一回の筋膜調整で消失したばね指

2018年8月30日

【治りづらい症状の一つ、ばね指治療の現状】

こんにちは、筋膜調整・自律神経調整セラピストの山崎です。

 

 

今日はなかなか改善が難しいとされていて、またすぐに再発しやすい「ばね指」の症状が、1回の筋膜調整で症状が消失したケースをご紹介します。

 

 

その前にまずはばね指治療についての現状をお伝えできればと思います。

 

 

指を動かすには、指の筋肉が力を発揮してそれが腱を伝って、指の骨を動かす事で達成されます。

 

ばね指という症状はこの腱の部分に問題が起こっているために、症状が発症すると整形外科では言われています。

 

この腱は、動きが滑らかになるように腱鞘(けんしょう)という鞘の中を通っています。

 

ばね指ではこの腱が様々な原因(多くは使い過ぎ)によって腫れてしまい、腱鞘の入り口と出口で引っかかってしまうために起こります。

 

そのためばねの様に弾けるように指が動く、という症状が見られます。

 

整形外科ではこの腱の腫れを引かせるためにステロイド注射を打ったりしますが、一時的なものですぐに再発してしまったり効果の持続があまりありません。

 

注射でも全く変わらない場合、手術を勧められる事もあります。

 

鍼灸治療や普通の整体でも、基本的には指の筋肉を緩めて行く治療をしますが、ほとんど効果が見られないのが現状です。

 

ではなぜこんなにもばね指は治らないのでしょうか?

 

 

それは根本的な原因を見誤っているからです。

 

 

【ばね指の真の原因とは?】

誤解の無いようにお伝えしておきますが、ばね指では腱の腫れがある事は事実です。

 

しかし多くのばね指の方を診てきた結果から言うと、腱の腫れがあっても指をスムーズに動かす事ができるようになるのも事実です。

 

つまり根本的な原因は別にあると言う事です。

 

 

実は腱鞘はそれだけだとあちこち動いてしまい上手く指を動かせなくなってしまうため、支帯(したい)というバンドで押さえられています。

 

この支帯はただバンドとしての役割だけではありません。

 

支帯は腱鞘と連結していて、その緊張を調整しています。

 

そしてこの支帯は前腕の筋膜(きんまく)、上腕の筋膜、さらには肩甲骨周りや体幹の筋膜と連結しています。

 

筋膜と言うのは支帯と同様に筋肉の出力や緊張を調整する事で、各部位がスムーズに動かせるように調整役を担っています。

 

逆に言うと何らかの原因によって、どこかで筋膜が歪められてしまうと、誤作動が末端まで伝わってしまい、最終的にばね指という症状を引き起こしてしまいます。

 

その原因には、過去の骨折やケガ、痛み、内臓の不調などが影響します。

 

これがとても重要なんです。

 

原因は現在にはありません。過去の症状が重要なんです。

(詳しくはこちらもご覧下さい。https://alfashinkyu-shibuya.com/kinmaku

 

 

ですので、過去に身体にどんな事が起こっていて、それが現在どこの筋膜を歪ませてしまっているのか、と言う事を問診と触診で探していく必要があります。

 

そして真の原因部位を適切に治療する事で、一回の治療で症状が消失する事も珍しくありません。

 

 

今回紹介するケースの方も、親指には一切触れていません。

それでもたった一回の筋膜調整で症状が消失し、1ヶ月以上経った今も再発していません(日常で普通に使っているにも関わらず)。

 

 

 

【一回の筋膜調整で症状が消失したばね指】

 

今回来院されたAさんは、もともと慢性的な肩凝りがひどかったのですが、

 

約3ヶ月前に右腕が痛くなり、その痛みが消えたと思ったら、突然ばね指になってしまったとの事。

 

 

来院時には親指を曲げると、自力では伸ばせない状態でした。

 

 

 

時系列としては、

①慢性的な肩凝り(両側)

②3ヶ月前…右腕の痛み

③2.5ヶ月前…ばね指発症

 

という感じでした。

 

 

筋膜の歪みに影響を与えやすい、骨折やケガ、使い過ぎや内科的な問題なども、目立ったものはありませんでした。

 

 

しかしよくよく聞いてみると、生まれつき左眼の弱視があるとの事。

 

あまり関係ないように思われますが、目に関する症状も筋膜の歪みに影響を与えるため、とても重要な情報です。

 

 

そして実際に筋膜の歪みを探っていくと

図の黄色い◯部分に筋膜の歪みが存在しました。

 

ちなみに今回の症状である親指部分には何もありませんでした。

 

 

初回治療時にこの4点の筋膜の歪みを治療しましたが、

実はその場ではばね指の症状は全く改善しませんでした。

 

 

しかし筋膜調整ではこのような事は良くある事で、正常な炎症反応が終わり、

筋膜の並びが正常になるまでに時間がかかる事があります。

 

そしてその後に症状が改善する事も良く見られる事です。

 

 

Aさんも初回の1ヶ月半後に再来院(ばね指とは別の症状)された時にお話を聞くと、

治療の1週間後にばね指が無くなったようです。

そこから1ヶ月以上経っても、全く症状は出ていないようです。

 

 

結果から言うと、弱視の影響から慢性的な肩凝りを引き起こし、それが腕の筋膜を歪ませたために腕の痛みが出た。

 

そして腕の痛みは消えたのではなく、ばね指という形で親指に筋膜の歪みを引き起こし代償していた、と考えられます。

 

【改善動画】

 

【症例動画】ばね指

 

 

動画は2回目の来院時に撮影したものです(ご本人の許可を得て掲載させて頂いています)。

 

初回に動画を撮り忘れてしまい、ビフォーは無いんです、、、すいません。

 

 

なかなか改善しないばね指、何度も再発してしまうばね指と言った症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談下さい。

 


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 15:23 / 院長コラム

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