野球肩に対する鍼灸治療

2018年10月11日

・野球肩とは

野球選手に限らず、肩関節を回すことによって肩関節に起こる痛みの総称です。肩関節には筋肉で構成された回旋筋腱板と呼ばれるものがあります。

回旋筋腱板とは肩甲下筋、小円筋、棘上筋、棘下筋で作られる肩関節の安定感させる役割があります。この回旋筋腱板を酷使してしまうと肩関節の安定性が低下し肩関節を動かした時にさまざまな症状を起こします。

 

野球肩の主な症状は肩の痛み、動作時の不安定感や異音、可動域の低下、肩関節周囲の筋萎縮といった症状がみられます。

 

特に成長期の個主に多く起こり、スポーツ活動への支障が起こることもあるので早期の治療が理想とされます。

 

野球肩

 

・野球肩の原因

野球肩の原因では主に肩の使いすぎと身体に合わないフォームによって起こります。成長期では筋肉や骨格が未完成で骨端軟骨が柔らかいので関節面に異常な負荷がかかりやすくなってしまいます。また骨格や筋肉でのアンバランスも起こしやすく損傷を受けやすいとされています。

成人を迎えると筋肉や骨の成長も落ち着き、身体の強度も増していきます。しかし成長と共に関節の柔軟性も失いやすくそのまま筋肉の強化ばかりしていると可動域が失われケガに繋がりやすくなります。筋肉強化と柔軟性の維持をセットで行うことが重要です。

 

野球肩では回旋筋腱板炎や上腕二頭筋長頭腱炎といった疾患が原因で起こる事もあります。

回旋筋腱板炎というのは肩甲下筋、小円筋、棘上筋、棘下筋に炎症が起きてしまい肩関節の痛みや可動域の低下を起こします。重症化してしまうと夜間痛が起こり睡眠不足からパフォーマンスや回復力の低下が起こり長期化してしまうことも珍しくありません。

回旋筋腱板炎では腕を上げる動作や着替えの時などに強い痛みがみられるのが特徴です。

 

上腕二頭筋長頭腱炎では肩の前面に何とも言えない痛みが起こります。上腕二頭筋長頭腱炎では強い可動域制限はみられませんが腕を後ろに伸ばしたときやドアノブを回した時に肩に痛みが起こります。

 

・野球肩の西洋医学的治療

野球肩に於いては基本的に保存療法になります。その際、安静と保温を心がけることが重要です。症状の程度によっては運動療法を行い関節の可動域の維持と共に回旋筋腱板の強化をはかります。野球選手がトレーニングに使うようなゴムバンドやゴムチューブを使って回旋筋腱板が正しく機能するようにします。症状が長期化してしまう場合や回旋筋腱板が断裂してしまっている場合では手術を行います。

 

・東洋医学からみた野球肩

東洋医学の観点から野球肩をみると外邪が原因のものと臓腑の働きが弱くなったことが原因で起こるものがあります。

外邪とは環境要因のことで、野球肩の場合では主に寒さや風、湿気の影響が影響します。

臓腑の場合では肝・腎・脾の気が弱まった為に肩の痛みを起こします。

 

外邪は寒邪、風邪、湿邪が体内に侵入することで痛みを起こします。外邪の侵入は野球肩だけではなくあらゆる痛みの原因となります。

冷たい風に当たる、湿気が高いなどの環境の中で運動を続けたり長時間作業をしていると外邪が侵入し野球肩を発症します。

 

臓腑では肝・腎・脾の働きと関係しています。

肝は将軍の官とも呼ばれ身体全体の指揮をとる働きをしています。肝が弱ると全身の機能がうまく働かなくなるので回復力の低下や筋力低下を起こし野球肩に繋がります。

また肝が弱ると精神的な安定感も無くなるので不安感やイライラが起こりやすくなります。

プレッシャーに弱くなるので肝の不調は土壇場でのパフォーマンスの低下にも繋がります。

 

腎は作強の官と呼ばれ活動力を意味します。腎の機能低下は活動力の低下や老化を意味し骨や関節が弱くなります。また元気がなくなり本来の力を発揮できなくなり野球肩へと繋がっていきます。

 

脾は倉廩の官と呼ばれ食物を消化し栄養を蓄える働きをします。脾が弱ることで栄養状態が悪くなり全身の回復が悪くなると考えられます。

 

野球肩 お灸

 

・当院の野球肩の治療

野球肩の治療ではまず問題となる部分を探ります。肩関節だけではなく全身の状態を診ることもあります。原因がわかればその部分に鍼やお灸、場合によっては手を使った手技療法を行います。また問診時に肝・腎・脾に問題がありそうであればそちらの気を補う治療をします。生活習慣の乱れやストレスが多い場合では自律神経測定器を使いストレス度合いや自律神経のバランスを整える必要があるのか調べます。

肩関節だけの治療で完治する場合と全身的な治療が必要な場合と状況が人によって様々なのでそういった状況を見極めて治療を行うことで早期回復を目指します。

野球肩の症状が治った後は定期的なメンテナンスを行うことでケガの予防と最大限のパフォーマンスが発揮出来るようにお手伝いができればと考えております。

野球肩に限らず「この痛みや不調はその内治るだろう…」と放置すると長期化してしまい競技復帰まで思わぬ時間がかかってしまうこともあるので少しでも異常を感じたら早期に治療を開始し早く治してしまうことが重要です。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 16:19 / 院長コラム

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