2016年5月27日
近年メニエール病は増加傾向にあるといわれています。芸能人でも今井翼さんや久保田利伸さんなどが発症して休養したことで世間の間でも知られるようになってきました。
メニエール病は30代~50代前半の女性に多く発症すると言われており、その年代は特に仕事や家庭でストレスを抱えやすく、特に女性はホルモンバランスの変化などで体調が崩れやすい時期ですので注意が必要です。
メニエール病は主に内耳から来る回転性のめまいが症状です。その他にも
・吐き気
・頭痛
・耳鳴り
・飛行機に乗っている時の様な耳のつまり感(耳塞感)
・動悸や冷や汗
・睡眠障害
などさまざまな症状が併発します。 メニエール病は基準があいまいな部分もあり、診断が難しい病気の一つです。
そのためぐるぐる回る回転性のめまいが起きた時にメニエール病と言われることもあるようですが、それだけでは不十分です。めまい症状と併発して耳鳴り・耳塞感・難聴の症状が現れるとメニエール病の疑いがあります。
めまいが起きたら めまいが起きたら迷わず一度、内科を受診しましょう。めまいは、様々な原因で起こることが考えられます。めまいの原因疾患によっては、すぐに手当てが必要な病気も潜んでいます。
めまいの他に
・手足の動きが悪い
・熱い冷たいなどの感覚が普段よりも鈍い
・激しい頭痛
・いつもよりも視野が狭いと感じる
・二重に物が見える(複視)
この様な症状がめまいと同時に起きている場合は、脳卒中や脳腫瘍などでめまいが起きている可能性もあるので注意が必要です。またメニエール病と似たような症状を呈する疾患として聴神経腫瘍や突発性難聴どもあります。
めまいを繰り返す メニエール病は、数分から長いと数時間にわたってめまいを感じます。
めまいの発作が起きている時は、立つこともままにならない場合もあり、仕事や日常生活に支障をきたすことも多いです。一度治まって普通に生活を送っていてもまためまい発作を繰り返すことがメニエール病の特徴です。
メニエール病の診断基準は、難聴・耳鳴り・耳塞感を伴うめまい発作が反復されることです。初めは、めまい症状がきつく、耳鳴りなどの耳の症状に気づきにくいですが、発作を繰り返していくうちに耳の症状も気になってくる場合が多く、耳の症状が徐々に強く出てきます。耳鳴りの場合は高い音よりも低い音の耳鳴りが絶えず鳴っていることが多く、低い音も聞き取りずらくなってきます。
メニエール病が発症しやすい年代と性別があるようにメニエール病が起きやすい人にはある特徴があると言われています。
メニエール病はストレスが一番の大きな原因として考えられていますので、
・趣味や楽しみがなく、ストレスを発散できていない
・仕事や家事が忙しく、生活が不規則
・几帳面で神経質な性格
・周りに相談相手がいない
・運動習慣がない
・塩分の多い食事
メニエール病の原因はいまだに解明されていない部分もありますが、内耳の浮腫みが一つの原因だと考えられています。 内耳には音の空気振動を蝸牛にあるリンパ液を通して感覚細胞へと伝え、電気信号に変えて蝸牛神経を通して音を大脳の聴覚野に伝える聴覚においてとても重要な器官があります。
また、内耳には聴覚の他にも平衡感覚を主る三半規管と耳石器という器官があります。 これら蝸牛と三半規管・耳石器の中にあるリンパ液の流れが悪くなったり、何らかの理由でリンパ液の量が増えて水ぶくれ状態となるのがメニエール病の正体と言われています。
内耳には内リンパ液と外リンパ液の2種類がありそれは膜を隔てて分けられているのですが、内耳が水膨れ状態となるとその膜が破られて蝸牛や三半規管に影響を及ぼします。多くは、平衡感覚を主る三半規管・耳石器に浮腫み状態が強くみとめられるようになるためにめまい症状が強く出るのです。
そして浮腫みはすぐに改善されないためにめまいは数時間に及ぶ場合もあるのです。めまい一瞬起きたであったり、数十秒のめまいではメニエール病とはいえません。 また平衡感覚を主る三半規管・耳石器のそばに聴覚を主る蝸牛があるために耳鳴りや難聴などの耳の症状を呈します。
そして、平衡感覚を脳に伝える前庭神経が自律神経にも影響を及ぼし、動悸やのぼせ、睡眠障害を起こすこともあります。
メニエール病において東洋医学では特に「肝」と「腎」が深く関係していると考えられています。 めまいは東洋医学では「水毒」といわれ、生体内を循環している津液が寒さや湿度などの外因の影響を受けたり、東洋医学での「肝」や「腎」などの内因の影響を受けて停滞して起こると考えられています。
特に停滞している部分が耳である場合にめまいの症状としてあらわれます。 また、「腎は耳に開竅する」といわれ、腎精が不十分だと耳鳴りや聴力の減退・排尿異常・生殖能力の低下や・白髪・毛髪脱落などが発生するといわれています。腎の機能が停滞することにより、耳の機能にも悪影響を与えてしまい、聴覚や平衡感覚にも異常をきたしてしまうと考えられています。
また、東洋医学には『肝腎同源』という言葉があり、肝と腎は同じ源と考えられています。腎の機能が弱くなるということは、肝の機能も弱っているということです。メニエール病の場合も腎の機能が弱くなっていることが表立って出ていますが、そこには肝の機能が低下していることも考えられます。
メニエール病の診断は難しく詳しく症状や過程を問診した上でメニエール病だと診断されます。その他、脳卒中などの中枢神経系の疾患を調べるための検査や平衡感覚・聴覚・視覚に関する検査も行われます。 メニエール病のめまい発作が強く出ている場合は点滴などでめまい発作を止めることが多いです。めまいがある程度止まると、利尿剤・循環改善薬・ビタミン剤などが処方され、必要であれば抗不安薬や睡眠薬なども処方されることもあります。
当院のメニエール病に対する施術はまず自律神経を整える自律神経調整調整療法から始まります。一回目の治療の前に自律神経の状態を把握して問題点を見つけてそれに伴って自律神経を整えます。
次にメニエール病で一番強く出ている症状を施術していきます。めまいなら首肩の治療、耳鳴りや難聴なら耳周りの施術を中心的に行っていきます。はりやお灸を使った治療がメインですが、経絡整体で首肩などの背部を整えていく施術も行う場合があります。施術に入る前に施術プランを患者様と話し合って行っていきますので、ご要望がある場合はその際にお申し付けください。
また当院では、病院などの医療機関と並行して施術を受けていただくことをお勧めしています。東洋医学には東洋医学の西洋医学には西洋医学の良さがあります。相互の良さを取り入れることで回復がより一層早くなることが見込めます。
メニエール病は日常生活で受けるストレスが大きく関係しているためストレスを溜めこまない生活が重要です。特に食事・睡眠・仕事・運動の4つの習慣に気をつけましょう。
・一日三食バランスよく、規則正しい時間に摂る
・睡眠時間を削らない生活
・ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどの有酸素運動をする
・趣味や旅行で気分転換をはかる
・お酒の飲み過ぎに注意する
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:19 / 院長コラム