耳管開放症の治療

2016年6月10日

 

症例

50代女性

 

20年来耳管開放症に悩まされおり、もう治ることがないと諦めかけていたところで友人が当院のホームページを見つけて一度試しにと勧められてご来院されました。

20年前、仕事と育児に家事ととても忙しい日々を過ごしておられました。忙しすぎて食事もあまりとることができずに日に日に体重は減少していきました。最初は、自然と体重が減ることが嬉しかったが、それと同時に耳の違和感を覚えるようになった。

そんな時ある朝起きてみると、耳がふさがったような感覚と自分の声が妙に響くことに気づき、ちょうど飛行機の中にいるような感覚が常に出るようになってしまった。病院で診てもらっても特に原因がわからず、規則正しい生活を送ることと働きすぎをやめるように言われた。

それ以来症状を抱えながら生活を送っていたが、体調の変化や気候の変化に敏感に反応して症状が強く出る時があり、その度に病院を変えて診断を受けていた。ここ最近病院を受診したところ耳管開放症と診断された。

 

 

治療

病院では漢方と血流改善薬の西洋薬を処方されて服用していたがあまりよくならなかった。

当院では、まずお身体の状態・自律神経のバランスを測定していきました。測定した結果交感神経の活動が亢進しており、自律神経のバランスが乱れているという結果が出ました。また耳の後ろの胸鎖乳突筋の緊張がとても強いことが触診からわかりました。

まず、全体治療として自律神経のバランスを整えることから始めました。次に頸肩の筋肉の筋緊張緩和特に胸鎖乳突筋の筋緊張緩和を行い、そのあと耳周りの血流改善のため耳周りの経穴を用いて施術していきました。

7回目の治療後まで症状の変化は特にみられなかった。8回目の治療後天気の悪い日はまだ耳塞感や自分の声が響く感じがするが天気の良い日は少しずつ変化みられて症状が軽くなってきたように感じた。

それから症状の波があるにしても施術回数を重ねていくたびに症状が軽くなっていった。症状がほぼなくなったので16回の施術で終了した。施術間隔は最初の1か月ほどは3~4日に1回ほどのペースでそれからは週に1回ほどのペースで施術していきました。

 

 

耳管開放症とは

耳管開放症は、あまり聞きなれない言葉かと思いますがストレスの多い現代では急増している疾患のうちの一つです。最近では歌手の中島美嘉さんが耳管開放症を患っていたとして少しずつ認知されるようになってきましたが、日本人では20人に1人問う割合で耳管開放症にかかっていわれています。

 

耳管開放症の症状の特徴は大きく分けて3つあります。

 

耳塞感

エレベーターで高いところに昇るときや飛行機の中で耳がふさがったような感覚は誰もが軽消されるかと思いますが、耳管開放症ではその状態がほぼ常に続きます。そういった時はつばを飲み込んだりあくびをして耳抜きをしても耳管開放症の場合は軽減しません。

 

自声強調

耳管開放症では、耳管が開いてしまっているため自分の声が耳道を通して直接聞こえてしまいます。自分がしゃべると常に耳元で自分の声が聞こえるのでとても大きなストレスとなります。声が自分の中でこもるというよりも自分の声が自分の耳の中で響くといった感覚です。

 

頭の位置を変えると軽減する

お辞儀のように頭を前に倒すと症状が軽減したり、横になっているとまったく症状が出ないのも特徴です。頭を倒したり横にしたりすると耳管が勝手にふさがってくれるためです。

 

 

耳管開放症の原因

耳管開放症の原因は、急激な体重減少疲労・ストレスによっておこると言われていますがはっきりとした原因はいまだわかっていません。

耳管は鼓膜の奥の空洞部分の個室という部分と鼻の奥をつなげる管です。耳管にどういった役割があるかと言いますと外の気圧と中耳の圧を一定に保つ役割があり、その機能があることで鼓膜がうまく振動して音がきちんと伝わるのです。

耳管が常に開いていることで音がうまく伝わらずにまた耳管を通して自分の声が響くように感じるのです。

その状態が続くと日常生活でもとてもストレスに感じてしまい、睡眠障害うつ病といった疾患にもつながりかねません。

 

鼻炎や後鼻漏

鼻炎や鼻汁がのどの方へながれてしまう後鼻漏で常に鼻をすすってしまうと耳管開放症の原因となると言われています。

 

ダイエット

特に女性に多いですが、急激なダイエットにより耳管開放症の原因となる可能性があります。ダイエットで初めに脂肪が落ち始める部分は人によって様々ですが、中には耳管周りの脂肪が落ちて行ってしまう方がいます。そういった方は、耳管が開きっぱなしになりやすいのです。

 

妊娠によるホルモンバランスの変化

妊娠後のホルモンバランスの変化によって耳管開放症の原因となる場合があります。女性は特にホルモンバランスの変化によって体がむくみやすくなったりします。それと同じように耳管周りの組織もむくんだり、むくみが急にとれてしまうことで耳管開放症になりやすいといえます。

 

ストレス過多

睡眠不足や過労などによって症状が強く出る方が多いことからストレスなどにより自律神経のバランスの乱れが耳管開放症の原因となっていると考えられます。自律神経の乱れ特に交感神経の過亢進状態では末端の血流量は低下して耳管も開きやすくなっている状態だと考えられます。

 

気候の変化

外気圧の変化、特に低気圧が近づいてくると症状が強く出ることがあります。季節の変わり目や梅雨の時期など天候の変化が激しいときは特に注意が必要です。

 

水分の低下

体の水分が広がると耳管周りのむくみがなくなり耳管が開きやすくなってしまいます。

 

 

耳管開放症に対する当院の治療

耳管開放症の当院の治療は3つの柱から成り立ちます。

・自律神経の調整

自律神経測定器で自律神経の状態を整えることで体をリラックス状態に持っていき、体が回復しやすい状態に持っていきます。また、自律神経の状態を整えることで耳周りにも水分や血流を行き渡らせやすくします。

 

・頸部の筋緊張緩和

首周りの筋緊張を緩和することにより耳周りの循環を良くする下準備をします。

 

・耳周りの経穴を用いた施術

最後に耳周りの経穴を用いて鍼施術していきます。当院では、細い針を使用してなるべく痛みの少ない鍼施術を心がけています。

 

 

・その他よく見られる耳の疾患
突発性難聴について
耳鳴りについて


Posted by 鍼 渋谷α鍼灸整骨院 東京都 渋谷区 at 17:55 / 院長コラム

お問い合わせ

▲ページTOPへ