梨状筋症候群の鍼灸治療

2021年8月30日

梨状筋症候群(坐骨神経痛)とは

梨状筋症候群は、臀部にある洋梨の形をした梨状筋が何らかの原因で坐骨神経を圧迫し、坐骨神経障害を引き起こす病気です。梨状筋は臀部中央にある仙骨から始まり足の付け根付近の大腿骨大転子という部分についている筋肉で足先を外側に向かせる働きがあります。

梨状筋は、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋と並んで痛みが遠くの場所にも発生しやすい筋肉の一つであり、こじらせると厄介な筋肉でもあります。

特に梨状筋は、坐骨神経が通過しているため、梨状筋の緊張は、そのまま坐骨神経にも影響を与えてももの裏側から足の裏にかけて痛みが放散することもあります。

ももを曲げる働きをする筋肉はすべて坐骨神経から出る神経に支配されており、坐骨神経は一般的に梨状筋の下孔を通って骨盤外に出ます。そして、大腿後面中央をほぼ縦に垂直に通り、膝裏に向かいます。膝裏に入る直前に脛骨神経と総腓骨神経という神経に分かれ、足の方へ下っていきます。しかしその過程で坐骨神経の一部が梨状筋の間を通ったりする場合があるため、股関節を曲げたり伸ばしたり捻ったりすることで筋の柔軟性が失われると坐骨神経は梨状筋に絞扼され、坐骨神経痛を訴えます。 症状としては臀部から足先にかけて坐骨神経の経路に沿って広がる痛みや痺れです。一般的に梨状筋症候群では腰痛症状がなく、足先を外側に向ける動きや横座りで体重を患側にかけると痛みが増強します。

※梨状筋症候群だと疑うポイント

・ももの裏・ひざ裏・足裏に痛みが走り、坐骨神経痛のような症状が出る ・特にももの裏に痛みがある ・股関節の痛みがある。 ・仰向けで寝ている時に足先が内側を向く ・内またで歩く癖がある

※坐骨神経痛は症状の表現であり、病名ではありません。

坐骨神経が圧迫されることによって生じる神経痛を総称して「坐骨神経痛」といいます。 坐骨神経痛の原因疾患で最も多いのが腰椎椎間板ヘルニアで、その他に腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症・分離症、梨状筋症候群などがあります。基本的に梨状筋症候群の場合は腰痛を伴わず、臀部から下肢にかけての痛みおよび痺れがありますが、腰痛の所見がないからといって容易に梨状筋症候群と判断することはできません。そういった場合でも腰椎椎間板ヘルニアが痛みの原因である場合も多いからです。

 

梨状筋症候群(坐骨神経痛)の西洋医学的考え

梨状筋症候群は坐骨神経が梨状筋間で絞扼され、仕事や運動でストレスが加わり発症します。外傷やスポーツ活動などで圧迫されて引き起こされることが多く、特にランニングのように股関節の屈伸を繰り返すスポーツでは、坐骨神経を摩擦し、絞扼するため神経炎を生じる原因となります。 また長時間、座位の姿勢を取ることによって圧迫され発症する事もあります。腰椎椎間板ヘルニアと症状が似ており、鑑別が必要となります。

梨状筋症候群(坐骨神経痛)の中医学的考え

中医学では梨状筋症候群(坐骨神経痛)は、臀部付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間体力仕事をした時などに気血は滞り、それが臀部付近であった場合に梨状筋症候群(坐骨神経痛)を発症する可能性が高くなります。

また坐骨神経の通り道は、中医学の「膀胱経」の通り道と似ており、「膀胱経」が何らかの障害を受けると梨状筋症候群(坐骨神経痛)を発症しやすくなります。 また中医学でいう「肝」「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると梨状筋症候群(坐骨神経痛)がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

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梨状筋症候群(坐骨神経痛)の一般的治療

急性期には安静休養を行い、保存療法を主とします。消炎鎮痛剤の外用や内服はある程度有効であり、疼痛がひどい場合には神経ブロック療法として坐骨神経ブロックを行います。また、梨状筋を切離する手術をすることで症状が改善される場合もあるようです。

梨状筋症候群(坐骨神経痛)に対する当院の治療

当院の梨状筋症候群(坐骨神経痛)に対する施術の目的は、臀部付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血行を良くして梨状筋の緊張を緩めることです。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

梨状筋症候群(坐骨神経痛)は五臓六腑の「肝」と「腎」、「膀胱」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや臀部付近の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。 東洋医学では痛みはその部位だけの問題ではなく、五臓六腑を含めた体全体の問題としてとらえます。梨状筋症候群(坐骨神経痛)は全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので梨状筋だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。 全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高め、早期回復が見込めます。 当院では補助的施術としてストレッチや吸角を行い、はりやお灸の効果を一層高めます。

 

梨状筋症候群(坐骨神経痛) の治療院をお探しなら、 渋谷α鍼灸整骨院へご来院ください。

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症例①

20代 女性

1ヶ月ほど前からお尻から足にかけて痺れるような痛みが出るようになり、長い時間座っていると痛みが増すようになった。

普段からデスクワークに加え、通勤時にヒールを履いていて、足腰の疲労感を常に感じていた。

整形外科での画像診断では腰椎ヘルニア等の骨には異常がみられなかった。

梨状筋部を押すと強い圧痛があったため梨状筋症候群と診断された。

病院での電気治療と湿布ではなかなか改善がみられない為、当院へ来院された。

 

◇1回目◇

鍼が初めてということで細い鍼で痛みが出ないように施術を行った。

梨状筋だけではなく、中殿筋や腓腹筋、腓骨筋など下肢の筋肉の緊張も強くみられた。

今回は初回ということもあり、上記の筋肉へ低刺激の鍼と骨盤周辺のストレッチを併用し施術を行い5割程度の症状の改善がみられた。

臀部のストレッチを毎日行うように伝え1回目の施術を終えた。

◇2回目◇

前回後、ストレッチを毎日行っていたこともあり、5割の改善度をキープしたまま1週間過ごせた。

今回は梨状筋部へのパルス通電も行った。

鍼の刺激に対する耐性があったので、対象とする筋肉へしっかりと刺激を入れることができた。

施術後、梨状筋症候群による症状はほぼ消失した。

今回のケースでは鍼刺激に対する耐性があったことと、鍼の反応がとても良かったため少ない施術回数で症状の消失がみられた。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 17:47 / 院長コラム

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