 

 

小児針とは、主に小児特有の症状に対して行う治療です。

子供に針!?と思われるかもしれませんが、古くからその治療法は存在し、現在でも特に関西で行われています。

 

針と言っても小児針は、接触針と言って体に刺さない針になります。小児針は、様々な材質・形状をした物がありますが、それらを使って皮膚を撫でたり擦ったり、あるいはトントンと軽く叩いたりして治療を行ないます。

 

昔から、夜泣きや疳の虫(キーキー声を上げたり噛み付いたりする)、寝つきが悪い、おねしょなどの神経症、アトピーや喘息などのアレルギー、便秘や下痢などの胃腸症状に対して小児針が行われてきました。

 授乳中やお薬に抵抗感がある方でも小児針なら副作用がなくて安心です。

治療時間も短く、10~20分で全てが終わります。それもお母さんが抱っこした状態など楽な姿勢で行えます。

 

 

なぜ刺さない針で効果があるのでしょうか?

 

それは皮膚刺激自律神経ホルモン分泌に関係します。

 

副交感神経

実は皮膚を撫でたり擦ったりすると副交感神経の作用が活発になります。

副交感神経が活発になると、リラックスして心が落ち着いたり、胃腸の消化吸収機能が整ったり、安定した深い睡眠が取れるようになります。

 

逆に交感神経が昂ぶっていると、アドレナリンが過剰に分泌され、攻撃的になりキーキーと声を出したり噛み付くと言った行動が現れてきます。

また胃腸機能や睡眠状態は抑えられるために便秘や下痢、夜泣きなども出てきてしまうのです。

 

 

まだ言葉でうまく感情を表現できない子供は、周囲の環境から多くの情報を全身を使って敏感に受け取っています。

近くにいるお父さん・お母さんの精神状態、生活習慣、そして無関心や過干渉を全身で受け止めています。

あなたのお子さんは肩や首を硬く緊張させていませんか?

眉間に青筋を立てたり、キーキー声を上げたり、噛み付いたりしませんか?

それは子供からの精一杯のメッセージかも知れません。

 

このような時には、交感神経が昂ぶっている合図です。

子供が何かをする時には必ずその理由があります。

身体や心からのメッセージを汲み取る事も必要かもしれません。

 

 

さて皮膚による接触にはもう1つの効果があります。

それはオキシトシンと言うホルモンの分泌です。

オキシトシン

このホルモンは子供を抱っこしたりなど触れ合いによって分泌されます。

 

オキシトシンはこれまで分娩時の子宮収縮や乳汁の分泌を促すホルモンだと考えられていました。

この作用は確かにありますが、最近になって新たな作用が分かってきました。

 

その作用が副交感神経の働きを高める作用です。

 

先ほど出てきた通り、副交感神経が活発になると胃腸機能が整ったり安定した深い睡眠が取れるようになります。

またストレスを感じづらくしたり身体がリラックスしたり不安や痛みを軽減したりする事で、心身ともに安らいだ状態になります。

 

こういった反応を促すホルモンがオキシトシンなんです。

 

さらには自分以外の他人への正常な警戒心を一時的に緩め、接近行動を可能にする事で、母子の絆、信頼や愛情といった感情、グループ認識などの社会的行動など、子供の成長においてとても良い影響を与えてくれます。

 

 

そしてオキシトシンには、もう1つ別の作用があります。

それは過剰になり過ぎた副交感神経の働きを抑え、自律神経の正常なバランスへ戻す働きもあります。

 

副交感神経が過剰に働き過ぎると、感情の麻痺、感覚の消失、認知処理の損傷、身体活動の減退など、いわゆる抑うつや引きこもりのような状態を引き起こします。

 

 

子供と触れる事、特に皮膚への接触を通じて、副交感神経が活性化されたりオキシトシンが分泌され、自律神経の状態が正常になります。

そしてそれにより、胃腸機能が整い、安定した深い睡眠が取れるようになります。

またストレスを感じ辛くしたり身体がリラックスしたり不安や痛みを軽減したりする事で、心身ともに安らいだ状態になります。

 

 

小児針治療では皮膚を撫でたり擦ったりする事で、自律神経のバランスが正常化してきます。

そして夜泣きや疳の虫、寝つきが悪い、おねしょなどの神経症、アトピーや喘息などのアレルギー、便秘や下痢などの胃腸症状が改善してきます。

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 17:53 / 院長コラム

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