不定愁訴の鍼灸治療

2016年8月4日

不定愁訴とは

「客観的所見に乏しく、特に器質的疾患が見られないのに様々な身体症状の訴え」になります。これは、医学的にも原因を見つけられなく、言われた相手にも共感してもらいにくいものです。血液検査や血圧などを測っても異常値が見られないので、検査結果から分からないため「不定愁訴」と言われます。

症状として、頭が重く頭痛がする、火照り、倦怠感、全身疲労感冷え、腹痛など全身に及びます。

また症状も一日で変動するため朝と夜とでは違う症状が出たりもします。訴える方も漫然とすることや症状が変動するため医療機関にも伝えづらく1人で悩む場合も多いです。

原因の説として、ホルモン分泌の異常、自律神経失調症、精神的疾患、身体表現性障害などがあります。

不定愁訴は女性の方が多くみられますが、男性にもみられます

不定愁訴になると周りからの理解が乏しく人間関係まで崩れていくこともあります。なるべく早く治療を開始することと、周りに対して不定愁訴の理解をしてもらう努力が必要です。

不定愁訴や自律神経症状、精神疾患など他の疾患と比べると少ないため、周りの理解が乏しく本人を辛くする要因です。

頚肩腕症候群

不定愁訴の症状

運動器症状      肩凝り、腰痛、全身の関節痛、背中のハリ、腕や腿が痛む

全身症状       全身疲労感、倦怠感、手足の冷えや痺れ、多汗、火照り、脱力感、息切れ、耳鳴り、貧血症状、むくみ、疲れやすい

泌尿器・生殖器症状  月経不順、性欲低下、下痢便秘、排尿痛、尿漏れ、下腹部痛

消化器症状      胃痛、胸焼け、吐き気、腹部膨満感

その他の症状     眩暈、イライラ、興奮、不安感、頭痛、のぼせ、不眠、食欲低下、風邪を引きやすい、目の痛み、

 

 

不定愁訴の原因

精神疾患

様々な精神疾患によっても不定愁訴は引き起こされます。不安神経症、パニック障害、心的外傷ストレス(PTSD)、心身症、うつ病などがあります。

心の状態によって不定愁訴も起こります。精神疾患の場合ほとんどに何らかの体調不良が見られます。

 

自律神経失調症

不定愁訴とは自律神経失調症とほぼ同じような症状になります。日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と自律神経失調症の定義としています。

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって体内の恒常を維持しようとします。

仕事量や多忙な家事、気候などの外因や人間関係による内因などが原因となって自律神経を乱れさせます。

自律神経失調症は以下の四つに分類されます。

・本態性型自律神経失調症

・神経症型自律神経失調症

・心身症型自律神経失調症

・抑うつ型自律神経失調症

 

 

更年期障害

女性に多く見られるもので、更年期と言われる40代半ばで女性ホルモンが減少する事で体内バランスが崩れるために起こります。閉経により卵巣機能が低下して発症しますが、必ずしも現れるものではありません。

日本産婦人科学会は「更年期に現れる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と定義しました。

自律神経はホルモンバランスが崩れることでも乱れます。

 

 

 

自分で行う改善方法

規則正しい生活習慣

起きる時間と寝る時間が一定で、六時間以上の睡眠を確保します。朝起きてからは、コップ一杯のお水で内臓を起こして上げてから朝食を軽く取るといいです。

寝る前の三時間前に晩ご飯を済ませておくと睡眠により身体が良く回復します。

規則正しい食事

太陽の光を浴びる

人間は目から太陽光を認知して体内リズムを作ります。この体内リズムは自律神経が統括してますので、毎朝同じように浴びる事で体内バランスも整いやすくなります。

 

週3回の有酸素運動

運動不足は様々な病気の元になります。運動を行うには目安として週3回が良いです。

方法として、40分程の早めで大股の歩行が自律神経と骨盤が整いやすくなります。

汗がしっかり出るほど歩行する事で、泌尿器、骨格筋、循環器、呼吸器などが刺激されて40分ほど経つと脳も刺激されるので、予防法として最適だと考えています。

アキレス腱炎

原因は複数の因子が重なって起こることが多いので、まずは自分自身の体調をしっかりと管理する事が不定愁訴の予防に大切です。

人によって予防法だけで改善されない場合は医療機関に通う事をお勧めします。

不定愁訴は生活の質も落としてしまいますので、自分だけで解決すると負わずに医療機関で治療を受ける方がいいです。

 

当院での鍼灸治療と自律神経療法

不定愁訴にはまず自律神経を整える事が最優先です。自律神経だけが原因ではなくても、自律神経が関係している症状がほとんどになります。自律神経が整うと体調を崩しにくくなります。

一時間程行う鍼灸治療は全身の血行循環が良くなります頭の上から足先まで流れが悪くなっている所を鍼やお灸で心地良く刺激します。終わった頃には身体が温かくなった、痛みが減ったなどと効果を実感して頂けると思います。

_MG_0370

交感神経と副交感神経のバランスを自律神経測定器によって調べてから治療に入ります。その方その方に合った治療方法を行います。

なるべくリラックスして頂きたいので、痛みの少ない治療法を行っています。それでも痛みが強く感じるようでしたら刺さない鍼やお灸で刺激方法を変えることもできます。

安心して治療を受けて頂くために確認しながら行っていきますので、鍼灸治療が初めての方も安心して下さい。

不定愁訴でお悩みの方は、渋谷α鍼灸院へお越し下さい。

 

 

治療症例

四十代女性

専業主婦

症例

耳鳴りと火照り、不眠、首や肩の強い凝りと頭痛を主訴に来院されました。

昨年から介護に追われて自分自身の時間が無くなったことが強いストレスだと感じており、生活のペースが乱れたことで夜も眠れず日常では様々な不定愁訴が出始めたことで

内科、心療内科など病院で治療を始めたが症状がなくならないため不安になっていた状態でした。

自律神経測定器

交感神経が優位の状態で最近の生活習慣が良く現れたデータでしたので、副交感神経を上げる治療方針をたてました。

下肢の冷えと上半身の火照りから上下のバランスを整える必要があります。

一回目

不安な気持ちが晴れて、身体が治療後で重だるさを感じるが、効果を実感していただいて終わりました。

二回目

睡眠が良く取れて気分と身体のバランスがとれてきたような感じですと報告を受けました。

三回目~五回目

耳鳴りと首や肩に凝りがあるものの他の不定愁訴が無くなってきたことで生活が大分楽になってきたそうです。

自律神経測定器では副交感神経が上がってバランスが取れてきたところでした。

六回目~十回目

不定愁訴はほぼなくなってきたもののたまに出ることから定期的に来院されて体調管理をしています。


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 20:58 / 院長コラム

お問い合わせ

▲ページTOPへ