むくみ解消の鍼灸治療

2018年8月22日

むくみに対する鍼灸治療

鍼灸でむくみの改善をしたいとう問い合わせが多く寄せられます。

むくみにも色々な原因がありますが、水分代謝が正常に行われないことで回収されない水分がむくみとなって現われます。

鍼灸治療ではこの水分代謝を正常化させてむくみの改善を行います。

むくみ 温灸

むくみの原因

むくみの種類にもいくつかあり、生理的なむくみ・病的なむくみ・突発性のむくみがあります。

 

1.生理的なむくみ

生理的なむくみは立ち仕事や座りっぱなし等で長時間同じ姿勢を続けることで足の静脈の圧が高まることで細胞から細胞の水分が押し出されてしまいむくみとして現われます。寝起きの顔のむくみも生理的なむくみとされています。生理的なむくみの特徴として一時的に起こり時間と共に増減する傾向にあります。

 

①アルコールや塩分の過剰摂取

アルコールを摂取すると血中のアルコール濃度が高くなり血管が拡張し静脈やリンパの水 分処理が追いつかなくなることでむくみが起こります。

塩分の過剰摂取も身体の塩分濃度を下げるために水分を取り込むのでむくみの原因となります。

 

②ビタミン・ミネラルの不足

水分の代謝を支えるビタミンやミネラルが不足することでむくみが起こります。

特にマグネシウムやカリウム、ビタミンEやビタミンBが不足するとむくみやすくなります。クエン酸もむくみの解消に役立ちます。

 

③自律神経・ホルモンバランスの乱れ

自律神経の乱れは血流やホルモンバランスの乱れと直結します。

自律神経というのは交感神経と副交感神経がありそれぞれが拮抗し合うように働きます。

手足の血管の収縮には交感神経が深く関わっているので緊張状態が長く続いたり過労によって交感神経が過緊張状態になると血管が収縮し末端の血行が悪くなりむくみや冷えの原因となります。また自律神経が乱れる事でホルモンバランスが崩れやすい状態になります。特にエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンがむくみと関係すると言われています。月経前などの女性ホルモンが増える時期はむくみやすくなります。

 

④筋疲労・運動不足

筋肉の疲労や運動不足は筋ポンプ作用を低下させるので血行が悪くなりむくみになります。

特にふくらはぎのむくみは足首や足の指の動きが少ないと起こりやすく、座りっぱなしや立ちっぱなしといった長時間の同一姿勢が続くと動きが悪くなり筋肉が硬くなっていきます。

可能であれば1時間に1度靴を脱いで足首を回したり足の指をグーパーしてあげるとむくみの予防になります。

 

⑤環境要因

エアコンの効きすぎた部屋や冬の野外など外部環境によって身体が冷えることや寝不足といいった要因もむくみに影響します。またタイトな服やハイヒールや革靴も筋肉の動きを制限するのでむくみに繋がります。

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2.病的なむくみ

病的なむくみの場合はセルフケアでは解消しにくく、根本的な治療が必要です。

 

①心臓疾患によるむくみ

心臓の動きが悪くなることで全身の血流が悪くなりむくみが起こります。

 

②腎臓の疾患によるむくみ

腎臓は尿を作り出す臓器です。尿がうまく作れず余分な水分が体内に残る事でむくみが起こります。腎臓の主な疾患は糸球体腎炎、腎不全、糖尿病性腎症、多発性嚢胞炎、ネフローゼ症候群などです。

 

③肝臓の疾患によるむくみ

肝臓の働きは解毒、タンパク質の合成や栄養の貯蔵を行っています。

肝臓の機能が低下することでアルブミンという物質が不足し血中に水分を保持できなくなることでむくみが起こります。

肝機能低下ではむくみと一緒にお腹に水が溜まる腹水もみられることがあります。

肝臓の疾患は肝炎、肝硬変といったものがあります。

 

④甲状腺機能低下症によるむくみ

甲状腺から分泌されるホルモンは代謝を調節しています。

甲状腺の機能が低下することにより甲状腺ホルモンが不足すると代謝が正常に行われなくなりむくみが起こります。

甲状腺機能低下の場合では全身的なむくみがみられます。またむくみだけではなく寒さを強く感じたり、皮膚の乾燥、体重の増加、筋力や気力の低下がみられる場合があります。

甲状腺からくるむくみは指で押しても後が残らず直ぐに戻るのが特徴です。

 

⑤甲状腺機能亢進症からくるむくみ

甲状腺機能亢進の場合は代謝が異常になりタンパク質や鉄分が不足し血管内に水分を留めておくことができずむくみになります。

また心臓の動きが不規則になり血行不良を起しむくみが起こります。

 

⑥月経前症候群(PMS)によるむくみ

PMSでは女性ホルモンが原因でむくみが起こると言われています。特にプロゲステロンというホルモンが水分や栄養を体内に留めようと働くのでむくみやすくなる要因になります。

 

3.突発性のむくみ

むくみの原因がはっきりとわからないものが突発性のむくみとなります。

20代~50代の女性に多いとされていて病院の検査でも異常が見つからないので治療する手段がないのが現状です。

自律神経の乱れやホルモンバランスが崩れているのが原因ではないかとされていますがはっきりとした原因はわかっていません。

 

東洋医学からみたむくみ

東洋医学からみたむくみは肺、脾、腎の臓器が主に関わっていて、これらの影響で津液が停滞していると考えます。

 

①脾の津液に関する働き

脾は食物から津液を吸収し、全身に巡らせます。

脾の働きが低下すると津液の停滞や不足が起こります。

特に湿気と関係が強く、湿邪が脾に入り込むことで津液の停滞が起こりむくみになります。

脾のむくみは手足に起こり、手足の筋肉の張りが無くなるのが特徴です。

 

②腎の津液に関する働き

腎は全身の水分の代謝を行います。特に腎は不要になった津液を集めて処理をする働きがあります。腎が弱ると尿の排出が上手くいかなくなりむくみになります。

腎のむくみは全身に起こり冷えや活力の低下がみられるのが特徴です。

 

③肺の津液に関する働き

肺は脾が作った津液を全身に送り出す作用があります。

肺が弱ると津液を送る力が弱りむくみになります。肺のむくみは皮膚の乾燥や呼吸の異常を伴いやすいのが特徴です。

 

むくみの当院の治療

むくみは血行不良が原因であることが多いです。

血流を改善させる為に自律神経の状態を整え、むくみが起きている部分の筋肉を緩めて血液が通りやすい状態にします。

 

特に自律神経が乱れ交感神経が過緊張状態になっていると末梢血管が収縮しむくみが改善しにくい状態になってしまいます。

自律神経のバランスを整え、停滞した経絡の気を整えることで津液や血がうまく循環する環境を作ります。

また自律神経が整うことでホルモンバランスも整うのでPMSなどの婦人科疾患で困っている方にも当院の治療はお勧めです。

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Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 13:33 / 院長コラム

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