神経有棘赤血球症と鍼灸治療について

「神経有棘赤血球症(しんけいゆうきょくせっけっきゅうしょう)」という病気をご存じでしょうか。

あまり一般的に耳にすることは少ない病名ですが、実際に発症すると生活に大きな影響をもたらす、まれな疾患のひとつです。

赤血球に“トゲ”のような突起が出ることで血液の流れがスムーズでなくなり、同時に神経系の障害も起こります。

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手足が思うように動かせなかったり、言葉が出にくくなったり、気分の落ち込みやイライラといった精神面の不調も加わるため、患者さんやご家族は日常生活に強い不安を感じることも少なくありません。

西洋医学では「遺伝性の神経疾患」として位置づけられており、根本的な治療法はまだ見つかっていません。しかしリハビリや生活支援、精神面のケアなどによって、少しでも快適な暮らしを送れるように取り組まれています。

一方、東洋医学の視点から見ると、この病気は「体の巡り」「気血のバランス」「心身の調和」の乱れとしてとらえることができます。鍼灸はその乱れを整え、心と体を少しずつ軽くしていくサポートになるのです。

西洋医学から見た神経有棘赤血球症

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神経有棘赤血球症は、主に遺伝子の異常によって引き起こされる病気です。血液中の赤血球は通常、なめらかな丸い形をしていますが、この病気では赤血球の表面にトゲ状の突起が現れます。これにより赤血球が硬く、壊れやすくなり、血管内を流れるときにスムーズに動けなくなります。

さらに、神経にも障害が及ぶため、運動機能や精神面にも影響が出ます。

主な症状としては次のようなものがあります。

運動面の症状:手足がふらつく、細かい動きがしにくい、筋肉がこわばる

言語の障害:言葉がはっきり出にくくなる

精神症状:うつ傾向や感情のコントロールが難しくなる

その他:疲労感、集中力の低下、全身の倦怠感

治療は対症療法が中心です。薬で症状を軽減したり、リハビリで動作を維持したり、栄養の管理や精神的サポートを行うことが主な柱となります。

つまり「病気そのものを治す」というよりも「生活を支え、進行をゆるやかにする」ことが西洋医学の主な役割です。

東洋医学から見たとらえ方

東洋医学では病気の名前そのものよりも、「体の巡りや気血の乱れ」に注目します。神経有棘赤血球症を東洋医学的に読み解くと、いくつかの特徴が浮かび上がります。

気の滞り

体を動かすためのエネルギーである「気」がスムーズに流れなくなると、筋肉が動かしにくくなったり、こわばりが出たりします。

血の乱れ

赤血球の形に異常が出ることは、東洋医学でいう「血」の質や流れの不調とつながります。血の巡りが悪ければ、手足の冷えやだるさ、疲労感も強まりやすくなります。

心と肝のアンバランス

精神的な落ち込みやイライラは、東洋医学でいう「心」と「肝」の不調としてあらわれやすいです。心は精神の安定、肝は感情や筋肉の働きに関わるとされ、両者の調和が乱れると心身の症状が強まります。

このように、神経有棘赤血球症は「気・血・心身すべてのバランスが崩れる病気」として理解できます。

鍼灸でできること

鍼灸は、体の表面にある経絡や経穴を刺激し、気や血の巡りを整えることで、心と体の自然な回復力を引き出す方法です。

当院では、以下のような工夫を行っています。

自律神経測定器によるチェック

施術前後に交感神経と副交感神経のバランスを数値で測定します。これにより「リラックスできた」「体が軽くなった」という実感を目で確かめることができます。

やさしい刺激での施術

神経の病気を抱える方は刺激に敏感な場合が多いため、極めて細い鍼を用い、身体に負担の少ない施術を行います。

血流改善と筋肉の緊張緩和

鍼灸刺激は血流を促し、筋肉のこわばりを和らげます。これにより「歩きやすくなった」「手足の動きが少しスムーズになった」と感じられる方もいます。

心身の安定をサポート

脳疲労

鍼灸は自律神経を整える作用があり、気分の落ち込みや不安感の軽減にもつながります。

生活習慣とセルフケア

鍼灸を受けると同時に、日常生活の工夫も大切です。

規則正しい睡眠:眠りのリズムが乱れると自律神経のバランスも崩れやすくなります。

無理のない運動:軽いストレッチやリハビリを続けることで、関節や筋肉の柔らかさを維持できます。

食事のバランス:赤血球や神経の働きに必要な栄養をしっかり摂ることも重要です。

ストレスのケア:気持ちをため込まず、話せる場を持つことも大きな支えになります。

鍼灸はこれらのセルフケアを後押しし、「続けやすい体の状態」をつくるお手伝いができます。

まとめ

神経有棘赤血球症は、まれでありながら生活に大きな影響を与える病気です。西洋医学では進行をゆるやかにし、生活を支えることが中心。一方で東洋医学は、気血の巡りや心身の調和を整え、症状を少しでも軽くすることを目指します。

当院では、自律神経測定器を用いた客観的なチェックと、やさしく負担の少ない鍼灸施術を組み合わせています。症状をすぐに消すことは難しくても、

体が少し楽になった

動きがスムーズになった

気分が落ち着いた

と感じていただけることがあります。

病気とともに歩んでいく中で、少しでも心身が軽くなるように。鍼灸がその支えとなれれば幸いです。

お困りの際はぜひご連絡ください。

Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 09:36 / 院長コラム

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