お知らせ & コラム NEWS / COLUMN
慢性胃炎の東洋医学治療
慢性胃炎
胃の辺りが不快
膨満感
食欲不振
胃もたれ
食後の腹痛
などが長期にわたって感じる場合は慢性胃炎の可能性があります。慢性的に胃が炎症を起こしているために上記のような症状が現れます。胃に負担がかかると炎症を起こしてしまい繰り返す事で慢性になります。
慢性胃炎は、胃粘膜にある胃腺が萎縮してしまい胃酸や粘液を分泌しなくなります。
原因は、ピロリ菌の解明によってほとんどピロリ菌が関係すると言われますが、全てがそうだとは言えません。
※ピロリ菌・・・・昔から胃は胃酸が強いため細菌が生息できないという考えだったため1983年に発見されるまで長い時間がかかりました。このピロリ菌は胃の壁を傷つける細菌です。一度感染すると除菌しなければずっと居続ける細菌です。
加齢も関係します。胃も加齢とともに消化機能が徐々に下がっていきます。消化不良が慢性胃炎を引き起こすこともあります。
症状
・上腹部に違和感
胃がある上腹部に不快感がでます。慢性胃炎の中で最も多くみられる症状です。
・胃もたれ
食後や負担が少ない食べ物でも胃もたれを感じます。消化機能が低下するため胃がもたれやすくなっているためです。
・食欲不振
胃もたれと同じで胃の中に消化不足がみられるため食欲不振になりやすいです。
・口臭
消化不良があるため胃の中で発酵すると腐った臭いなどがします。
生活習慣
慢性胃炎は、胃に刺激的なものやタバコなども関係します。ストレスが多いと胃に負担がかかりますので、生活習慣も関係します。
・暴飲暴食
一度に食べる量が多いのも胃に負担です。
・たばこや薬物の刺激
たばこは血流を悪くして胃液の分泌を促進させてしまいます。弱った胃に刺激が強すぎるものは良くありません。
・精神的ストレス
胃の粘膜が弱まり胃酸が増えて炎症や潰瘍が起きやすくなります。
・偏った食生活
動物脂肪などが多いと消化に負担がかかります。
自律神経の乱れ
内臓は自律神経の支配を受けます。自律神経の乱れはそのまま内臓機能に影響するためです。
東洋医学の考え方
東洋医学では慢性胃炎や胃潰瘍という疾患名ではなく、上腹部痛や呑酸を主症状とした状態として捉えた上で、その起因や随伴症状などにより大きく4つに分けられます。
冷たい物の過食型
このタイプは、冷たい物や生ものを過食したり、腹部を冷やしたりする事で、冷たい気(寒邪)が胃腸を犯したために胃痛などの症状が現れた状態です。
寒邪が胃腸の気を滞らせているため、冷えると痛みが増し、温めると緩和されるのが特徴です。
お腹を触ってみると冷たく感じます。
症状として、急な鋭い胃痛(圧痛が強い)、熱い物を好む、寒がりで暖を取りたがる傾向があります。
お腹を中心に胃腸の経絡を温め、胃気の滞りを取っていく治療が必要になります。また原因となっている冷たい物や生ものの摂取を控える事も重要です。
食べ過ぎ型
このタイプは、暴飲暴食を繰り返したり、疲労時に消化の悪いものを過食したために、飲食物を消化できず停滞が起こり胃の機能障害が起こっている状態です。
胃の作用は飲食物を小腸へ送る事ですが、この停滞が起こると未消化物が腐敗して濁気(体に悪影響を与える気)が上昇し、吐き気や嘔吐が起こります。
症状として、お腹の張った痛み(圧痛が強い)、酸腐臭の嘔吐、泥状便などがあります。
お腹を中心に胃気を巡らせ、消化を促す治療が必要となります。この時温めてしまうとお腹に熱がこもって悪化してしまう事があるので要注意です。
また消化の悪いものを控える事も重要です。
ストレス型
このタイプは、過度のストレスや緊張により肝の機能障害が起こっている状態で、そうすると気の流れが滞ってしまいます。肝の機能障害は特に胃腸の気を滞らせるのが特徴で、これにより胃の気が流れずに痛みが現れてしまいます。
肝と胃の協調作用が崩れている状態です。
現代医学でいう神経性胃炎に相当し、慢性化すると胃潰瘍になってしまいます。
症状として、反復される張っている胃痛(圧痛が強い)、両脇まで及ぶ痛み、イライラや怒り・緊張で痛みが増す、上腹部のつかえ感などがあります。
お腹を中心に胃気を巡らせる事に加え、肝の治療により全身の気の巡りを改善する治療が必要になります。
胃腸虚弱型
このタイプは、もともと胃腸が弱かったり、薬の長期服用などにより、胃腸の陽気が衰えていく事で胃を温める事が出来なくなっている状態です。陽気不足により胃の働きが低下し、ますます胃痛が治らなくなっている状態です。
現代医学でいう慢性萎縮性胃炎などに相当します。
息切れや疲労感など全身症状を伴います。
症状として、シクシクとした胃痛(押されると痛みが軽減し気持ち良さを感じる)、食欲減退、無力感、手足冷え性、
寒がりなどがあります。
お腹を中心に胃腸を温めて、陽気を強めていく治療が必要になります。また全身的に弱っているため、全体のエネルギーを回復するような治療も合わせて行って行きます。
Posted by 鍼 渋谷α鍼灸院 東京都 渋谷区 at 15:20 / 院長コラム
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