緊張性頭痛の鍼灸治療

2016年6月1日

緊張性頭痛

最近、緊張性頭痛で悩まされている方が非常に増えております。それは、パソコン作業やスマホ操作の時間の増加、日々の身体的・精神的ストレスの増大によりなどの環境の変化により引き起こされていることが多いです。緊張性頭痛は一種の現代病とも言えます。

耳鳴り

症例

40代 女性 IT関係の仕事をしており、主にデスクワークが仕事。帰りが、終電となってしまうこともある。常に首肩こりは感じていて、つらいときは職場近くの慰安マッサージを受けて何とかしのいでいた。しかし、ここ最近は首肩こりがつらく、後頭部・側頭部が締め付けられるような痛みを感じるようになり、慰安マッサージを受けてもなかなか症状が改善されなくなり、知人に鍼治療を勧められて当院にご来院された。

治療経過 触診の結果、耳の後ろから胸骨や鎖骨に伸びる胸鎖乳突筋や斜角筋群に強い筋緊張がみられ、また自律神経測定器で自律神経を測定しても交感神経の活動が過亢進状態だった。それらがなにかしら後頭部・側頭部の痛みに関係していると考えて改善する施術を行っていきました。

1回目の治療後から3日間は頭痛を感じることはなかった。しかし、デスクワークを長時間しているとやはり首肩こりは感じていて4日目くらいには頭痛も少し感じていた。 4日空けて2回目の治療を行った。治療後からまた頭痛を感じることはなく、次の治療まで頭痛を感じることはなかった。 3回目の治療も4日空けて行った。以前、触診で強い筋緊張が感じられた筋肉は明らかに筋緊張が改善されていた。 4・5回目の治療は6日空けて行い、4回目の治療でほぼ頭痛を感じることはなくなり、長時間デスクワークをすると肩こりを感じる程度となったため、1時間に一度は休息をとり、簡単な頸のストレッチを行っていただき、5回目の治療で終了した。

緊張性頭痛

緊張性頭痛は、ストレス社会やデスクワーカーの増加から年々増えている疾患です。日本人の成人約20%が緊張性頭痛持ちとも言われているほど多い症状です。痛みの特徴として偏頭痛などと違い鋭い痛みではなくなんとなく痛みが合ったり、頭にはちまきが巻かれているような締め付け感を常に感じたりと、我慢をすれば仕事に支障が出ない程度の症状がだらだらと続く場合が多いです。
しかし、そのまま放っておくと症状がどんどんと悪化して日常生活までにも影響をもたらすこともあるので注意が必要です。 緊張性頭痛は男女とも多い疾患で、年代で見ると働き盛りの40代・50代に多いように感じます。

頭痛の種類

頭痛には緊張性頭痛のように命に差し支えることのない疾患もあれば、直ちに病院での処置が必要で命の危険性のある疾患が隠れている可能性もあります。

命の危険性のある頭痛を二次性頭痛と呼び、代表的な疾患に脳腫瘍やくも膜下出血などの脳に異常が出て頭痛を発症させます。これらを緊張性頭痛などと見分けることはとても重要です。下記の場合は直ぐに病院を受診しましょう。

・突然の痛みでハンマーで頭を殴られたような激しい痛みがある

・頭痛の他に吐き気や意識障害がある時

・発熱や首に硬直が見られる時

・40代以降に初めて頭痛を感じた時

 

緊張性頭痛の原因

緊張性頭痛は、主に首肩の筋肉や背部の筋肉が過緊張状態にあるために発症すると考えられています。筋緊張が強くなると、血管が収縮して筋肉内を流れる血液量が滞りやすくなります。すると痛みの原因となる乳酸やピルビン酸などが筋肉に溜まりやすくなり、それらの老廃物が周りの神経を刺激することで痛みの原因となるのです。

