2021年10月19日
寝違えは、就寝中に何かしらの原因によって捻挫や筋肉の挫傷を起こすもので、朝起きたら首が痛い!首を回せない!といった症状がでます。軽度から重度まで幅広く、重いものだと首を全く動かせないほどです。
前日まで何もなかったのに、朝起きたら急に首が痛くなったと驚きます。寝違えという言葉が知れ渡っているので、たかが寝違えと思われるかもしれませんが、損傷程度によって治癒期間がかなり異なります。
始めは違和感程度でも、徐々に強く痛みを感じて、中々治らない寝違えもあります。
早期治癒のためにも早めに医療機関にかかり適切な治療を受けることをおすすめします。
寝違えは、首の関節に繰り返しの外力がかかって関節捻挫になる場合や、筋肉が引き伸ばされて筋挫傷になります。
頸椎ヘルニアや変形性頚椎症などの病気を除けば大まかに、
1筋肉の挫傷
2関節の捻挫
3神経の損傷
によるものがあります。
1筋肉が損傷すると損傷した筋肉を動かした時に痛みを再現できます。逆にその筋肉を動かさなければ痛くありません。
2関節捻挫では、関節を動かすと痛みがでるため、色々な方向に動かすと痛みが出て、可動域がかなり制限されます。
3神経損傷は、他の損傷と見極めるのに末梢や広範囲に痛みを感じ感覚違和がでます。神経根損傷は損傷部位に痛みを感じないこともあり、首には痛みがないのに肩から先が痺れるという場合もあります。
腫れが強く出た場合や各損傷が強い場合には、どの方向にも動かせないことと、じっとしていても痛みを強く感じます。
寝違えは、寝る時の不良姿勢か、身体の柔軟性が失われることによって起きます。前日の深酒や疲労度も寝違えの発症に関係します。
身体は様々な筋肉や関節が連動して動きを作っています。例えば座位で猫背の状態で首を後方に傾けてみるのと、背筋を良くして首を後方に傾けるのでは、可動域や向きやすさにかなり差がでます。
筋肉は疲労やストレスで硬くなります。筋肉が硬く関節をあまり動かさないことや硬い筋肉の方向だけ引っ張られると関節周りの軟部組織が硬くなって可動域が狭くなっていきます。このように身体が硬いと寝違えを起こしやすくなります。
この身体が寝違えの元になり、飲酒や肉体労働、咳、姿勢不良で寝たなどの因子が重なって起こることがほとんどです。
冷やすのがいいのか温めた方がいいのか良く聞かれます。
損傷した箇所には炎症がおきて患部が腫れてます。この組織の損傷と炎症が原因で痛みがでます。
炎症は必要以上に腫れた場合は治癒期間が長引きます。炎症は温めることで腫れが大きくなっていきますので、受傷後はまず冷やすことが大切です。よく温めた方がいいのか冷やした方がいいのかと聞きますが、受傷直後は冷やして炎症を抑えて、痛みが落ち着いて来たら温めて血流促進させてあげるのがいいです。
カラーなどの固定材を用いて安静を指示されることが多いです。湿布や消炎鎮痛剤の薬を処方され、症状に応じて理学療法などを行われるそうです。
東洋医学では、寝違えの事を落枕(らくちん)といいます。寒さによって風寒邪が入って起きると考えられるので、寝床の環境や不良姿勢が原因になります。
経筋が侵されることが多いので、痛みの部位を見極めて治療します。治療する際は、肩や腕の経穴を使うことが多く、頚部の刺鍼は浅く弱く行います。
現代鍼灸では、受傷している筋肉を特定した後に刺鍼を行い、反応を診ていきます。痛みが強い場合には、局部を避けた周りに電気通電療法を行います。受傷直後は頸部の緊張が強いため、鍼の刺激量に注意して行います。
頚椎捻挫によって痛みが出ている場合は、後頸部を触診することで受傷部位がわかります。歪みによって起きた場合は、この歪みを取らなければ治癒が長引きます。軽度であれば、矯正後に痛みや可動域が改善されることが多いです。
重いものは、頚椎と胸椎の境目で起きる捻挫です。頸部の根本が歪んで起きる寝違えは、再発することや痛みが徐々に強くなっていく事が多いです。当日中にも痛み出してから夜にかけて痛みが強いことや先週までは軽度の痛みだったけど今週は首を振り向けない程といった感じです。この部位の治癒は時間がかかることと集中して治療を受けていただくことが必要です。
筋肉の硬さは、疲れやストレスが原因となって身体の柔軟性を失ってきます。自律神経が乱れていると疲れやストレスが抜けにくくなりますので、自律神経を整えることが治癒への早道です。
当院では、自律神経を調べる機械があります。この測定器では、交感神経と副交感神経のバランスや疲れ、肉体的ストレス、精神的ストレスなども測れます。この計測後のデータを元にその人に合ったオーダーメイドの治療を行います。
鍼灸治療はこの自律神経を整えるのに優れた治療法です。鍼とお灸を用いて小一時間の治療を受け終わった後には、効果を実感していただけると思います。
寝違えでお困りの方は、渋谷α鍼灸院へお越しください。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 11:59 / 院長コラム