2017年2月14日
大後頭神経痛は後頭部にキリキリやピリッとした痛みがでます。
これは大後頭神経が頭皮や筋肉を支配しているため、神経に圧迫や炎症など刺激を受けて発生します。
この刺激の原因は分かっておらず、ストレスや天候、自律神経などが影響しているのではと考えられています。雨の降る前によく痛みを感じるとよく言われます。
上位頸椎から大後頭神経は出ているので頸椎の歪みに関係する姿勢の悪さ、首や肩の筋緊張も関係していると思われます。
片頭痛や緊張性頭痛が今まで有名な頭痛でしたが、大後頭神経もここ最近では並ぶくらい認知度が上がってきました。
後頭神経には大後頭神経と小後頭神経、大耳介神経が筋肉や皮膚の知覚に関係するためそれぞれの支配場所に痛みがでます。
大後頭神経・・・後頭部から頭頂部
小後頭神経・・・側頭部の痛み
大耳介神経・・・耳周囲(後ろ側)の痛み
・ピリッとした痛みやキリキリする痛み
・首を回すなど動かすと痛む
・雨の降る前に痛む
・後頭部の生え際を指などで圧迫すると上記場所に痛みを再現できる
※痛みは数日から数か月続くものや強くなったり弱くなったりと周期でくるものがあります。
なぜ神経が刺激を受けているのか原因は分かっていませんが、神経の走行と場所がわかっているためいくつかの説が考えられています。
頸椎の傾きと姿勢
長時間のデスクワークでは座っている際の頸椎の角度によって大後頭神経が持続的に引っ張られます。この傾きで神経が引っ張られたり圧迫されたりして刺激されると考えられています。
ストレスを受けると交感神経優位になり血流が悪くなります。後頭部の緊張が強くなり大後頭神経を刺激すると考えられています。
イライラや常に考え事をしている人ほど後頭部の緊張が強いです。
雨などの気候
気圧が変動すると血管が拡張されて頭痛が起こりやすくなります。
低気圧だと炎症物質のヒスタミン分泌量が上がるため頭痛がひどくなることが考えられています。
ヘルペスウイルス
身体の免疫力が下がるとヘルペスウイルスが活動します。
このヘルペスが原因で神経に炎症を起こすと頭痛に繋がります。
怪我、手術、骨折などの形態変化
外傷を受けて神経が障害されることや、手術や骨折で形態変化が起きると神経の圧迫と筋緊張が起こりやすくなります。
後頭部の筋肉と目の疲労は比例して硬くなります。風池という後頭部にある経穴辺りが硬くなります。
筋緊張によって血流の悪さや神経の圧迫が起こります。
痛みが出る場所によって判断します。
太陽経・・・後頭部の痛み
太陽経は膀胱経と小腸経が関係します。
少陽経・・・側頭部の痛み
少陽は胆系と三焦経が関係します。
経絡は流れが滞ると痛みが起こります。痛みの場所によって疎通が悪い経絡を治療することで頭痛を改善します。
五臓六腑では「肝」が深く関係します。肝は疏泄を主るという機能を持っているため肝の機能が低下すると全体の気、血、水の流れが悪くなります。
鍼灸には鎮痛作用と血流改善の作用があるので、後頭部の筋緊張緩和や痛みを抑えることができます。
マッサージでは直接圧をかけるとピリッとした痛みがでる場合がありますが、鍼では周囲から治療していくことができます。血流の流れを良くして鎮痛作用を上手く効かせると終わった頃には効果を実感していただけると思います。
筋肉に痛みを引き起こす点をトリガーポイントといいます。これは痛みを起こしている場所とは違う場所に原因があるという治療法で、痛みの関連領域を持つ筋肉のトリガーポイントを治療することで頭痛を改善します。
大後頭神経痛は神経の圧迫なのでトリガーポイントとは捉え方が違いますが、実際に治療を行うと改善される方が多いです。
病院で大後頭神経痛と診断されてもトリガーポイント療法で改善することがあります。
天候やストレスに関係が深い大後頭神経痛は自律神経を整えることが改善の鍵だと考えています。
自律神経のバランスが良いと免疫力やストレス耐久が上がります。
鍼灸治療は自律神経を整えることに優れています。お腹や手足に鍼灸を行うことで乱れた自律神経が整ってきます。
当院では自律神経を測定する器械があります。この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや身体的ストレス、精神的ストレスを調べることができるので複数の角度から症状を診れます。より多い角度からの視点は治療の効果を上げてくれます。
なるべく治療機会が多いことが望ましいです。初めのうちは症状がお辛いと思いますの変化するまでは数日に一度と詰めてきていただいた方が、効果が出やすいです。
効果が出始めましたら一週間に一度、二週間に一度と徐々に来院頻度を開けていきます。
体質改善を目的に行いますので、定期的に鍼灸治療を受けていただくと大後頭神経痛や他の疾患の予防にもなります。
大後頭神経痛でお悩みの方は渋谷α鍼灸院へお越しください。
四十代女性
長年頭痛に付き合ってきたが最近病院で大後頭神経痛と診断されてから色々な治療方法を試している中で当院に来院されました。
酷い時は一週間に三回ぐらい痛み止めを飲まなければ仕事も家事も出来ないほどで、薬を飲むことが当たり前の生活習慣になっていました。
患部の状態を診ると後頭部に大きな凝りと頚部全体の張りが分かりました。
患部に鍼と電気通電療法を行なったところ治療が終わる頃には痛みが減ったようだと言われて喜ばれました。
2回目
来院時に今週は全く痛み止めを飲まなくても大丈夫だったと報告されて、これからも続けたいと言われました。
2回目からは前回の治療内容に腰からの歪みを取る矯正療法も加えて行ないました。
今でも定期的に来院されますが、来られる前の頭痛は、もう出ていないと言われています。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 13:02 / 院長コラム