また、筋肉が緊張していない場合でも自律神経の状態で緊張性頭痛と同じ症状が起きる場合があります。特に現代はストレス社会と言われ精神的ストレスが多くかかる時代です。ストレスは交感神経の活動を過亢進状態にさせて、血管や筋肉を収縮させます。交感神経の活動は仕事中やスポーツなどを集中して行っている時には非常に有効な神経ですが、夜などの休息する時間帯までも交感神経の活動が過亢進状態となっていると、血管や筋肉の収縮により筋肉内の血流は滞りやすくなり、痛みの原因となってしまうのです。

目の疲労と緊張性頭痛も深い関係にあり、パソコンやスマホなどを長時間使用していると目の周りの筋肉は疲労して頭を覆う筋肉(前頭筋や後頭筋)にも影響を与えて緊張性の頭痛となってしまうのです。 パソコンやスマホを行う姿勢も問題です。パソコンやスマホを行う姿勢は気をつけていないと肩が前に出て猫背の姿勢となり、首肩こりの原因となります。

緊張性頭痛の東洋医学的考え

東洋医学では頭痛の怒る場所によってどの経絡に異常があるのか判断されます。緊張性頭痛の場合、多くは後頭部や側頭部に現れます。後頭部に痛みが出る場合は「太陽経頭痛」といわれ、側頭部の痛みは「少陽経頭痛」といわれます。ちなみに五臓六腑で太陽経に属するのは「膀胱経」「小腸経」で少陽経に属するのは「胆経」「三焦経」ですので頭痛以外にもそれと関連した症状が出る場合があります。 東洋医学では、痛みは常に気血水が何らかの影響で滞ることで発症すると考えられ、痛みや滞りにより栄養が行き渡らなくなり、さらに状態が悪化するといわれています。この点では西洋医学と似たような考えがあります。緊張性頭痛の場合も何らかの影響で太陽経や三焦経の経絡の流れが滞り、痛みや栄養が行き渡らない大きな要因となります。

経絡の流れが滞る原因としてまず挙げられるのが外因(天候や飲食物などの体外要因)です。天候や気温・湿度が深く関係しており、飲食物では飲食物の温度や刺激物を摂取することが関係します。 二つ目は、内因(五臓六腑の働きなど)です。五臓六腑特に「肝」「腎」「脾」の気血津液を生成し循環させる機能が低下すると経絡の流れは滞りやすくなります。その中でも緊張性頭痛の場合「肝」の疏泄を主るという機能が重要で機能低下すると体全体の気血水の流れが悪くなり、頭部付近の流れも悪くなってしまいます。

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緊張性頭痛に対する一般的治療

緊張性頭痛の治療には、主に筋弛緩薬や血流促進剤などが処方されます。 筋弛緩薬や血流促進剤は、筋の過緊張状態を取り除いて血液の流れをよくすることで痛みの改善をはかります。 また、抗うつ剤や抗不安薬が処方されることもあり、痛みがさらにストレスとなり痛みを増大させる悪循環を取り除く効果があります

緊張性頭痛に対する当院の施術

当院の緊張性頭痛に対する施術は、頸肩部周辺の経穴に鍼灸施術を施して筋緊張を緩める目的と頭部の実際に痛みの強く出るポイントに鍼を刺すことで痛みの閾値を上げて痛みを感じにくくさせる目的で施術します。また、それと並行して自律神経調整治療を行うことで痛みの悪循環を断ち切ります。主に使用する経穴は「天柱」「風池」「完骨」「肩井」とトリガーポイントです。

もちろん東洋医学的にも治療経穴を選び、局所的ではなく全体のバランスを診て治療していきます。五臓六腑の中で特に注目するのが「腎」「肝」です。「腎」「肝」の重要な経穴のある下肢や背部に鍼灸施術を行うことで低下した機能を活性化させたり、逆に活動が亢進し続けている部分を抑制します。

緊張性頭痛は、放っておいてもだらだらと続く痛みでそれほど仕事や日常生活に支障が出ない場合が多いですが、症状が悪化すると日常生活にも支障が出て一日中続く痛みで自律神経が乱れてうつや睡眠障害などにも進行しかねません。すると、治るのも長期化する恐れのある決して侮れない病気です。痛みを放っておくのではなく、痛みが出たら早期に治療などの対策をしましょう。

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Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 13:46 / 院長コラム

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